11月、空想の窓辺から―
秋…
晴れ渡った青い空が何処までも澄んで、その色が深ければ深いほど裡なる孤独もまた深くなるような…そんな季節。
京都の老舗古書店:アスタルテ書房にて個展を開催中です。
もしも自分の周りが常に明るい光で満ち溢れていたならば、それはいつしか日常の風景となってしまい、それが光であると或いは認識しなくなるかも知れない。逆に光の届かない闇の中を独りで歩いていたならば、例えたった1つの小さな灯でもそれをよすがとすることも出来る。
昼があって、そして夜がある…
明るい光に希望を見出す為には、昏い闇もまた必要だったりする。
1度も行ったことの無い場所の筈なのに、どういう訳か既視感が拭えなかったり、或る特定の事柄にモノスゴク興味があって何故かシックリ来たり、そんな時には前世で何らかの関りがあったと云われていたりします。
モチロンそれは前世というものがあればという前提の話ですが、もしもそうなら自分の前世は地球外だったりするのかもなぁ…とフト考えたりする訳です。それも地球外生命がいればという前提の話ですが。
或る日突然に知らない世界へと連れて来られてそのまま放置されているような…物心がついた頃からドコカでそんな感覚をずっと持っていて、何だか周りにそぐわなかったり、世の常識というものに無意識に合わせて行く事が出来なかったり、どこかで社会不適合である寂しい自覚をしている訳ですが、生きてこの世に存在していることが何となくこそばゆいような感じもして。
気付いたらいつの頃からか心の裡に自分だけの世界を構築して、折に触れては其処に惑溺していたのでした。
実体の無い自身と実感の持てない世界とを繋ぎ留めるような…そんな心の物語を、手を変え品を変えてずっと綴っているような気がします。作品もそうした中から生まれるように思いますが、願わくば世界の暗い影を照らす小さな光であればと祈るばかりです。
クロネコ営業所脇の細い階段を上がって、金子国義画伯の絵が小さく貼られたドアーを開けると其処はまるで書斎の一室。
薄暗い、異空間めいた知の宝庫で、さり気なく点在して置かれたリトグラフやガラス絵等の作品たちを時折眺めつつ、新旧様々なる貴重な書籍を手に取るという至福。この空間にあるものを何か1つでも連れて帰りたい…そんな衝動も覚えます。
"アート" でも無く "ART" でも無く "藝術" な雰囲気の場所。
此処に居るとついついマンションの一室である事を忘れてしまいそう。
それはそうと、このアスタルテ書房…
関西のアーティストで知らない者は無いほどの永い歴史を持つ場所ですが、11月末で遂に閉店されるとの事…15日から開催される松島智里さんの作品展が最期になるのだとか。
残念なことではありますが、せめてこの場所を大切な記憶としていつまでも心の裡に留めて置きたい。
そして最後にこれまで運営を続けて下さったオーナーの佐々木氏に最大限の感謝を。。★
アスタルテ書房(京都)にて開催中
『11月、空想の窓辺から――』星野時環作品展
2024.11.1(金)~11.12(火) ※木曜定休
14~19時OPEN
新作を含むコラージュ&箱作品で立ち上がる孤独と絶望、
そして希望のimage
この機会に 京都近郊の方にもご高覧いただけましたら幸いです
アスタルテ書房
京都市中京区御幸町三条上ル丸屋町331ジュエリーハイツ202 〒604-8086 ℡:075-221-3330
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