不登校生の通知表
ぼくの中学校では、不登校の生徒は通知表の評価がつかない。
授業もテストも受けておらず、課題も出さないので、
成績の評価ができない、ということらしい。
どんなに校外で教科学習を頑張っていても、
模試で超優秀な成績をたたき出していたとしても、
逆にまったく何も勉強していないとしても、
評価の欄には斜線があるだけだ。
そうした通知表の付け方は、その中学校の校長先生の方針で決まるらしい。
すべて自動的に5段階評価で3のこともあれば、
きちんと勉強し、修得していることがはっきり分かるよう、
学校に伝えていれば、評価を付けてくれる学校もあるようだ。
でもこれ、ひどくないか?
ぼくは今のところ、普通高校の受験を考えていないので問題ないが、
中学では不登校でも、中には高校受験して自分のやりたい勉強をするため、
偏差値の高い高校に行きたいと思う人だっているはずだ。
そういう、いわゆるハイレベルは高校は内申点がモノを言うので、
通知表の評価が超重要だ。
なのに、高校受験にとってそんな大事な要素である通知表の付け方が、
中学校の校長先生によってまちまちというのは、
ものすごく不公平ではないか。
2017年から施行された教育機会確保法で、
必ずしも中学校でなくても、自宅でもフリースクールでも
学ぶ権利は認められているのに、そんな成績の付け方では結局
中学校に通った人と、不登校生にも成績をつけてくれる中学校の生徒だけが
有利になってしまう。
義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の公布について(通知):文部科学省 (mext.go.jp)
または、中学校の成績の付け方というよりむしろ
高校受験のあり方が、もっと変わった方がいいのかもしれない。
ここ最近不登校生はものすごい勢いで増えていて、
その「学校に行かない」理由の中には、
「在籍する学校にだけは(何らかの原因で)行きたくない」
「在籍する学校での学び方に疑問がある」
「在籍する学校に通学するより、自分で選んだ学習法の方がはるかにいい勉強ができる」
など、たまたまその中学校で学ぶには適さなかっただけの人が、
一定数はいるはずだ。
そういう人たちなら、自宅やフリースクール、オンライン学習、塾などを
うまく使って、自分に合った学び方でしっかり学問を身につけている可能性が高いと思う。
だから、彼らなら自分の選んだ高校ではもっとよく学べるのではないか。
そういう人たちにきちんとチャンスがあってこその、
教育機会確保法であるべきじゃないかと思う。