見出し画像

無意識に欲求不満へ導く耳タコのあのコトバ

先行きの見えない時代、頑張っても報われない時代、頑張らなくても暮らしていける時代・・・私たち日本人はどこか欲求不満のタネを抱えたまま暮らしているのではないでしょうか。それは経済的な側面が強いように思われがちですが、意外なところに落とし穴があるのではないか、と私は思います。

小さい頃から親や先生から口酸っぱく言われた耳タコのあのコトバによって、私たちは自ら欲求不満へと導かれていることに気づいていないのではないか、そんな仮説を持っています。その言葉とは、

「人様に迷惑だけはかけるな」

です。

「人様に迷惑をかけないこと」=欲求の高止まり

マズローの欲求5段階説というのを知らない人は少ないと思います。授業や研修でよく目にするアレです。下から「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の順に人は欲求を求めていく、という理論です(この理論は完全ではないことは学者さんの間でよく言われています(例:ブッダは飢餓状態で悟りを開いた)が、一般的には正しいと感じています ※個人の感想です)。より詳しいことを知りたい方はこちらをご覧ください。

この階層ピラミッドを見て、再びあの言葉「人様に迷惑だけはかけるな」を思い浮かべてください。この欲求レベルは、何らかの社会に属したいという「社会的欲求レベル」と、誰かに認めてもらいたいという「承認欲求レベル」の中間ぐらいにある目標であることが想像つくと思います。

あまり言われないコトバ=「自分は何のために生きるのか考えろ!」

親や先生などの世の指導者はこのレベルが目指すゴールだということを知らず知らずに示しているのです。だから「和を以て貴しと為す」という言葉や道徳(社会としてのモノサシ)がことさら引き合いに出される一方で、倫理(ヒトとしてのモノサシ)がなおざりにされるのです。それをより際立たせるもう一つの事実、それは言われていない言葉を知ることでわかります。その言葉とは、

「自分は何のために生きるのか考えろ!」

です。こんな言葉を親や先生から言われた人はどれだけいるでしょうか。言われた方は幸運な方です。少なくとも私は印象にありません。この言葉は自分の内面に向き合い、自分のモノサシを持ち、自分が成し遂げる何かを見つけるために生きることを促す、つまり最上位の欲求レベルへと導く言葉なのです。

生きる意味がわからないことは”死”をも上回る苦しみ

この人生において自分が為すべきことを実現することこそ、最大の生きる意味です。しかしその導きがないとなぜ欲求不満になるのか、まだピンときていない人もいると思います。ではこの問いに答えてみてください。

「死んだ方がマシ」と感じることはどんなことですか?

周囲からシカトされて孤独を感じる、大事故にあって身体が不自由になる、失敗続きて自分が無能に思える、巨額の負債を抱える、例えばそんなことではないでしょうか。

つまりそれらは、「生きる意味を感じられない」状態なのです。そんなとき人は「死んだ方がマシ」と考えるのです。つまり死よりも苦しいのは生きる意味を感じられないときなのです。生きる意味を感じずに生きるというのは死をも上回る苦しみと共に生きることなのです。

想像できますか?

苦しみを避けるために取る行動

想像したくないですよね。想像すれば絶望の淵に落とされますよね。

そうなんです。だから想像しない、忘れようとします。多くの人は考えていないでしょう。しかし無意識下にはある。そのために強い刺激(仕事、娯楽、酒、性欲、ドラッグなど)を求め走るのです。うまく自分で処理できない場合は誰かにぶつけることにもなります(DV、虐待、いじめ、誹謗中傷、暴力・暴言など)。

強い刺激を求めるのもダメ、誰かにぶつけてもだめ、という社会的な圧力が上回ればどうするでしょう。欲求をそもそも無かったことにする、つまり「考えない」「感じない」ことを選択するでしょう。そう、「無気力」という状態です。死んだように生きるのです。

今特に若い人の間で無気力な方が増えています。長生きしたくないと考えるのは若い世代に多いのです。

生きる意味は見つからなくとも、探し求めることはできる

ここまで読んでいただいた方は「ではどうすれば?生きる意味なんてわからない。」と感じたことでしょう。でも慌てる必要はありません。生きる意味なんてそう簡単に見つかるものではありません。しかし探し求めることはできます。新たな出会いを求め、魂が震える瞬間を求め、歩き続ける道程を楽しむことです。

その行為こそが無意識に抱えていた欲求不満を解消し、豊かに、そして自由に人生を歩めるようにことになります。

どんな人生にも、自分を生きる価値があると、思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?