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ふれるように話していたい

肌にふれるように

大切な人と話していたい

葉につくかえるのように、ぴとっとくっついて

風に揺れて、雨に濡れる

当たり前みたいに時間が過ぎる

それでいい、一見特別には見えないくらいがいい

100円しか渡せなかった字の占いのおじちゃん

「みいなさんは器用な人ではないので」

「そうです!」

いつだってひとりにふれていたい

鵜呑みにはしていないけど、鵜呑みにはしているみたい

占いなんてって思ってる、はず、らしい




深夜の帰路は

かえるの学校の休み時間

わたし、学生の頃休み時間が苦手だった

大抵いつも、図書室まで早足

あらあら思い出してきた

点字ブロック、足底で

なぞりながら歩く

これまでの喜怒哀楽、思い出さないように

人のいない道ではボリュームを上げる

うるさいなあ、と、思う

でも、スマホはもはや俺の臓器!




部屋に帰ればいつも縫い合わせている

臓器をどこかに置き忘れて

色んな宝ものを手にとっては縫い合わせている

つぎはぎを、作る、作る、作る。

ちぎれた関係がキーボードの上に散らかっている

これはもうつぎはぎにはしない

でも捨てることはないだろう

小分けのポーチにしまって、だれかからもらった箱に入れておこう




乱雑なこの字を愛せるようになってしまった

字に人が出るぞと言われて育ったけど

整わずに21年目もペンさんのインクは減ってゆく

なんなら字体が毎日変わっている

彼曰く「旅に出ろ」らしいです。




Almost Blue、このまま朝になれば

わたしとんで喜ぶよ

夜中きしょい時間にあの子の今をインスタで見て

浅いため息はいた後にいいねを押す

そんなこと、ありませんか?

そういう時はたいてい、欲求が自分に馬乗りしている

緊迫したその表情、忘れることなかれ

あんたとだってこれからは平等だよ


これまでふれてきた、たくさんの人とのふたりの時間

あの人とは沈黙 

あの人とは微笑み

あの人とは討論

むず痒いときもあったな

それでいいじゃないの

全ての関係を丸々愛してしまえ


もちろん、あなたに楽しんでもらいたいとは思っているのよ

でも「あんた空気みたいだよね」って言われるのもわたし結構すきよ

わたしはいつだって、ふれるように話していたい。

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