部屋
鍵を開ける
ただいま。
足元に擦り寄って伝わる温もり
押し付けられる感覚と自分が立っていることで跳ね返る力が反することで感じる愛しさ
玄関に飾られた花
カラカラに乾いている姿を自然と愛でる
すり足の音をさせながら
水を求めコポコポとガラスを満たす
いつだって何か足りない
足りないけれど
足りないからいいのか
足りないのが寂しいのか
足りないのはなぜなのか
毎日生きて、日々を更新して
たまに満たされた感覚を知って喜ぶ
それでも時間がまた空を作り出す
埋めるべきか
何で埋めるのか
ふいに脇腹をすり抜ける
肩にもたれかかる重さに包まれる
おかえり。