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感傷は物心ついたときから私のポケットにいつもありました。 そこに一握りの抒情が混ざったと…
子どもは大人を拒絶する ああしろこれをするなと言うが 理由を教えてくれないから 若…
大津通を北上するトラックが クラクションを鳴らしながら軽自動車を追い越していく その…
人知れず夜空の裾を切り取って喪服仕立てる十三回忌 月を見て綺麗ではなく死にたいと言うあな…
四分休符無応答の埠頭 労働苦労疲労と不幸 孤独な咆哮を送ろう 対岸煌めく夜景の向こう 夜風…
雨だというのに傘を忘れて 駅まで走る帰り道 額に貼りつく前髪が なんだか惨めに見え…
鏡の中に鬼がいる 人のふりした鬼がいる 外では優しい顔をして 心の中に怒りを養い やがてそれが大きく育って 花開き 実を結び 熟れて落ちて一面が真っ赤に染まって 物に当たるようになり 人に当たるようになり 世界に当たるようになり 最後には自分自身に当たるようになって もう何も傷つけるものがなくなったとき 鏡に映った鬼は ずっと握りしめていた拳を開き 真っ赤に染まった顔を覆って泣いたのだ 心の中に鬼がいる お前が鏡を覗くとき そこに
二十六時の女子大小路 賞与と傷病手当の浪費 鬱憤と鬱屈の飛沫 独りじゃ心晴れない始末 明日…