冨田勲という人
今月の頭に世界的なシンセサイザー奏者として知られる冨田勲さんが逝去された。
電子音楽に関心を持つ者ならまず知らないはずはないという人である。
氏の万博での演奏をきっかけに音楽プロデューサー小室哲哉や、数多くのシンセサイザー奏者が生まれた。
また、電子音楽が身近なものと感じられるようになったのもこの人の影響が大きいとおもう。
私は子供の頃観た「ぼくらの七日間戦争」に影響を受けて
原作者の宗田理氏と音楽担当のTM NETWORKを好きになり、
ブラスバンドを小学生からやっていたのもあり管弦楽も好きだったから
クラシック音楽がシンセサイザーで演奏されている音源には強く惹かれた。
その後高校を出てから進学した専門学校ではコンピュータミュージックを専攻したが、よもやそこで冨田勲先生に講義を受けられようとは思わなかった。
楽しみにしていた講義の冒頭は学内にある広いオートバイ用駐輪場についての話から始まり、バイクの話がしばらく続いたことを覚えている。
氏はバイク乗りらしく、かなりの台数が停められる駐輪場に好印象を抱いてのことだった。
その後の講義では多チャンネルサラウンドでのSLの走行音も聞いた覚えがある。
当時出たばかりの「バッハ・ファンタジー」は暫くずっとリピートでディスクマン持ち歩いて聴いていた。
CDエクストラで付録として入っていたMIDIデータをSC-88Proで再生して楽しんだりもした。
専門学校を出てからはしばし仕事に忙殺されていて、あまり動向を追ってはいなかったのだけど、てっきりまだずっとお元気でいられるのだと思っていた。
84歳で亡くなられたと聞いて人によって感じ方は様々だろうが、随分早くに逝かれてしまったなという思いだ。
天国では思う存分バイクで走り回っておられるのかもなぁ。
今後、氏の逝去をうけて過去に多数の楽曲提供を受けたり
ドキュメンタリーを製作しているNHKが関連特番や過去の再放送を行うらしいので期待したい。