ポッドキャスト|AIラヂオ006後編|AIアートとNFTの可能性(後編)【文字起こしつき】
みなさま、こんにちは!テック系フリーランスライターの五条むいです。
テクノロジーとの共生でハッピーになりたいHarmonic Society株式会社の師田賢人とテック系フリーランスライターの五条むいがゆるく愉しくお届けする、〈AIラヂオ006〉の後編をお届けします!
前編では〈AI=Artificial Intelligencce:人工知能〉ならぬ〈AI=Alien Intelligence:異星人知能〉が発展して、自律性なり主体性が認められる時代がもしも仮に来たならば、果たして人類はエイリアン・インテリジェンスと融合して新人類になるのか、エイリアン・インテリジェンスの存在感がただただ大きくなっていくのかという、なんだかすごく哲学的な命題にまで行きついてしまいました。
ユバリの『ホモデウス』を、もう一回、読んどこう('◇')ゞ
今回は後編として『アートとNFTの可能性』を探ります。
文字起こしもついてます。よろしければ、しばしお立ち寄りください。
AIラヂオ006後編の文字起こし
(第6回後編)
師田:今回のもう一つのテーマであるNFTについても、ちょっと言及したいなと思うんですけど。
要するに、今までって、世の中のものに価値があるのかどうかということは、コピーがいかに難しいかとか、需要供給がどのくらいなのかっていうことで価値がつくと思うんですけど、それでいうとデジタルデータっていうのは、今まで価値がつかなかったわけです。
何でかっていったらコンピュータ上・インターネット上で無限に複製ができるので、供給が無限になって、それによって価値がつかない、価格がつかないっていうことが起きたと思うんですけど。
NFTって、ブロックチェーンを使った技術でいろいろ難しい話もあるんですけど、何がいいかっていうと、そのデジタルデータをコピー不可にするしたりとか、そういった改ざんといったものができないようにしたことによって、供給量に制限を設けることが可能になって、デジタルデータに価格づけや価値づけをすることができるようになったっていうのが、NFTの基本的な役目というか、すごいところだなっていうふうに思っています。
なので今回のAIアートとか、AIを利用して生成AIを使ってアートを作りました。それをNFTにして、これが唯一の作品ですよっていうような技術的裏付けっていうのをすることによって、どういう方向性でアートを作ろうっていったものから、NFTで作品にして価値をつけて流通網に乗せるっていったところまで、一気通貫でできる流れがオンライン上で出来るような形になったんですね。
それによってやっぱりクリエイターっていうのは、今まで違法にコピーされたりだとか作品乱用されたりとか、デジタル界隈においては起こってましたけど、そういったものに対して、テクノロジーが解決策を示してくれたっていうのが、NFTの意味としては大きいんじゃないかなと思うんですけど。
その辺、五条さんはどういうふうに考えてますか。
五条:師田さんはWeb3にすごく詳しいので教えてほしいんですけど、NFTってブロックチェーンとスマートコントラクトのアプリケーションだと理解してます。
で、やっぱりおっしゃったようにNFTという仕組みができたことによって、デジタルアーティストが初めて食っていける仕組みができたと。なんかすごく素晴らしいことだなっていう気はしますよね。
でもNFTってそんなに注目されてなかったような気がするんですけど、最初、NFTでデジタルアートを売ったのは、ビークルっていう人でしたっけ。
師田:イギリスのクリスティーズでオークションにかけたら、6900万ドルで落札されたんでしたね。
五条:これはすごいわっていうことで。ある意味、革命ですよね。デジタルアーティストって食っていけないっていうのが、いきなり食っていけるようになっちゃったと。
師田:そうですね。なんかクリエイターにとってはNFTによって希望の光をみたというふうに思いますね。
デジタルアートで生計を立てるとか、そういった本当に難しいことを、一部の本当に限られた人じゃないとできなかったものが、誰でもNFTアートというような市場に参入できて、実際にそこで生計を立てられる道筋を示したっていう点は、歴史的にみてもかなり意義が大きいと思っていて。
元々NFTは、多分、2018年くらいからクリプトパンクスっていう、イーサリアムベースのNFTから始まってるんですけど、そんときは本当に低価格で販売されたり無料でもらえたりとかしてたんですけど、今になったらクリプトパンクスが何百万円とか何千万円とかっていう価値がついてたりするんですよ。
プレミアになってるんですけど、それも結局、クリプトパンクスが一番最初のNFTアートだから価値がついてる。供給量も限られてるから価値がついてるっていう話だと思うので。
結局、それもやっぱコンテキストをいかに作るか、例えばビークルさんの作品とかはずっと自分がNFTアートを作ってきたものの集大成的なモザイクアートを作ったことによって、何かNFTの新時代を切り開いたとみなされてるような。
そういった可能性を見せたっていう点で評価されたと思うし、ジャックドーシーさんのTwitterの初めのツイートが確か3億円とかで取引されたと思うんですけど。なんかそういうのもやっぱりそのツイートに意味があったとか、価値があったっていうことよりも、そのTwitterの最初のつぶやきっていうところの文脈に価値がついた。
それがNFTによって供給制限されるから価値が価格がついたっていうことが大きいので、やっぱそういった意味で言うと、AIアートとNFTアート、やっぱりコンテキストっていうものがすごい大事だし、お互いの相性っていうのはすごいような感じしますね。
五条:うん。いつの時代も、何であっても、やっぱり希少性に価値がつくので。その希少性を保証する仕組みを作ったっていうのは、これは本当に素晴らしいことで、デジタルアーティストにとってはハッピーな未来図が一歩近づいたっていうことで、素晴らしいと思うんですけど。
一方で、こういう希少性とか投資とか投機っていう話になると、ボクなんかやっぱりプラグマティストなので、投機筋が動いてるっていうのがすごく気になっていて。
基本は早く手に入れた人は安く買えるけど、後から参入してきた人が高く買うという仕組みなので、後から参入してきた人が、さらに高値が付くかっていうと、すごい疑問なところはありますよね。
師田:はい。そうなんですよね。やっぱり先行者優位みたいなところは、NFTアートというのは結構大きかったりとかして。
一時期、PlaytoEarnというゲームで稼げるみたいな感じで、ゲーム内のアイテムがNFTになって、それを売ることで生計を立てることができるみたいな話も盛り上がりましたけど、ステップとか、そういった有名なプロジェクトも、やっぱり最初にやった人が稼いで、後からやった人はやっぱ全体としては損したみたいなパターンに落ち着いているので、それはもうなんか宿命なような気はしますね。
五条:だから投資とか投機の世界だと、NFTによるデジタルアート市場の永続性っていうものに、すごい疑問がつくじゃないですか。そうするとね、素晴らしい未来図が描けるようになったんだけど、これこのまま素晴らしい未来図が実現できそうなのかどうかっていうのが、ボクにはまだよくわかってないっていうのありますね。
師田:それがコミュニティと結びついてくるんですよね。なんかNFT一番の価値ってなんていうのかな、NFTアートそのもの、芸術としての価値にあるんじゃなくて、よく会員権とかコミュニティへの参加権とか発言権とかイベントへの参加権とか、何かそういう、何て言うのかなデジタル証明書みたいなものとしてNFTを持ってるっていうことが使われることがよくあるんですね。
ボク自身もニューヨークのNFTNYCっていう2023年に一番でかいNFTのイベントに行ってきたんですけど、そのときに何千万とかで取引されるNFTをたまたま入手して、トークンプルーフっていうアプリを通じて、そのクラブを所属してる人しか入れないパーティーってとこに潜入してきたりとかもしたんですね。
やっぱそういうコミュニティが強ければ、NFTの価値もそんなに下がってかないんです。実際、そのクラブとかのコミュニティはすごく強いので、NFTの価値っていうのもなかなか下がらないし、それが作った暗号通貨であるテープコインっていうのも、価値がそこまで下がらないっていう感じがあるんで。
やっぱりNFTのアートとしてではない価値っていったものが、コミュニティ上の実際の人間の活動と結びついてサステナブルになっていくと、やっぱ価値も維持されるのかなっていう意味で、ある程度、現実世界との接点っていうのはあるのかなっていう気はします。
五条:うん。そうするとフォートナイトみたいな、メタバース的な世界観をもったコミュニティとかあったりしますよね。だから、そういう、今、限定的なメタバース的コミュニティの存在が、近い将来、社会実装されていくのかみたいな、そんな疑問と直結していくのかなって、今のお話を聞いてと思いました。
師田:そうですね。なんかコミュニティを運営する側の立場から言うと、NFTを会員権みたいなのにすると、たとえばクールキャットってNFTがあるんですけど、猫のかわいい感じのなんですけど。
そのクールキャットが好きな人がクールキャットのNFTを買って参加してくるので、なんか技術的な感性みたいなのが似た人が集まる傾向があるんですよね。
いわばNFTの購入が嗜好性みたいなのをフィルターになって、ある意味、会員の最低条件を満たすみたいなところがあって、そこはなんかNFTらしいなと思って、すごい面白いなと思ってる点ではありますね。
五条:そうすると今のDISCORDとかSNS的な世界で作られてるコミュニティが、より仮想現実的に社会実装されていくのかみたいな、未来予測とセットにして考えなきゃいけない問題かなという気がしますね。
師田:そうですね。やっぱり今までのビジネスの形にせよ、何らかを生み出すっていう活動は、上から下へトップダウンっていう要素が結構大きかったし、中央集権っていう、上の方の人たちが決めたことを下の方に、ピラミッドの下の方の人たちは次をしてくっていう要素がやっぱ強かったと思うんですけど。
そういったコミュニティが強くなってくると、やっぱボトムアップの視点っていうのがどんどん強くなってくると思うので、社会全体がトップダウン中央集権からボトムアップ非中央集権みたいな形に近づいていくとなんか、社会がちょっと変わってくような感じもするので、単純なNFTアートの話について、今回、いろいろしてきましたけど。
結構、意外と、社会の大きな変革のパラダイムシフトみたいものの要素としてAIアート、NFTアートみたいに絡んでくるんじゃないかなっていうふうに思うと、結構、想像が膨らんで面白かったりしますよね。
五条:そうすると次回のテーマになりそうなんですけど、メタバース的コミュニティの未来図はどうなるのかみたいな話ですよね。
師田:その辺ちょっと、次回で話せたらいいかなっていうふうに思います。
はい、そんな感じで、今回、第6回目AIラジオで、『AIアートとNFTの可能性』ということで、これからの創造性の新しい形みたいなものに迫りつつ、AIとかNFTといったものが社会にどういった影響を与えているのかっていうことについて話してきました。
なんかこんな感じでAIとその周辺のトピックについて、毎週、配信していますので、気に入った方がいらっしゃったら、ぜひサブスクライブしていただけるとありがたいです。
という感じで、本日は、五条さんありがとうございました。
五条:どうもありがとうございました。