ポッドキャスト|AIラヂオ005|ボクたちはメタバース世界でAI恋人と疑似恋愛をするのか?【文字起こしつき】
みなさま、こんにちは!テック系フリーランスライターの五条むいです。
テクノロジーとの共生でハッピーになりたいHarmonic Society株式会社の師田賢人とテック系フリーランスライターの五条むいがゆるく愉しくお届けする、〈AIラヂオ005〉をお届けします!
第4回では、進化したAIは人間の模倣をするというよりはむしろ、〈AI|エイリアン・インテリジェンス:異星人の知能〉になりそうだという結論になりました。知らんけど。
そこで今回のテーマは、いまさらながらのメタバースで〈エイリアン・インテリジェンス〉と共生する世界が実現できたら、ボクたちの生き方はどう変わっていくのだろうかと、師田と五条が言いたい放題のトークロイヤルです。
文字起こしもついてます。よろしければ、しばしお立ち寄りください。
AIラヂオ005の文字起こし
師田:皆さん、こんにちは。AIラヂオというポッドキャストです。
この番組ではAIに興味がある方向けに、AIの情報を発信しています。お届けするのはHarmonic Society代表の師田と、テック系フリーランスライターの五条むいです。よろしくお願いします。
五条:よろしくお願いします。
師田:はい。そういうことで、五条さん。前回、ボクたちはシンギュラリティは訪れるのかっていったようなテーマだとか、あとはAIによって、職が失われるんじゃないかっていうことについて話してきたわけですけど。
これ以外にも、AIによって、これからとか未来の話でもいいんですけど、生活っていうのは大きく変わっていくと思いますか。
五条:いや、もうそれは明らかに変わっていくんだと思うんですよね。
前回、AIが人間をシミュレーションして発展するというよりはむしろ、エイリアインテリジェンス、つまり人間とは違う形の知能として発展するんじゃないかって話をしたんですけど。もしもそれが実現されたら、私達の生活にもたらす影響は絶大だなと。
師田:そうですね。
そういったときにやっぱ気になってくのは、AIが味方なのか敵になるのかっていうところが気になると思うんですけど。その辺についてはどういうふうにお考えですか。
五条:私、最近ですね、ちょっと必要があってメタバースの勉強していて。
それでメタバースってやっぱり技術的な限界がすごく強くて、今は幻滅期みたいになってるんですけど、もしも技術が発展してメタバースが実現されたならば、そこには明らかにエイリアインテリジェンスがいるんだろうなと。
そうするとですね。そこにおける私達の生き方というのは、きっと大きく変わるんだろうなっていう気がするんですよ。
師田:そうですね。なんかメタバースとか結構わかりやすいところで言うと、サマーウォーズとかっていう細田守監督の映画ありましたけど、あれってなんかメタバース的な世界観で、みんながアバターを持ってて、生活のインフラとか企業だとかっていうのも全部メタバース空間にあって、現実と相違ない感じで発達してるっていう世界観を描いた作品だと思うんですけど、何かそういうふうにメタバースとかが普及していって、メタバースの普及にAIが貢献するみたいな感じですかね。
五条:なんかそういうイメージがすごくあって、やっぱり前回の話の流れなんですけど、その世界の中で、すごくクリエイティブに実自己実現したい私達が生きてる世界と、どっちかっていうとディストピア論に近いんですけど、その世界の中で引きこもってる自分たちっていう二つが想像できるんですよね。
師田:なるほど、なるほど。
五条:うん。それで私ってどっちかっていうとプラグマティストなので、何かディストピアに来るんじゃないかっていう気がすごくしてるんですけど。
師田:なんかそれで言うとトランスヒューマニズムっていうような、何か人間が進化していく科学技術とかに、スーパーインテリジェンスみたいな話もそうですけ、なんかそれによって二極化してくみたいな話はよくありますよね。
たとえば一部の人たちだけが特権を手にして、他の階級の人たちは搾取されるみたいな感じで社会がに分化されてしまうみたいな話ってよくあると思うんですけど。
そういうような文脈もありつつ、五条さんはメタバースとかに何て言うか、社会にうまく馴染めない人たちとかがメタバースとかに閉じ込められるみたいな感じを想像してるってことですかね。
五条:そうですね。ユバリのホモデウスなんかで言うと、やっぱりアングロサクソン人ってキリスト教というか、絶対神としての神、完璧な人間みたいなものがあって、それを目指すっていう思想に走りそうなんですけど。
ボクはどっちかっていうとですね、人間って自己実現したいというクリエイティブになりたいみたいな方向と、ダラダラと生きたいという、その願望もすごく強いんじゃないかっていう気がしてるんですよ。
師田:確かに、確かに。
五条:うん、そうするとね、すごく面白いこと言ってる人がいて、メタバースの本を書いた人なんですけど、その方が言うにはですね、前回、フィルターバブルって話をしたじゃないですか。
師田:はい。
五条:うん。つまり、Aという政党が好きな人がYouTubeとかXで政党Aを支持する記事をクリックすると、もうそれ以降、A政党を支持する記事しか出てこないと。B政党を支持する人にはB政党を支持する記事しか流れてこないと。
そうすると断絶とか分断が、それによって加速されるって話ありましたよね。それって言い方を変えると、心地よい記事しか見たくない人が、心地良い記事を好んで受け取ってしまうと。
そうするとメタバースの世界って、SNSの延長線上だっていう考え方があって、心地よい意見を待ってる人ばっかりが、そのフィルターバブルによってメタバース上に集まっていくという世界が想像できるんですよね。
師田:なるほど、なるほど。SNSとかだと、やっぱりSNSとかにすごく没頭する人とか、もうなんかSNSに生きてるんじゃないのっていうか、SNSに没頭する人っていると思うんですが、依然として私達の身体性とか精神性といったものは、やっぱり現実世界に置かれてる状態じゃないですか。
メタバースによってアバターに入り込むと、その身体性とか精神性はちょっとわかんないんですけど、身体性は結構メタバースの方に行くのかなっていうところで、SNSと異なる進化を遂げた姿っていうふうにとらえることもできますよね。
五条:そうですよね。はい、岡嶋裕史さんっていう方なんですけど、その方が言うには、フィルターバブルが行き着いた先は、1人の個人の世界であって、その時はもう、自分が好む情報しか受け取らない。
つまり没入感がすごく高まっていくと、どっぷり24時間365日、居心地がいいので居たくなると。
そのときにAIが進化すると、たとえば疑似恋人みたいに振舞ってくれるわけですよ。
師田:そうですね。
五条:そうすると、そういうメタバースの世界に、もう24時間365日、どっぷりつかって出てこないというような世界があって、その世界で私たちは何をしてるかっていうと、AIを相手に疑似恋愛ごっこをしてるというようなことも可能性としてはあるっていうことですよね。
師田:なるほど。可能性としてありますよね。
五条:一つの方向として。そうするとその人たちはどうやって食ってるのかっていうと、ベーシックインカムで最低限の食うだけの収入を得ているとそういうことかなっていう。
師田:はい。でもなんかメタバース上で稼ぐみたいな話もあるじゃないですか。メタバース上でアバターでバイトとか、あとはそうですね、最近ちょっと下火になりましたけど、Play to Earnっていう概念が、ちょっと流行ったのご存知ですかね。
Play to Earnていうのはそうですね。たとえばアクシーズインフィニティとかっていうようなブロックチェーン基盤のゲームがあるんですけど、そこでキャラクターを売ったりとキャラクターを入手して売ったりとか、何かそのイベントクエストみたいなのを攻略したら暗号資産がもらえて、暗号資産を市場で普通の貨幣と交換することができるっていうような。
一時期PlaytoEarn、結構、流行った時期もあって、メタバース上に没頭して、生活費はPlaytoEarnで稼ぐってなると、擬似的な世界で、生計も建てられるみたいな世界もありますよね。
五条:あり得ますよね。だからNFTを活用してPlay to Earnにしろ、あるいは没入感が本当に高まっていくと、学校に行って授業を受けたり仕事したりっていうこともあり得るわけですよね。
だからその先にクリエイティブエコノミーみたいなものがあるとすると、やっぱり自己実現を目指したい人がメタバースで活躍するっていう世界と、可能な限りだらけたいという人が、メタバースの中で逃避行動をしているという。
師田:二極化がボクは最もありうるシナリオかなと思いますけどね。確かにそれは結構ありそうですね。ただなんかそうなってきてな、結局何が問題なのかっていう話もありますよね。なんかそれはそれでいいんじゃないかっていう気もするんですけど、何かそこら辺どうなんでしょう。
五条:うん。ボクもそれはそれでいいと思っていて。つまり誰もがクリエイターになれるわけじゃないじゃないですか。
師田:そうですね。
五条:うん。そうするとボクなんかはどっちかっていうと、可能な限り楽をして幸福を感じていたいという方向に、ボク自身は走りそうな気がしてるんですよね。
だから人間の性質として二極化てしまうというのは、これやむを得ないんじゃないかなっていう気がしてるんですけど。
師田:そうですね。そうなったときに身体性みたいなものは、この疑似空間に送り込むことはできないんじゃないですか。ということは物理的に生命体として生きていくしかないわけで、そうなったときに擬似的な世界での格差とかによって、あのその生命体が危機に陥るような状況に陥ってはまずいっていうことですもんね。
五条:うん。仮想世界でできないことって、ご飯食べたり睡眠したりというそのまさに身体的な行動じゃないですか。ところが侵食型センサー、つまり人間の神経系に直結したインターフェースが実現できて、そこで没入感が高まっていったときに、AIエージェント恋人の甘い息を感じることもできるわけじゃないですか。
つまり身体性もある程度シミュレーションできていくようになっていくとすると、ボクなんかは明らかに仮想世界から出てこないんじゃないかっていう気がするっていう。
師田:そうですね、なんかそうなってくるとシミュレーション、何回も話したと思うんですけど、シミュレーション仮説みたいな、結局、私達の世界はよく作られた夢なんじゃないかっていう話にも関わってきますね。
五条:まさにそれがマトリックスの世界観ですよね。結局、マトリックスもメタバースの発案者と言われて『スノークラッシュ』を書いた人が、そういう世界観を初めて描いたわけですけど、マトリックスっていう映画は、そのスノークラッシュの世界観を模倣したんですよね。
師田:やっぱりメタバースの世界観の先にはマトリックスみたいな世界観が想定されてるっていうのはボクもあると思ってます。
ただ一方でやっぱメタバースにも課題はあって、今だと結構ハードウェア的な課題が大きいですよね。たとえばMetaQuestっていう普及しているゴーグルみたいなのが重いとか、周りが見えにくいとか、最近、アップルがProVisionを出したりしてますけど。
ただ、そこら辺の技術的な発展は将来的に解決できると思うので、本当に眼鏡みたいなユーザーインターフェースとか、チップを埋め込むみたいな感じでより没入できるという、技術的には絶対解決されるとなってくると、五条さんがおっしゃるみたいに、クリエイティブをメタバースで発揮する人と、退廃的にメタバースで暮らす人の、ある意味ユートピアの社会が生まれるのかもしれないですね。
五条:メタバースを実現する技術要素って、今はあまりにも未熟で、やっぱメタバースの世界観を構築するにはちょっと程遠い感じがするんですけど、例えばネットワークの帯域幅一つをとっても、神経系に直結するようなセンサー一つをとっても、まだまだっていう感じなんですが、いつかは実現するんだろうという気はしますよね。
師田:そうですよね。だから実際に今でも結構、サッカーとかの試合とかメタバースでみんなで一緒に見たりとか、飲み会をメタバースであったりとか、あと一緒に寝るっていうメタバース上で一緒に眠るみたいなのが。VRChatとか、そういったところで実際に起こってる感じなので、起こりうるといえば起こりえますね。
ただそれが社会のマジョリティーの構成になっていくのかというのはありますよね。何かみんながメタバースに没入せざるを得ない社会的な状況になってるかどうかっていうのはまたちょっとどうかなとも思いますけど。
五条:そうでしょうね。例えばデジタルネイティブって言葉がありますけど、いつの時代も若いい人から受け入れが始まっていきますよね。
だからある技術の浸透には少なくとも1世代かかるっていう経験則があるんですけど、16年から17年ぐらいかかるねっていう。
ただ技術が進化するっていう前提のもとに、人間がそれを受け入れるかどうかっていうのは、それこそボクには人間っていうものがわからないから、今のところ、わからないっていうのが正直なところかなと思います。
師田:うん。なんかそうなってくると、社会のあり方っていうのは大きく変わってくるじゃないですか。そうなってくると、今の言う三権分立みたいな世界とか、国という仕組みだとか、何かそういったものも再定義し直さなきゃいけないときっていうのが、まさに今来てるんじゃないかなっていう気もしますね。
突然そういう世界になったらあたふたしてしまうので、あらかじめそういうのを予期して社会的コンセンサスを作っていくっていうことをしていかないといけないですよね。
このAIラジオもそういった社会的コンセンサスを醸成するために、すごい大切な情報発信だと五条さんは思ってますか。
五条:私もそう思ってますね。法律っていつの時代も後追いじゃないですか。だからあたふたせざるを得ない状況がいつも生まれると思うんですけど。ただよく言うイノベーターとか、アーリーアダプターという、新しい時代を切り開いていく人たちが、そういう意識を持って、世界を構築していくみたいな。世界を自分たちで作るんだと。
たとえばメタバースは、その手段の一つなんだみたいな意識を持っているってことはとても大切だと思いますね。
師田:なんか先ほどちょうど技術哲学の本を読んでて、なんか手段とかは目的にもなりうるみたいな話をちらっと読んだんですけど、何か手段があることによって目的が発生するみたいなこともあったりしますもんね。
五条:そうですね。テクノロジー発想で新しい世界観が作られることもある。例えばiPhoneなんか一番いい例ですよね。あれで明らかに社会、世界は変わったじゃないですか。
インターネットも最初は何に使うのか全然わかんなかったわけですよね。だからメタバースがそれでどういう世界が作られるのかっていうのは、なかなか想像が難しい話なんですけども、新しい世界が作られるだろうということだけは言えると。そうすると、それを作るのは、実はそのイノベーターと呼ばれる、私達自身なんだみたいな話はあると思いますね。
師田:なるほど。なんかそうなってくると、やっぱり一番大事なのは、何かコンセンサスが形成されることかなっていうふうに思いますよね。なんかメタバースとかの世界でも、結局メタバース上でやってはいけないことを誰が決めるのとか、何を良しとして何を悪とするかみたいなそういう価値基準というものが全くない状態だと、国家っていうのは無法状態に陥ることもあると思うので、何かそういったイノベーターの人たちが、どんどん新しい世界を作って、その一歩後ろの人って、基盤を整えていく人たちっていうのもこれからもっと増えていかないといけないですね。
五条:うん、これはもう次回のテーマになりそうな話なんですけど。
ところがメタバースの世界をよくよく調べてみると、今のビッグテックですよね。Googleとか、Facebook・Metaとか、その道もビッグテックがビジネスの世界として構築していくような方向が、今、強調されつつあると。そういう意味で本来のメタバース支持派の思想とは違う方向に向かっていってるような気もしますね。
師田:ブロックチェーンでも似たような議論あるんですよね。何かオープンなブロックチェーン、パブリックブロックチェーンっていうのと、何かクローズドなブロックチェーンのプライベートブロックチェーンっていう、企業だけが使うブロックチェーンみたいなのと、それを混ぜたハイブリッドなブロックチェーンとか、何かメタバースでも何か一つの大きなメタバースの世界にみんなが所属するっていう、単一のメタバースの世界と、あと何かマルチバースみたいな感じでいろんなメタバースが存在して。そこに相互補完性みたいなのが備わっていくみたいな。
何かそういう考え方あると思うんですけど、何かやっぱり企業っていうのが今の世の中だと一番力を持ってますので、彼らがどう動くかっていうので、メタバースがどうなるかとか社会がどうなるかっていう彗星も結構変わってきますよね。
五条:やっぱりクローズドなブロックチェーンって、その正体はGoogleなりいわゆるビッグテックが、自分の世界を作ろうという囲い込みの発想ですよね。だからそれはブロックチェーンチェーンが本来、目指してるものとは違うと言わざるを得ないわけじゃないですか。
師田:そうですね。プライベートブロックチェーンに関して言えば、分散型っていうのは多数のベースノードが、世界地理的にもばらついてるっていうことがセキュリティを担保するに必要なことなので、プライベートは結構企業のクローズドなシステムとあんま何も変わらんのではないかみたいな話ですよね。
五条:結局、お金集めにブロックチェーンというキャッチコピーをうまく使ってるというのが実情のような気もしますよね。
師田:そうですね。なんかいろいろ話してきましたけど、今回、結構メタバースの話を五条さんが勉強されているということで中心に話してきたんですけど、なんかあれですね、メタバースによってすごいクリエイティブな自己実現したい人たちはメタバース上で活躍したり、あとは楽して幸せになりたいっていう人はメタバース上で疑似アバターと恋愛ごっこみたいなのをして暮らしていく社会みたいになるみたいなこととか、あとはやっぱりビッグテックとか、そういう企業っていうのがこれからどう動くかによってメタバースの世界とか社会とかっていうのも、すごい勢いで社会がいま、まさにすごい変わろうとしてる今、過渡期にあるっていうのも間違いないと思うので。
こういったときにちゃんと哲学とかそういった観点から、そういう技術を評価するってことが必要だと思うので。今後もそういった情報を発信していくので、ぜひぜひ購読よろしくお願いしますという感じで。五条さん、ありがとうございました。
五条:どうもありがとうございました。
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