なぜLET IT GOとLET IT BEはタイトルが似ているのか?

先日”LET IT GO”(レット・イット・ゴー)を都庁おもいでピアノや
デイサービスの訪問演奏で弾きました。

◉むぎたろ都庁ピアノ“LET IT GO”

言うまでもなく”LET IT GO”は、ディズニー映画「アナと雪の女王」で
最も有名な挿入歌ですよね。
“LET IT GO“が意味する「ありのままで」や「レリゴー」は
2014年の新語流行語大賞にもノミネートされたそうですね。
ぼくは当時まだ5歳だったので覚えていませんが。

この”LET IT GO”というタイトルですが
初めて知ったとき、何かに似ているって思いませんでしたか?
そう!
ビートルズの名曲 “LET IT BE“ にそっくりですよね!


◉「アナと雪の女王」より “LET IT GO“

◉The Beatles “LET IT BE”

ぼくは数ヶ月前に“LET IT BE”を弾いたときに
“LET IT BE”の意味は調べていたので、なんとなく分かってましたが
「あれ?BEじゃなくてGOなの?GOになると意味はどうなるの?」
って思いました。

それで英語の意味を調べたんですが、
なんとなく気になってそれぞれの曲について検索してみたら
ぼくと同じモヤモヤを感じたからなのか
この2曲を比較しているサイトがいくつか見つかりました。
それらを参考にしながら、今回ぼくなりに考察してみました。

映画をご覧になった方はご存知の通り
主人公の一人エルサは、自分が望んでもいない氷の魔法を
生まれつき持っていたことで、ずっと引き籠って苦しんでいました。
でもあるとき自分の宿命を受け入れ、
「ありのまま」の自分で生きていくことを決心したんです。
そのときにエルサが歌ったのが、この“LET IT GO“です。

ところで、“LET IT BE”の方のタイトルの意味は「あるがままに」です。

“LET IT GO“ → ありのままで(アナ雪)
“LET IT BE” → あるがままに(ビートルズ)

英語でも日本語でもよく似ていて紛らわしいですね。
でも意味はほとんど正反対です!

アナ雪の“LET IT GO“「ありのままで」の方は
「自分の心のまま、ありのままの自分を解き放つ」的な意味。
現代的な強い女性が、誰にも頼らず自分の力で思うままに生きていく、
みたいなイメージがなんとなくします。
自分を出さないよう我慢したり忖度したりするのではなく
自由に、ありのままに、我が道を生きる。

一方、ビートルズの“LET IT BE”「あるがままに」の方は
「たとえ逆境にあっても悩み苦しんだりせず、あるがままを受け入れる」。
歌詞からはキリスト教のマリア様がそう言ったようにも受け取れます※
たとえしんどい状況にあったとしても
状況にあらがうのではなくそのままを受け入れる。
我を捨てて天に従うといった、もしかしたら悟りみたいな境地でしょうか。
※(実際には作詞作曲したポール・マッカートニーの亡き母が夢枕に立って言った言葉だとか、いろいろな説があります)

自分を貫き、“LET IT GO“「ありのままで」を選ぶか
天に従い、“LET IT BE”「あるがままに」を選ぶか。

どちらの道も、苦境を切り抜けるいいい方法だと思うし、
その人の生き方そのものかもしれないので、良い悪いはないと思います。
多分その人の価値観によっても変わるでしょうし
同じ一人の人でもどちらかを、都度選んでいるのかもしれません。

ぼくも、学校に行くことに意味を見出せず不登校を選んだときは
“LET IT GO“「ありのままで」のような心境で、
たとえ他人からは理解してもらえなくても
自分の心のままに生き生きと毎日を過ごしたいと思いました。

でも、何かを一生懸命頑張っているのにどうもうまくいかない、
と感じているようなときは、
たとえ気持ちの上では焦ってたり苦しかったりしていても、
“LET IT BE”「あるがままに」のように
じたばたしないで、なるがまま、運命に身をまかせよう、
と思うことにしています。
亡き祖父のアドバイスです。すごく難しいですけど。

ただエルサは、悩んだ末に
“LET IT GO“「ありのままで」生きる道を選びました。
それがきっと「アナ雪」を観た人たちの心をわしづかみにしたんですよね。
ぼくもエルサが歌うシーンがめちゃめちゃカッコよくて
そこだけ何度も観ました!

そして“LET IT GO“の作曲者は
その二つの道をはっきり意識していたフシがあります。
というのも、なんとこの2曲は途中までコード進行が全く同じなんです!
“LET IT GO“も“LET IT BE”も、曲の冒頭(Aメロ部分)は同じコード進行で
曲が進むと(Bメロから)ガラッと変わります。

コード進行とは和音(ハーモニー)の進み方のことです。
「メロディーや調性、リズムは違うけど、コード進行は同じ」
みたいなことはよくあります。
だけど、タイトルも最後のたった一語(GOとBE)だけの違いな上、
コード進行も途中までまったく一緒となると、何か感じませんか?

ぼくには、まるでこの2曲のコード進行の仕方は
「悩み苦しんでるまでは同じだけど、ふっきれ方がガラッと違う2人」
を意味しているかのように思えました。
そういう隠れた意図のもとに“LET IT GO“の作曲者は
“LET IT BE”のコード進行をわざと使ったのだと
ぼくは確信しました!

まあ本当のところはどうか分かりませんが、そう思って曲を聴いてみると
けっこう違って聴こえてくるんじゃないかと思います。
また別の、曲の楽しみ方ができるっていうか。
どちらも名曲中の名曲なのは間違いなくて
もちろんぼくは両方とも大好きです!
「ありのままで」と「あるがままに」、是非聴き比べてみてください。

◉「アナと雪の女王」より “LET IT GO“

◉The Beatles “LET IT BE”

ついでに都庁で弾いた僕の“LET IT GO“も、お聴きいただけると嬉しいです。

◉むぎたろ都庁ピアノ“LET IT GO



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