全体最適には「全体」の定義が必要
ビジネスもそうだが、情報システムの仕事をしていると
〇 全体最適
× 部分最適
という意見をよくいただく。
果たしてこれは本当なのだろうか?といつも疑問に思う。
というのも、全体最適には多くのデメリットがある。
・全体最適に至るには、複雑な現状を理解する必要がありとても時間がかかる(複雑さを回避するために全体最適という言葉が出てくることも)
・全体最適に至るには、ブラックボックスを含め明らかにしなくてはならないことが多い
・そもそも、事業単位の強みを取り込むべきなのか、無視すべきか、その基準はあるのか?
・ある時点の最適は、時間とともに陳腐化して、すぐに最適ではなくなる可能性がある
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全社的なDWH、グループ会社の会計システム標準化、全社マスターデータの統合にかかわったことのある方は、「夢物語はそこまでにしろ!」と叫びたいところ。その複雑さから失敗するのは、やる前にわかっていることが多い。
もちろん、少し高い視点で見ることで、弁証法的に新たな解決策が生まれる可能性もある。一つの部署の視点だけでは、問題の定義が小さすぎる場合も多い。
つまり、課題に対する「全体」の定義がないことに起因する問題なのだと考える。
投資やプロジェクト発足の際に経営者の方に、全体最適の視点からの検討が不十分と言われた場合は、課題に対する全体の定義が甘く、「経営が扱う課題ではない」といわれていると考えてみてはどうか。
全体最適という耳当たりの良い言葉に飛びつくのではなく、まず、「全体」の定義から始めてみてはどうか?実行可能な対策が見えてくるはず。