画像生成AIを駆使して、『エイリアン』のゼノモーフ(Xenomorph)をどこまでリアルに再現できるのか?
SF映画の金字塔『エイリアン』に登場するゼノモーフを画像生成AIで再現したい!
はい、今回も表題の通り、何の説明もいらないでしょう。
以前、このnoteで、リドリー・スコット(Sir Ridley Scott)監督のSFホラー映画『エイリアン』(Alien)に登場する地球外の生命体"Xenomorph"(ゼノモーフ)を、画像生成AI(GenAI)を駆使して再現してみよう!という記事を書いた。
その際には、あまり作業時間がなかったので、お試しの実験程度で、中途半端なヴィジュアルしか生成できず終了したのだけれど、改めて、もう少し時間をかけて、"Xenomorph"の再現にチャレンジしてみたい所存である。
意外と難しい"Xenomorph"の完全再現
圧倒的にベタな方法として、「映画『エイリアン』に登場するゼノモーフで、H.R.ギーガーによってデザインされたもの」というプロンプトを生成AIに与えたとしても、
「それらしい」ゼノモーフしか生成されはしない。
「それらしい」というところがポイントである。つまり「ゼノモーフらしいもの」は生成されるのだが、厳密に言うとかなり違うのである。あくまでも「ゼノモーフ」っぽいものしか生成されない。
生成AIは、それっぽいものを生成しているだけで、本物の「それ」を生成しているわけではない
そもそも生成AIとは、根本的に、それらしいものを生成しているだけであって、そのものを生成してるわけではないとうことを、みんなわかっていないけれど、たぶん、そうなのである。
だから当然、「エイリアンに出てくるゼノモーフを生成してよ。」と、生成AIに指示をだしても、本物のゼノモーフが生成されないのは、当然なのだが・・・。
例えば、人間に例えてみよう。
「30歳の日本人女性」というプロンプトを、生成AIに与えたとする。
そうすると、いまや、現実の世界にいる30歳の日本人女性をカメラで撮影した写真のようなクオリティの画像が生成されるには至っているが、あれはあくまでも、30歳の日本人女性の姿をした「人間っぽいもの」を画像として生成しているだけであって、実際には、人間を生成しているわけではない。
だから、「ハルシネーション」と呼ばれる現象につながるのだが、わかりやすい極端な例で言うと、
「あれ、右手の指が10本ある・・・」とか、「腰のあたりから腕が生えている・・・」とか、そういう経験があると思うが、もっとわかりにくいところで、人間の肉体の構造に詳しい専門家が見ると、生成AIが生成した人間の画像は、人間らしい「なにか」ではあるが、今のレベルではまだ(考え方からすれば永遠にかもしれないけどさ・・・)、明らかに人間ではないのである。
人間らしい「何か」・・・、「怖い話」みたいになってきたけれど・・・。
(余談として、事情があって、そういう構造の体を持つ人も世界にはいるかもしれないけれど・・・、それはまた違う話に及ぶので・・・、しません。)
だからね、正しい意味で「ゼノモーフ」を生成するのは無理なのである、が、その偽物を、どこまでヴィジュアルとして本物に近付けることができるのか?という趣旨だということを、ここまできてやっと説明できたので、先に進もう。
使用する生成AIの種類によって、ヴィジュアルは変わってくるのか?
この検証で、まずメインに使用しているのが、前回と同じ"Midjourney"である。ただし、けっこうプロンプトに頭を悩ませても、あるレベル以上に進まない。
具体的にいうと、
・どんなにプロンプトを調整しても、尻尾が後頭部から生えているヴジュアルしか出てこない
・口の中にある第二の口がどうしてもヴィジュアルとして出てこない
この圧倒的に大きな課題が、クリアできないのである。
ここまで書いて、生成した画像を一切掲載していない理由はそこである。
そこで、他のMidjourneyユーザーが、いったいどんなゼノモーフを生成しているのかを参考にしようと思い見てみることにした。余談だけれど、ぼくは基本的に、誰かの作成したプロンプトを参考にすることはない。だって、自分で苦労して考えないと、まったく勉強にならないからさ。
しかし、今回は、苦渋の決断として、まあプロンプトは見ないにしても、Midjourneyで本物っぽいゼノモーフが果たして生成できるのか??を確かめてみることにする。
Midjourneyにおける"Xenomorph"限界問題
やはり、ほぼ100%の、ワンハンドレッドパーセントのゼノモーフ が、後頭部から尻尾を生やしている・・・っぽいやつなのだ、そして第二の口が飛び出している個体も皆無、これでみんな満足してるの???ゼノモーフ、頭と尻尾繋がってたっけ・・・?第二の口、ほしくないの?
頭部と尻尾・・・、第二の口、ぼくが幻を見ているのか・・・、いや、そんなことない、頭と尻尾、繋がってませんよ、あの口もありますよ。
ここがMidjourneyの現段階の"Xenomorph"限界値なのかもしれないし、単にそれはぼくのプロンプト エンジニアリング能力の低さが原因かもしれない。
ちなみにだが、スケッチ風、デザイン風、イラスト風で誰かが生成したゼノモーフの中には、稀にきちんと頭と尻尾が分離しているものがあるので、出せる気がするんだけどなあ・・・、イラスト風でちょっと試してみようか。
でも先に進みたいじゃん、ってことで、まずは試しに、いったんプロンプトの精査は置いておいて、別の生成AIで試してみるという手法を取ってみよう。
"Google ImageFX"(グーグル イメージエフエックス)
最近けっこう話題になっている、Google ImageFX(グーグル イメージエフエックス)での生成。
これ、完全に初期の、リドリー・スコットの『エイリアン』に登場するギーガーのゼノモーフだな。でも写真のクオリティではない・・・、イラストだね。そして本物は、頭部がもう少し長い気がするけれど(あれ、こんなもんだっけ・・・?たくさん偽物を見すぎて、頭がバグってきた・・・)、造形という意味では、かなりの再現度ではある。
これ、規制かかってるのかな?
さて、先に言うと、このあといくつも別の画像生成AIを試みたけれど、基本的にどの画像生成AIでの結果も、芳しいものではなかった。
"Adobe Firefly"(アドビ ファイアフライ)は、もちろんだめだった。
そして、同じ"Flux"(フラックス)モデルを搭載した"Freepik"’(フリーピク)と"KREA AI"(クレア エーアイ)にはどうやら規制がかかっているらしく、どちらも写真のクオリティ表現ではなく、プラスティックのフィギュア(アクションフィギュア、玩具ね)みたいなものが生成される。
"Leonardo AI"(レオナルド エーアイ)も、ぽいものは出てくるけれど、完全にちょっと違ったゼノモーフが・・・。これも規制の問題かなあ、ここには画像は載せないけどね。
"Stable Diffusion Online"(ステイブル ディフュージョン オンライン)も、アクションフィギュア。おもちゃとしての造形はかっこいいけど。このフィギュアなら、部屋に置いてもいいけど、でも今求めているものではない。
ちなみに、前述のAdobe Fireflyは、当然想定はしていたが、まったくゼノモーフは出てこない、ゼノモーフっぽくもない。グレイタイプの宇宙人みたいなものが、昔のイギリスのSFドラマシリーズに出てくるようなものが、生成される。
今回の結論
やはり、規制的な問題が関与しているのか。
おれのプロンプトが原因なだけ・・・?と思っていたが、それだけでもないのかなあ。
ここで今日設定した検証タイムがオーバー!
まあいいや、ちょっと仕切り直し!
ハードル高えな、ゼノモーフめ・・・。
なんだかんだ言って、ゼノモーフ に関しては、Midjourneyが総合的なクオリティとしては、一番高いのかな。だから最後に、ちょっとよさげなやつ、掲載しておこう。
頭と尻尾くっついてるけどな、どやさ!
と言いつつ、最後に少しだけプロンプト調整ねばった!ちょっと進歩あり。頭部と尻尾、分離した。背中から生えてるけどな・・・。画像の比率の問題もあるのかなあ。
ちっちゃい伸びる口は、依然まったく出てこねえ・・・。
というわけで、今回のゼノモーフ検証は、中途半端だけどおわり。
次回へ続く。
追記:あの後、プロンプト調整して、ここまで持ってきたが、もはやフィギュアみたいになってる気が・・・、限界か〜・・・、でも負けねえ。
次回へ、きょうはここまで。
おまけ
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