生理がヘン!!!最終回
コルポスコピーといわれる検査をして1週間。検査結果を聞くために再び駅裏のクリニックへ赴く。
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表面は重層扁平上皮に覆われ、軽度から中等度核増大とkoilocytosisを認めます。
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コイロサイトーシスってなんやねん。中度って、こないだから既に進んどるやんけ。乱暴な心の声が口から出てきそうになる。
女医は質問する暇を与えるつもりがないようにアタシには思えた。
「これが流れになります」
女医はラミネート加工されたフローチャートを差し出す。息継ぎも最小限に淡々と説明を続ける。
インターネットで調べたこと以上の収穫はない。アタシが聞きたいのはそんなことじゃないのだけれど。
“検査”“検査”“とにかく検査”だと言われると、まるで癌になるのを待ち望んでいるかのように聞こえる。残念ながら、アタシの不安を取り除いてくれる要素がまったくない。
そもそも“生理がヘン!!!”に対する説明は何処へいってしまったのか。するつもりはないのか。大したことないから言わないのか。
看護師に事務的なことを小声で指示する女医。このまま終わらせてなるものか。アタシは、あえて口を挟む。
「あのぅ、、、初診の時に“卵巣腫れてる”“子宮筋腫”と言われたんですけど、それは大丈夫なんですかねぇ。それと、今回は人生でいちばんっていうくらい生理痛が酷かったんですけど……」
「だ〜か〜ら〜、それはお薬のせいでしょ。ホルモン剤で、きっちりとした生理を起こしたから……◯△□」
女医はアタシの言葉を遮り、畳み掛ける。
“だ〜か〜ら〜”って人の話を遮られるのは、3本の指に入るほど大嫌いな態度だ。アタシの心の扉が閉まる音が聞こえた気がする。ついに、卵巣の腫れや子宮筋腫については明らかにされないまま、診察室を出た。
看護師が受付に出す書類をアタシに差し出す。
「3ヶ月後に検査の予約を入れてくださいね。あと、生理痛が軽くなるお薬出てます。お大事に」
あれから6年半、一度も検査に行っていない。