
ポッドキャスト|AIラヂオ007前編|AIアーティストはどうすればNFTコミュニティで食べていけるのか?(前編)【文字起こしつき】
みなさま、こんにちは!テック系フリーランスライターの五条むいです。
テクノロジーとの共生でハッピーになりたいHarmonic Society株式会社の師田賢人とテック系フリーランスライターの五条むいがゆるく愉しくお届けする、〈AIラヂオ006〉の後編をお届けします!
前回、NFTとアートの可能性を対談したところ、NFTコミュニティにおいてはNFTは貨幣としての役割も持つのだけれども、NFTコミュニティの会員証として機能しているという実に興味深いおはなしが師田さんからありました。
そこで今回は、その意味を掘り下げていきます。。
文字起こしもついてます。よろしければ、しばしお立ち寄りください。
AIラヂオ007前編の文字起こし
(第7回前編)
師田:皆さん、こんにちは。AIラヂオというポッドキャストです。
この番組ではAIに関する情報発信を毎週行っています。今回のテーマは、「AIアーティストはどうやってNFTコミュニティで食べていけるのか」です。
お届けするのはHarmonic Society株式会社代表の師田と、五条むいです。よろしくお願いします。
五条:よろしくお願いします。
師田:はい。前回AIアートとNFTのことについて話して、そのときにNFTコミュニティの話が多分ちらっと出たと思うんですけど、今回はそれを掘り下げていくような感じですかね。
五条:そうですね。前回、収録が終わってから、なんかすごく大事な話をした気がして。ずっと考えてたんですけど。
前回の話って、NFTによってあるデジタルアートが世界に一つのものだと保証されると。
そうするとコピーし放題だと無料になりがちだったデジタルアートに正当な価格がつくので、それによってデジタルアーティストが食べていける道が開けたっていうことは、すごい革命的だというお話がありましたよね。
でも、その一方で、今のNFT市場には投機筋が動いていて、早い段階で安く入手した人が、後からの参入者に高く売ることで稼いでいて、でも後からの参入者がさらに高く売れる保証はないから、私の疑問としては持続性に問題があるんじゃないのっていうことでした。
それに対して師田さんが、ニューヨークのクラブの例を出してくださったと思うんですけど。
師田:そうですね。NFTが、単純に貨幣としての価値だけじゃなくて、会員権とか参加権とか、そういったメンバーシップみたいな価値を持つことによって、コミュニティの中でNFTによる絆というか繋がりが強固になったり、強化されたりとか、あとはNFT会員権自体の価値が上がってくみたいなことで、ある程度、サステナビリティが維持されるんじゃないかっていうような話を前回ちらっとさせていただきました。
五条:そうですね。NFTコミュニティみたいなものが成立するとしたらという文脈で言うと、師田さんが指摘されたような、コミュニティの価値っていったものがすごくキーワードになる気がしていて。それって一体何だろうっていうのが、今の私の最大の関心ですね。
師田:いろいろ難しいんですけど、ただはっきりと一つ言えることは、あるNFTのコミュニティがあったとしたら、そのNFTを会員権にして参加してる人は、そのNFTの価値が上がれば自分の持ってるNFTの価格も上がるので、単純にプラスになるっていうことじゃないですか。
会社で言うところのストックオプションみたいに自分のNFT価値を上げるために、そのコミュニティ内で新しい価値を生み出すっていう行動に対してインセンティブが与えられるっていうところがまず味噌なんですよね。
五条:そうするとやっぱり第1には、金銭的な動機で突き動かされてるって感じなんですか。
師田:そうですね。あとこれ前回もちらっと話したと思うんですけど、金銭的にトークンとかNFTの値上がりっていうのも重要だとは思うんですけど、その特定のNFTが好きっていうだけで多様な人たちが集まってくるような、いわばフィルターの機能みたいなのを果たしてるってお話をちらっとしたと思うんですけど。
そういう人たちって単純に嗜好性が近いので仲良くなったりとか、一緒にプロジェクトやって競争したい新しい物を売らないかとか、とにかく相性がいいわけです。
メンバー同士でコミュニティがうまく回っていけば、どんどん新しいプロジェクトとか何か面白いイベントとか、そういったものがどんどん増えてくるので、単純に金銭的報酬だけじゃなくて、それこそ社会的報酬だったりとか精神的報酬っていうのも、このNFTコミュニティの中で担保されてって。
それが全部インセンティブになって、NFTコミュニティがリアルワールドに価値を生み出すために、1人ずつ構成員が貢献してくみたいな方向に向かっていくっていうのがあるんだと思うんですけど。
五条:私が感じたのは、もちろん私もそうなんですけど、人間である以上、金銭的な欲望に突き動かされてるのはそれは絶対否定できないんですけど、どっちかっていうとお話を聞いてて思ったのが、その後の方ですよね。
同じ嗜好性を持った人たちが、ある種のフィルターバブルで集まっていく、関係性を築くっていうところに価値を感じてるんじゃないかっていう気がすごくしたんですよ。
師田:そうですね。なんかちょっと偏見ぽくなるかもしれないんですけど、割とNFTとか暗号資産とかハマる人って、実は結構、世界から疎外されてる人とかも多かったりとかするんですよね。コンピュータは詳しいんだけど、あんまりリアルな世界には友達がいないと。
これも思いっきり僕のフィルターかかってますけど、そういう人が例えば好きなNFTの中でコミュニティに貢献する活動をやったり、コミュニティのメンバーがそれを褒めてくれて、しかも値上がりしてくみたいなのって、すごい自分の居場所になると思うんですね。
オンライン上のそういう意味で成功しているNFTのコミュニティっていうのは、やっぱりメンバー間の帰属意識っていうのが、単純に承認欲求とか、そういったものに絡みついて、すごい強固になってっていうことはあるんだと思います。
五条:やっぱり、そんな気がすごくしてるんですね。つまりメタバース的な発想に近づいていくんですけど、リアル世界とは違う、何か居心地がいい〈もう一つの世界〉で、もう1人の自分が存在感を確かめてるような、居心地の良さを感じてるっていうところがキーのような気がするんですよ。
(後編に続く)