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ポッドキャスト|AIラヂオ008後編|Web3はビッグテックの支配構造を壊すことができるのか?【文字起こしつき】

みなさま、こんにちは!テック系フリーランスライターの五条むいです。

テクノロジーとの共生でハッピーになりたいHarmonic Society株式会社の師田賢人とテック系フリーランスライターの五条むいがゆるく愉しくお届けする、〈AIラヂオ〉をお届けします!

今回は、「ビッグテック全盛のWeb2.0の時代を、Web3が書き換えることができるのか」の後編です。

ところで〈AIラヂオ〉のWebサイトができました!!!

今後、ポッドキャストはこのWebサイトから配信します。

文字起こしもついてます。それではよろしければ、しばしお立ち寄りください。

AIラヂオ008後編の文字起こし

(前編からの続き)

五条:やっぱり「そうなってほしいっていう話」と、「そうなりそうという話」は分けて考えなくちゃいけなくて。

「そうなってほしいという話」で言えば、Web3とは言わずとも、そういうコミュニティみたいなものは、たとえばサブカルチャーから生まれてきますよね。

小さなコミュニティが、資本主義という恐竜が動きまわる世界で、ネズミのように、ちゃらちゃらちゃらちゃら、動きまわってるっていう、そういう気がするんですよ。

師田:そうですね。うん、確かに。それが果たして意味があるのかっていうかというと、ちょっと何とも言えないところだとは思うんですけど。

五条:そうなんですよね。たとえば株式時価総額ってあるじゃないですか。

師田:はい。

五条:企業が株式発行していて、株式に価格がついてるので、発行株式数に価格をかけると、株式時価総額になるっていう計算なんですけど、

世界の企業全体の株式時価総額が約110兆億ドルなんですよ。ところがGAFAM5社の全体を足すと、今年の5月ごろのデータで約11兆億ドルなので、何とGAFAMだけで、世界企業全体の約10%を占めてるんですね。

師田:なるほどね。

五条:うん。これだけでも驚くべきデータなんですけど、ちなみにGAFAM全体が11兆億ドルぐらいに対して、日本企業全体の株式時価総額でどのぐらいだと思いますか?

師田:それより少ないですよね。多分、3兆とかじゃないか。

五条:そうなんですよ。

実は日本企業全体の株式時価総額は、約6兆7000億ドルなので、GAFA5社で日本企業全体の約1.7倍なんです。

師田:日本がいくら衰えてるとはいえども、GAFAMにちょっと集中しすぎてるような感じはありますね。

五条:明らかにね。もう今の世界市場は、GAFAMのいわばDXの力によって支配され尽くしてるっていう感じが強いですよね。

師田:そうですね。そうなってくると、実際にどうなっていきそうかっていうのと、そうなってほしいっていう議論のときに、「そうなってほしい」っていう、何か希望を持っててしまってはいけないのかというのが、ボクの中では思いとしてはあって。

ボクは理想主義者的な立ち位置なので、そういうふうに思うんですけど、やっぱり何らかの権力が集中してしまうと、腐敗っていうのが起きて、不具合が起きてしまうと、明らかに幸せっていうのは損なわれてしまうたりとか。

私達の住んでる世界っていったものが壊れてしまうようなリスクを常にはらんでいるとは思うので、そういった権力が集中するっていうことに対して、それを何とか対抗しようっていうのは、常に何ていうか、人間が人間という社会的な生き物として生き残る上で必要なことなんじゃないかなと思うんですけどね。

五条:ボクは対抗するっていう発想は無意味だと思っていて。

なぜかと言うと、このGAFAMが作り上げた資本主義市場でのマーケットシェアみたいなものは、多分、当面変わらないだろうと。

それに対して、株式時価総額で、「そうなってほしい活動を評価する」っていうこと自身が、今までのスキームで物事を考えてるってことだから。GAFAMと同じ土俵で評価することは無意味だと思うんですよ。

違う価値観でつながったコミュニティが、ネズミが走り回るみたいにポツポツ生まれてくるという可能性は、これは否定したくないんですよね。

師田:うん。そうなってくると、何をもって社会にとってインパクトがあるとか、人々の生活を変えるっていうのを図っていけばいいんですかね。

五条:うん、だから、どうなっていきそうかっていう話は、これ未来予測の話と繋がって、あんまり意味がないので。なぜかといえば「誰かが何かをするだろうから、そうなっていきそうだ」ってことですよね。

つまり、「自分はどうしたいのか」っていう話にするか、「自分はどうなりたいのか」っていう話にすべきだと思っていて。

どうしたいのかっていう話で言うと、自分も含めて誰かがリーダーシップを取って、サブカルにしろ、何にしろコミュニティを立ち上げていくってことですよね。成長させてくってことですよね。

そうなりそうという話は、今の話とセットで、実際にサブカルなんかが一番わかりやすい例で、そういうコミュニティがポツポツ生まれてきて、何となくその活動してるわけじゃないですか。

師田:それをWeb3のテクノロジーで支援するようなメカニズムを実装してくっていうのが、これはあるかなという気がしますね。ただですね、経済規模なんかで測ると、もう本当に瑣末なものになっちゃうと。

そうなってくるとベーシックインカムじゃないですけれども、本当に一番最初の入口としては、資本主義がGAFAM的な経済システムに頼らずにWeb3的なロジックで生計を立てることができるのかどうかっていう。

例えばクリエイターとかが、そういうシステムを作っていけるかどうかっていうとこが、最初の考えるべきポイントかもしれないので、そういう話と当然セットになっていくでしょうね。

そうなってくると、以前、ポッドキャストで話したみたいに、NFTといったものが、デジタルコピーできないので、価格付けができてクリエイターが飯を食えるようになるみたいなところは、少しずつ実現はしてってると思うので、それがいかに広がっていくかっていうようなはかり方は一つできるかもしれませんね。

五条:そうでしょうね。だから必要条件がいくつもある中で、NFTによって希少性が担保される仕組みができたっていうのは、一つ条件が満たされたってことですもんね。

師田:そうですね。意外と日本にいると気付かないなって思うのは、NFTとか暗号スタンドとブロックチェーンって、意外とアメリカとか、ボク、一昨年にニューヨークに行ってきたんですけど、すごいんですよね。広告とかも、例えば渋谷のスクランブル交差点みたいなところで、NFTの広告ばっか流れているような状況だったんですよ。

ビットコインとか、日本でも昔にコインチェックがハッキングされてから、怪しいものっていう感じで、一般の人はなんていうか、避けるべき話題にしてるところも大きいと思うんですけど、ただビットコインを買って、そのとき200万円だったのに、最近1000万超えてきてますよねっていうとこで、明らかに億りびとをどんどん生み出しているわけですよ。

そうすると、日本にいるときのWeb3に対する温度感とか肌感といったものと、たとえばアメリカの人々が感じてるWeb水に対する肌感っていうのは、結構、違うのかなって、ボクは現地で思ったりもしたんですよね。

五条:私もシリコンバレーに駐在していた経験があるから、そういう肌感覚のすごいギャップっていうのは実感していて、ボクなんかいつも言ってるように、日本のDXはアメリカの30年遅れなんですよ。

UberEatsが登場して、シェアリングエコノミーってある程度、認知度が高まりましたけど、その前は、日本人の誰に聞いても、Uberテクノロジーズというタクシーの配車サービスを誰も知らなかったので。

当時はアメリカ人が成田空港に降りたときに、なんでUberがないんだと騒ぐという話が、昔、ありましたよね。今はさすがにちょっと認知度高まりましたけど。

やっぱりその時間差っていうか、肌感覚の差はやっぱり大きくて、その原因はやっぱり、経験してないからだと思うんですよ。

師田:そうですね。なんかそうなってくると、なんかボクたちとしては日本を見ていけばいいのか、世界を見ていけばいいのかっていう話はありますよね。

五条:やっぱりこれもね。そうなりそうという話と、そうなりたいって話はやっぱ別で、ボクなんか日本人なんで、日本を見ていきたいんですけど、やるべきことを明らかに世界を見ていくべきことですよね。

師田:そうですね。もしくは世界を見て、日本に輸入してくような発信をしていくっていうことが、こういう番組とかをやっているのであれば、結構、重要になってきたりもするかもしれないですよね。

五条:そうだと思います。

師田:なんかそれで言うと、日本のほホットな話題で言うと、衆議院選挙があって、与党が過半数割れしてみたいなことなんですけど、依然としてデジタル化とか、そういったところの議論っていうよりは、何ていうか、選択的夫婦別姓とか、なんかそういうのとか、103万円の壁とか、そういう瑣末なものに、国民の関心とかも集中してるっていうのは、結構、なんかメディアの影響が強いのかな。

メディアが話題にするものを、日本国民もやはり何ていうか主要なトピックだと思って議論する傾向っていうのは、かなりあると思うので、何かこういった番組とかでいわゆる啓蒙じゃないですけど、こういったものも話し合っていかなきゃいけないよねっていうのを発信し続けることが、ボクたちができることなのかなと思いけどね。

五条:そうですね。

『それをやったからといって世界が変わるっていうことはない』と思うんですけど。

ただマハマト・ガンジーが言ったことなんですが、『それをやらなければ世界に変えられたままになってしまう』わけですよね。

師田:なるほど、なるほど。

五条:だからそれだけは避けたいと、無力ながら微力ながら思うわけです。

師田:そうですね。そしたらラジオの立場としては、海外の動向とかにボクたちがアンテナを張って、そこら辺の思想とか新しいトピックっていったものを輸入していきながら、日本でのそういった新しいイデオロギーの芽生えみたいなものを、に貢献していくっていうのが立ち位置として妥当なんでしょうね。

五条:そうですね。それを一つの柱にしたいですね。

師田:はい。今回は「ビッグテックとWeb3」っていう話で、ビッグテックに多分、Web3はかなわんだろうっていう前提で話をしてきたけれど。

とはいえ世界と日本では、結構、温度差があるんじゃないかっていったところもお話してきたとは思うんですけど。

こんな感じで、毎週AIに関する議論だとか、周辺に関する議論っていうのを話し合っているので、もし関心がある方いましたら、ぜひフォローをよろしくお願いします。

という感じで今日は若干短いですけどこれで終わりにしようと思います。ありがとうございました。

五条:どうもありがとうございました。


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