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言葉

言葉が、事実をトレースしているだけの道具に思えてきたとき、言葉の意味があまり理解できなくなってしまった。
本当によくわからなくなってきた。
けどここで皮肉にも面白いのが、「本当によくわからなくなってきた」っていう文章も言葉なんだってこと(笑)
だからもうさ、なにも考える必要がなくなってきたよ(笑)
だって言葉はただの道具なんだもん。言葉は全てじゃないんだもん。

人の名前も、水も、光も、速さも、方向も、空も、全部言葉なんだよ。
名前はその人自身ではないし、水も水それ自体じゃない。光もそれ以外も、全部言葉で表現されている時点でそれ自体じゃない。あくまでも言葉のルールにのっとった概念なんだ。だから言葉それ自体に意味なんてないって考える。ただ意味があると思えば、意味はあるんだけどね。もう少し厳密に言うと、意味があるとかないとかそういう次元じゃない。

色んなことはただ、そこにあるだけ。ただそれだけ。
鳥が空を飛ぼうが、海で泳ごうが、それは鳥、空、飛ぶ、海、泳ぐっていう言葉を定義して事象を表現しただけ。言葉のフィールドで。
本当は鳥なんて存在しなかったし、空なんてなかったし、飛んだり泳いだりなんて何なのさって感じだよ。

「傷つく」っていう言葉がふと理解できなくなった。
体が傷つくってのはまだ理解できるけど、精神的に傷つくって言うのがよくわからなくなってきた。
多分だけど、俺はもう「傷つく」っていう言葉を、言葉として定義しなくてもいいじゃないかって思ったんだと思う。いちいち言葉で事象を囲ってその箱にエネルギーを注いで、「俺は傷ついた!!!」っていう必要がなくなったんだと思うよ。

少しずつ言葉が自分の頭からなくなっていくと同時に、楽になってきた。

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