クラインの壺の見えない出口。
月曜日はあの定食屋が休みだ。
そこは最近発見した、古い店構えのメニューの多い店だ。
ご飯がやたら多くて、いつも残してしまう。
味噌汁が美味く、飲むと幸せなため息がこぼれる。
でも定食の値段が千円くらいする。
だから毎日通うには若干高めだ。
翌日は火曜日になる。
そこに何の感動もない。
水曜日は何となく1週間の真ん中で、少し気がぬける。
木曜日は惰性で生きる。
金曜日も取り立てて楽しみは無い。
1人で酒を飲み、過去を思い出してはモヤモヤとする。
土曜も、日曜も、ステキな事があるわけでは無い。
でも恋人たちや家族にとっては特別なのだろう。
日々は移ろう。
流行りや怒り、世の不条理にも疎くなった。
いつの間にかみんな大人になっている。
そして大人になってからの方がやたらと長いのだと感じる。
日が落ちるほどに、影は長く伸びる。
呑気に感傷にふけっていると、あっという間に夜が来る。
そしてそれを繰り返す。
疑問を抱いても、解決は無い。
答えを知ってる人たちは、何も教えてくれない。
その時だけの同情。
彼らだって自分たちのことでとても忙しいのだから。
そしてそれを繰り返すだけ。
だから他人に期待しすぎてはならないよ。
自分だって他人に対してそこまで優しく無いのだから。
とはいえ、時折偶然が偶然をよびながら繋がっていく時もある。
そして人と人とが繋がっていく瞬間がある。
そこに特別な理由をつける事は簡単だ。
だって君は寂しいのだからね。
自分で動いた行動で出会いを広げていく。
そこに特別な人がいると期待しているね。
そして平凡な日常に理由を付けたがる。
だって君は分析しないと不安なんだろう。
そうやってまた繰り返していく。
目的も解決もなかなか見えてこない。
なぜなら日々はくるくる回っていくから。
不毛な毎日で、僅かな兆しを見逃していく。
僕は周りからは取り残されている。
だからこそ僕はぐりぐり這っていくのだ。
少しでも何かに抗うように。
そう、その繰り返しだ。
人によっては結局同じ場所に戻っているように見える。
けれど自分だけは違うと判っている。
そんな毎日にいる。
だけどまだ戦っている、一人だけの戦い。
歯を食いしばり、口は血の味がする。
何に勝とうとしているのか。
そんな毎日にいる。