見出し画像

小学生女子の欲望と希望

相も変わらず少女漫画っぽい投稿小説を書くために少女漫画を読んでます。

今回のテキストは『こどものおもちゃ』。

これを知ったのは大地丙太郎監督のアニメ版がきっかけだったのだけど、ハイテンションなギャグの印象が強かったこどちゃは、学級崩壊、児童虐待や同級生との暴力事件など、かなり重い内容で驚いた。掲載誌のりぼんは小中学生の女子向けの雑誌で間違いないはずだけど、女子ってこんな重くて真面目な内容の作品を楽しんでたのか。

読みながら、読者の欲望がどこに盛り込まれているかを調べてみると、主人公が売れっ子芸能人、母親が売れっ子小説家で家がお金持ち、マネージャーが年上のイケメンで恋人…。随所に盛り込まれている。あと当然だがキャラがみんな美形。

それと、これはこどちゃに限らずほとんどの少女漫画で見つけたことだが、

「主人公が世界中から愛され、主人公もまた世界中を愛せる形で物語は幕を引く」

ということだった。
少年漫画で主人公が目指すのは「一番になる!」と飛び抜けて頂点を目指すのがお約束なのだが、少女漫画は世界の調停を主人公がもたらすのが読者の夢(欲望)ではないか。
性格の悪い言い方をすると、少年漫画の場合は「俺(主人公)がこの世界で一番だ!」で、少女漫画の場合は「私(主人公)がこの世界の中心」となることだと思う。あからさまにならないよう作られているけども。

こうして考えると娯楽とは欲望渦巻くもののようだが、私は少女漫画の欲望が気に入っている。
主人公の少女が望む世界の調停が、とても穏やかなところが好きなのだ。
こどちゃの場合は、子供から大人になることがメインテーマだっただけに、主人公・紗南が日々の学校生活、家族、友達の間で抱えている悩みにも私はどんぴしゃでハマったし、心の痛みと葛藤を経た描写は、肉体の痛みと葛藤がメインの少年漫画とは違うベクトルで、とてもよかった。

しかしまあキャラが全員キラキラ美形だったのには正直胸焼け気味だったが、少年漫画の女の子キャラがみんなエロエロ美少女であることを鑑みると、男も女も欲望を投影していることに変わりはないね!
読み込むと、女の子は金持ちとイケメンが大好きなんだなと思いしらされて凹んだりもするが、漫画なんだから気にしない!気にしない!…気にしない。

#漫画 #小説 #少女漫画 #りぼん #こどものおもちゃ #大地丙太郎 #尾花美穂 #新人賞 #シナリオ

いいなと思ったら応援しよう!