再演『反転するエンドロール』新キャスト対談！(前編)
映画館に併設されたカフェバー。けれどその中には、壁を隔てて二つの世界が存在する。
"観客"が主要な登場人物を担うという、非常に挑戦的な形態を実現するムケイチョウコクのイマーシブシアター。大好評だった『反転するエンドロール』の再演が決定した。
再演には、初演出演キャスト全員の続投とともに、新たに３名の出演者が加わる。
ムケイチョウコク コアメンバーの今井夢子、『反転するエンドロール』初演から監督の妻役続投の大塚由祈子を交え、新キャストとなる監督役の窪田道聡、カフェ店員役の小林未往に話を聞いた。
いよいよチケット発売の3/11が近づいてまいりました！観劇のご予定はもうお決まりですか？
さらに！4/30には、これまた前回も好評だったムケチョWSが開催決定となりました！
noteでは、前回の初演キャスト対談に続いて新キャスト対談を、前後編の２回に分けてお届けします。
前編の今回は【ムケチョとの出会いや、台本資料を見て今思っていること】
通常のお芝居とは違う、ムケイチョウコクのイマーシブシアターに参加することになったお二人と、心強い経験者ゆっこさんも交えて、語っていただきました。
ムケイチョウコク
イマーシブシアターを独自の目線で探求するクリエイションチーム。
2022年、美木マサオ・今井夢子・内山智絵をコアメンバーとして発足し、『OneRoom⇔dramaS―落下する記憶―』『反転するエンドロール』を
制作。発足したばかりのカンパニーにもかかわらず、
熱狂的なファンを多く獲得し、今後を注目されている。
2022年秋の『反転するエンドロール』初演は瞬く間にチケットが完売。
多くの参加者から殺到した要望に応え、2023年春の再演が決定した。
初演と同じ東中野ポレポレ坐にて上演する。
4/30にはWSも開催！
『反転エンド』をよりディープに楽しめるとともに、
日常に実践できるコミュニケーションのヒントも見つかるかもしれない。
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先行限定情報を配信中。
前編【ムケチョとの出会い、台本資料を見て今思っていること】
——新キャストのお二人にお話を聞く、ということももちろんなんですが、きっとお二人からコアメンバーの夢ちゃんや、初演出演者のゆっこさんに聞きたいこともあると思います。ぜひぜひどんどん聞いちゃってくださいね。
窪田・小林 はい！
出演決定前：傍観者チケットで観劇した感想（窪田）
——まずは、お二人のムケチョとの出会いについてお聞きしたいと思います。最初に窪田さんから。
窪田 美木さんとあるWSでご一緒して、同い年だねってとこから仲良くなって、それで『反転するエンドロール(以下『反転エンド』と表記)』初演を観に行ったんです。そのあと僕の出演作を美木さんが観に来てくれて。その直後にオファーを貰いました。
——初演の感想、多分みんな聞きたいんじゃないかと思います。
今井 聞きたい～！どっちのチケットで観たんですか？
窪田 傍観者チケットでした。登場人物チケットは僕が見たときはもう売切れてて。
小林 それでそれで？
窪田 いやぁそれが俺、お客さんとしては変な見方してたんですよね。パッケージとしてっていうか、景色としてみてた感じがあって。最初の方こそ、知り合いだったゆっこ見てたんですけど、途中から「この公演ってどういう作品なんだろう」ってことの方が気になっちゃって。あの会場も初めて行ったので、この会場のどこからどこまでが小道具なのかとか、中にいる店員さんは本物の店員さんなのかとか、あと本棚とか。それで会場の入口付近をやたらうろうろしてたんですよね。それで後で美木さんが、内山さんから「あの人ちゃんと楽しめてたのかしら」って聞かれたらしくて。
みんな （笑）
窪田 だから話を追う、物語を追うってことを全然してなかったんですよ。だからオファーもらった時も今も、どういう話か分かってないし、「監督役を」って言われても、監督全然追ってなかったし。
今井 入口付近だと、全然監督来ないですもんね（笑）
窪田 奥に関しては、レゴさん（芸能事務所社長役の池田レゴ）もちょっと知ってたので、なんかレゴさんが壁の向こうで叫んでるなって思ってました。こっちはどうも現代世界らしい、あっちはやくざの世界なのかなとか。
今井 なるほど。
窪田 それでちょっと覗いてみようと思って行ってみたら、占い師の役の人に「今日は何で来たんですか」って話しかけられてびっくりして「えっと、か、か、観劇です…」って（笑）
みんな （笑）
今井 すごいピュアな在り方ですね
窪田 どうやって観るかを迷いながら観てましたね。
——出演は決まっているけど、今の状態としてはそのまま「傍観者チケットで一回見たお客さん」の状態なんですね。
窪田 そうですそうです！なんもわかってないです！
今井 それなのに、良く出てくれることになったなって、今思いました（笑）
みんな （笑）
窪田 美木さんからオファー貰って「美木さんと一緒にやりたいっす。なんで出ないんですか？てかムケチョメンバー出てなくないですか？なんで？」ってずっと言ってますね
みんな 確かに（笑）
窪田 美木さん、「僕は出られないんですよね、やることがいっぱいで」って言ってた。
今井 そうなんだよね～
大塚 やることいっぱいなのは、うん。間違いないね。
今井 ムケチョの一作目『OneRoom⇔dramaS―落下する記憶―(以下『ORDS』と表記)』はお客さん10人キャスト5人って言う作品で、そのときはマサオさんも智絵さんも出てたんです。でも『反転エンド』は空間が2つになるので、「絶対私ひとりじゃ全部見れないよ、出たらやばいよ」って（笑）。まぁ『ORDS』も『反転エンド』初演も、結局全部は見れてないんですけどね。
大塚 みっちーさん（窪田のニックネーム）が観た回は、プロポーズが印象的な日だったんでしょ？
窪田 そうそう！片膝ついてプロポーズしてて！自分が役者やってて、プロポーズをやることになったときにあのスタイルを選択するかって言ったら、「そんなベタなこと選択しちゃダメだ」って思い込んでたところがあったんですよ。だからお客さんがやってるのを見て、その勇気ってすごいなっていうのと、所謂“ベタなこと”ってつまりこんなにすごいパワー持つんだなって思って、逆に勉強になった。だから今回自分が出ることになって、役者として自分がお客さんから貰えることが、きっとたくさんあるんだろうなって思ってます。
出演決定前：ムケチョWSに参加した感想（小林）
——それでは小林さん、ムケチョとの出会いについて教えてください。
小林 私、智絵さんつながりで、ムケイチョウコクさんのことは発足当時から聞いてたんです。稽古の通しや本番もお誘いもらってたんですが、でも全部自分の本番と被ってて。ただ、もともとイマーシブとか即興とかは好きで、やりたいって思ってたんです。誘ってもらってた通し稽古とか本番も、本当にずっとすっごく行きたかったから、去年WSあるって聞いた時に、これは絶対行こうって。
今井 うんうん。
——WSに参加してすぐ出演が決まったんですか？
小林 WSの2日目の終わり、帰りがけにお話いただきました。もう、二つ返事で「絶対出ます！」って。
今井 ムケチョメンバーの中で「あのかわいい子は誰だ」ってなって「あれが噂の未往だよ」って智絵さんがどや顔してきて。
大塚 どや顔（笑）
今井 マサオさんもずっと「素敵」って言ってたし、それでみんなでもう「すぐさま行こう！」って。
——ムケチョはね、手が早いんですよね（笑）
今井 あはは。そうね、チャラいんだよね（笑）
みんな チャラい（爆笑）
小林 そもそも願わくばの下心として、次があるなら出たいと思ってWＳ行ってたので「いいんですか！？」ってなりました。
マサオ （思わず対談参加）両思いでしたね
みんな 両思いでした！（拍手）
——ＷＳのこと聞いてもいいですか。どんなことをやったんですか？
窪田 うんうん。それ知りたいです。
今井 1日目に『身体感覚を開いてみよう！』っていうタイトルで、ムーブメントを使ってお客さんと関わることをテーマに、稽古でもたくさんやったスローモーションとかコンタクトとかをやってから、『反転エンド』のムーブメントのオープニングシーンに近い形でやってみたの。
大塚 へぇ～！面白そう！
今井 それで2日目に『1on1をやってみよう』っていうタイトルで、ムケチョの1on1（俳優一人とお客さん一人でシーンを作ること）を体験してもらったの。演技の基本的なワークを色々取り入れつつ、実際に『反転エンド』の設定資料を抜粋してやってもらった。あなたはこの役で、こういうことをお客さんに伝えたい、こういうモチベーションで関わりに行きますよ、相手はこの人ですっていう設定を渡して、「はい、やってみよう」って。ぶん投げてた（笑）
小林 あはは。はい、ぶん投げられましたね（笑）。でもそのぶん投げがほんとにおもしろくて。人と対峙するやり方とか、情報を得ようとする回路って、絶対人によって違うじゃないですか、それがほんとによくわかって、すっごくおもしろかったんです。
窪田 へぇ～
小林 私が体験したのは、相手から告白の相談をされるっていう設定だったんです。どうやら、今から行くから後押ししてほしいということだったらしいんですけど、私は「その人とどういう関係なの？」とか「今日告白してOKを貰える確信があるの？」って問いかけたんですね。そしたら「とにかく今日、行くんだ！」って返ってきて。それで、こういうのってその人のプライベートな恋愛観とかが出るのかもって思ったんです。もちろん、お芝居のフィルターがあったり緊張してたりで普段と違うこともあると思うんですけど、例えば言葉選びとか人を口説くまでのプロセスとかに現れるような気がして。
大塚 うんうん。
小林 それって例えばお仕事のプレゼンとか相手を説得したいときにも、「これが好きなんっす！やりたいんっすよ！」みたいな、熱意で迫るタイプなのかなとか。それに対して私はどっちかというと理論派で「説き伏せてもらえないとyesって言えないよ」みたいなタイプなのかなって思ったりして。
窪田 お～。
小林 お芝居がお仕事の新人育成に使われることがあるっていうの、こういうことなのかもって思いました。相手のことも知れるし、自分が人をそうやって見るタイプなんだなって言うこともわかって、すごく新鮮に面白かった。それにそういうことがわかると、今度実際に仕事やプライベートでそういう人と関わったときにはこうした方が通じるのかもな、とか思えて。
——すごい！実践ですね
小林 参加者さんにとって「お芝居しなきゃ」っていうのももちろん楽しいと思うんですが、それ以外でもプライベートやお仕事に反映できたり、人と話すのが苦手って人にも一つ自分を知る素材になれるんじゃないかなっていうのが散りばめられてたんです。お芝居なんだけど実践的、日常に使えることもたくさんあるんだなってことがすごく楽しかった。
——あこさんも言ってましたよね「このWSはみんな受ければいいのに」って。『反転エンド』の本番はもちろん、4/30のムケイチョウコクWSもぜひぜひチェックしてほしいですね。
大塚 内容は4/30も同じ感じでやるの？
今井 うん。当日の参加者さんたちの感じを見て細かいところは変わることもあるだろうけど、大きなテーマとしては同じだよ
大塚 私、絶対参加したい！
今井 うんうん、大歓迎！
稽古を前に、届いた資料を見て。
——台本、資料が届いていますよね。それを見て、今どんな印象を持っていますか？
小林 この作品って、実際にどういうことが行われているかって、聞いてるだけだとわかんないじゃないですか。「お客さんとお芝居するんだよ」って言われて「んーそれってつまり？」ってなっちゃってたとこもあって。
大塚 うん、確かに。
小林 それがキャスト資料としていただいた動画を見て初めて「こういうことやってるんだ」ってなりました。あと先日の初演キャスト対談記事も読んで、「これは、やばいなぁ」って…
大塚 やばい？
小林 はい。自分的にはめちゃくちゃ楽しみだし絶対楽しいだろうってことも揺るがないんですけど、技術面というか…アリサがタイムキーパーやってたって聞いて、「あー、私が一番苦手な項目だけど大丈夫かなぁ」って若干の不安が（笑）
今井 ニヤニヤしちゃう
大塚 （窪田に）みっちーさんは？見た？
窪田 さっきね。
今井 さっきなの⁉
大塚 さっきみっちーさんに「ここに資料あがってるよ」って言ったら「あ～」って言ってたから、もしや見てない？って疑ってた！
みんな （笑）
窪田 そうかぁ～これか～って（笑）
大塚 この構成資料ってやつに目を通して、キャラクター資料がこれで、これが初演の人が書いてくれたやつだよ～って説明したの、さっき（笑）
今井 「あ～」ってなりますよね、なにせ物量がね、すごいから
窪田 ゆっこが「この資料、全部覚えるんだよ」って。
——今まさに見た感想は？
窪田 全くわかってない。
みんな （笑）
大塚 あ、でも台詞が決まってるとこは大丈夫だって言ってたよね。
今井 （窪田に）インプロ（※脚本がなく即興で演じること）でしゃべるみたいなことは、今までやったことあるんですか？
窪田 ないです
今井 そうなんだ！うわぁ～上がる！楽しみ！
大塚 初インプロ。ようこそ！新しい扉を！
小林 ドキドキしちゃう
窪田 そうなの！そうなんです！
——小林さんはイメージが少しできてきたけど、窪田さんはまだあんまり想像できていない感じでしょうか
窪田 そうです！
皆 （笑）
大塚 その温度差もなんか面白いよね
窪田 あはは。確かに。
今井 ニヤニヤ
——稽古場にもお邪魔しますので、稽古が進むにつれての変遷なんかもリポートしていけたらと思っています。今から既に楽しみです。
観客、参加者としての新鮮な体験を経て、次は出演者《作り手》として参加する二人。
次回の後編は【作品作りについて】掘り下げていきます！
お楽しみに。
3/10、後編公開！
さらに、公演期間中の4/30（日）には、ムケイチョウコクWSも開催！
観劇してから参加して、よりディープにムケチョのクリエイションを楽しむも良し！
参加してから観劇して、更にディープに『反転エンド』の世界に没入するも良し！
もしかしたら、日常に実践できるコミュニケーションのヒントも、見つかるかもしれません♪
ムケイチョウコクのクリエイションにご興味のある方は、ぜひ公式LINEオープンチャット「connect」にもご参加ください☆
『反転エンド』の更に先、爆速で進むムケチョクリエイションの《今》を共有できます。
【再演『反転するエンドロール2023』公演情報】
『反転するエンドロール』2023
構成:今井夢子
ムーブメント:美木マサオ
演出:ムケイチョウコク（美木マサオ.今井夢子.内山智絵）＆all cast
【会場】
Space&Cafe ポレポレ坐（東中野駅より徒歩1分)
東京都中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル1F
【チケット発売】
一般(先着)：3/11(土)正午より：チケット購入はこちら
【チケット】
当公演にはチケットが2種類ございます。
★登場人物チケット：7,500円
あなたは物語の登場人物です。
ひとりひとりに名前が与えられ、出演者はあなたに直接話しかけてきます。
登場人物として物語の中を生きることで、あなただけのドラマを体験することができます。
★傍観者チケット：5,500円
あなたは物語の傍観者です。
目に見えない存在として空間の中を移動しながら、
登場人物たちが繰り広げる物語を、自由な視点で楽しむことができます。
※それぞれのチケットに別途ドリンク代500円がかかります。
【Cast】
AGATA(Project UZU)
生田麻里菜(キャラメルボックス)
池田レゴ(ClownCrown)
市川真也(マサオプション)
大塚由祈子(アマヤドリ）
窪田道聡(劇団5454）
小島啓寿
小林未往(合同会社flipper)
佐野功
塚越光
手島沙樹
藤田祥
村上ヨウ(豪勢堂GLove）
望月 光(疾駆猿）
山本美佳
遊佐邦博(大統領師匠)
※ 各回8名が出演
【公演日程】
4/21(金)
4/22(土)
4/26(水)
4/28(金)
4/29(土)
5/2(火)
5/6(土)
5/11(木)
5/13(土)
各回
19:00〜19:10 登場人物チケット 受付開始
19:10〜19:20 傍観者チケット 受付開始
登場人物と傍観者それぞれの物語の楽しみ方をご案内したのち、開演となります。
終演は21:15を予定。
終演後30分程度、会場内にてドリンクを飲みながらおくつろぎいただけます。
【ステージ別出演者】
下記画像をご参照ください。
