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大津通を北上するトラックが クラクションを鳴らしながら軽自動車を追い越していく その…
人知れず夜空の裾を切り取って喪服仕立てる十三回忌 月を見て綺麗ではなく死にたいと言うあな…
何はともあれお金が必要だ 薬に混ぜてアルコールに溶かした傷病手当 やりがい搾取の人生に貯金…
四分休符無応答の埠頭 労働苦労疲労と不幸 孤独な咆哮を送ろう 対岸煌めく夜景の向こう 夜風…
雨だというのに傘を忘れて 駅まで走る帰り道 額に貼りつく前髪が なんだか惨めに見え…
鏡の中に鬼がいる 人のふりした鬼がいる 外では優しい顔をして 心の中に怒りを養い …
文字が怖い 「a」を押せば「あ」と入力される単純さと この喪失や鬱屈の代名詞が見つからない複雑さの間に 古本屋のにおいが染みついた恐怖が広がっている 僕が「僕」と書くのを見て あんたの文字はぜんぜん読めないね と眉をひそめたあの人の 苗字の書き順がわからない 深夜の通りを蛇行運転するレクサス 窓を全開にしてげらげらと笑う男女を けたたましいサイレン音とともにパトカーが追いかける ここはレクサスと外車だけの街 軽自動車と建売住宅はいますぐ去れ と自治
二十六時の女子大小路 賞与と傷病手当の浪費 鬱憤と鬱屈の飛沫 独りじゃ心晴れない始末 明日…
にわか雨が走り去った後の 公園の砂場にできた水溜まり 水面に映った僕の顔は必要以上に…