【毎日映画_0064/1000】8/31_『インスタント沼』
『時効警察』がはじまるので、三木作品をおさらい。
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『インスタント沼』(2009)
監督:三木聡
脚本:三木聡
主演:麻生久美子
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〈ストーリー〉
雑誌編集者のハナメは、担当雑誌が廃刊になり、会社を辞めた。憧れのカメラマンにはフラれ、飼っていたウサギはいなくなり、見えるものしか信じない娘のためにカッパを探しに出掛けた母は、池で溺れて昏睡状態。とことん運がない。
その池から、ハナメが産まれる前に母が書いた手紙が発見された。手紙の宛先の男こそ、ハナメの実の父親であると書かれていた。
その男に会いにいくハナメ。実の父親か確認できずにいると、奇妙な依頼に巻き込まれていくことに。
〈感想〉
「面白い」というより「楽しい」と感じた映画でした。
この2つは近しい感情で、今までちゃんと定義づけしてなかったこともあって、基本的には、女子高生の「かーわーいーいー」と同じ感じで(古い?)
面白い面白い言ってたんですが、今回は強く「楽しい」と感じました。なぜか?
三木さんといえば『タモリ倶楽部』や『ごっつええ感じ』の放送作家、『シティボーイズライブ』の脚本・演出など、ボクの好きなタイプの「面白い」作品をずっとやってきた方です。
そんな方の作品なので、「おーもーしーろーいー」と構えて観てたんです。
普段なら、面白い面白い言って感想書いて終わるところですが、この感情の違いに気づくきっかけになった三木さんのキャリアが、『トリビアの泉』です。
前述の作品には、タモリさんやダウンタウンさん、シティボーイズさんといった、天才との掛け算だったのですが、『トリビアの泉』といえば、豆知識やあるあるネタの走りのような番組です。
つまり逆から考えると(いや、ちょっと飛躍するかもですが)
発送の天才的なジャンプ力、演出力に打ちのめされ感心することが「面白い」ということで、
「楽しい」は、豆知識で「へー」って思って得した気分になったり、
(これが『トリビアの泉』の大発明)
あるあるネタで「わかるー」って「共感」することなんじゃないかと考えました。
あと「面白い」と「楽しい」の大きな違いだと思うのは、
「面白い」はホームラン。
「楽しい」はヒットだということ。
なので、楽しい作品は、これでもかというくらい詰め込まれていることが多いです。
(またもや『トリビア』の発明なのですが、「へー」を連打するのはこういうことなのかなと)
三木作品の他にも、松尾スズキさんやクドカンさん、三谷幸喜さん。
岸田奈美さんや
※ こんなこと言ったら怒られるかな?もし問題あれば誰かご指摘ください!
前田 英毅 (Maeda Hideki) コンソメさん。
※ こっちは怒られることはなさそうなので、大丈夫かな。w
「へー」や「わかるー」や、後述する感情がたくさん詰め込まれています。
最後に、
「楽しい」を「面白い」に擬態させるスパイスが、
「くだらない」
くだらない豆知識やあるあるネタが、楽しいを面白いに近づけているんだと思います。
こう書くと、
「面白い」感想文が、もしかすると自分でも書けるんじゃないか?という変な欲望がわいてきます。
くだらない共感を盛り込んで、楽しんでもらう。
そんな感想文が書けるようになったらいいなと思います。
あ、
くれぐれも言っておきますが、三木さんはじめ、お名前挙げさせていただいた方々は、ホームラン打てない人じゃないですよ。面白いと楽しいはそんなに簡単に切り分けられるものじゃないですし、ホームランもヒットも量産できる複合的な作品を届けてくれる、とてもスゴイ方々です!