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10月15日 旅の点と線

旅のプランをたてながら、自分が好きな旅の形は、「点」でなく「線」なのかも、とふと気づきました。

『点と線』といえば、言わずと知れた清張の小説ですが、そんなことじゃなく、うまく表現できないけど、いわゆる「観光地」(点)に行くのが旅の目的ではなく、地図や時刻表片手に、そこへ移動するための手段を考えたり楽しんだりするを楽しく感じるという、まあ、そういう話なのです。

海が好き、船が好き、海岸線に沿って鉄道やバスに乗るのが好き、それもできるだけゆっくりとね。
年寄り時間とでもいうのかも、一つ一つの事象の認識が、若いころのようなわけにはいかず、高速船も新幹線も無縁で、せっかく旅をするのならフェリーや各駅停車の列車に乗りたい、まあ、そういうことなのです。

特急列車待ち合わせのため、長~い時間どっかの田舎駅で停車するのも、旅の醍醐味です。待つ間、ホームに咲く雑草の花や、ホームに這い出した草木の蔓や、あちこちかすれて文字が見えなくなった周辺の観光地案内の看板。駅舎や付近の道路や家並み、二度と訪れることはないだろうなと、何もかもが愛おしく記憶に刻まれていきます。さ~~~っと通過していく特急列車じゃこうはいくまいと、通過待ちの時間、半分やっかみながらね。

自分が病に臥せっても爺が倒れても、旅はできません。
あとどのくらい旅行ができるのだろうか、ちらと不安が襲います。
まあ、その前に通帳の残高が不足しそうな気もしますが・・・

縫い物をして、それを売ってすこし旅費の足しにして、合間に旅に出る。
体力、なにより言葉の壁に、最近は、国内旅行が一番と悟りました。
もう海外旅行なぞ望みません。
いい老後だなあと(半分)思いながら、次の旅の「線」を引いています。



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