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18話 モニタリング事件簿〜事件は現場で起きてるんだ
麦印犬品のフリーハーネス試作品
ソランモデルとチロルモデルは胸周りの被毛に少しでも優しくなるように丸革タイプ(革を丸く縫い合わせたもの)を採用
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自分があまり器用でない話はしましたが、この革を丸く仕上げるのは、とにかく手間のかかる作業
製作に掛かった時間(時給)が、販売価格に反映するのはこの前書いた通りなので、この手間を省きたい。という事で、廉価版の製作することにしました。
市販されているレースタイプのレザー
つまり、初めからリードに使えるように10mm幅でベルト状にしてある少し厚めの革です
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このサドルレースを全ての部材に使うことで、裁断やセンターステッチの省略により作業時間の短縮をしようと考えました。
出来上がったのがこちらの平革タイプです。
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リードを手に持つハンドルの部分は丸革を残して、あとはサドルレースを組み立てて作りました。
作業工程が少なくなった分、当然作業時間も少なくなり、これならいけるかな。とまたモニターさんを募集して2名の方にお願いしました。
しばらくして、モニターさんのお一人からハーネスがお散歩中に緩むと連絡がありました。
当時私が作っていたハーネスの留め具は、フォーペッツオンリーさんの構造を採用した、革の留め具でした
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モニター品は丸革2本、平革2本の合計4名の方にお願いしたので、すぐに他の方に確認しましたが、大丈夫だとのこと。
おかしいなと思い、その方の送り返してもらって留め具のすべりが少しキツくなるように革を縫い直し、さらにダブルの留め具にして滑りにくい構造にして返送しました。
それでもやっぱり緩むと連絡があったので、使用をやめていただき、もし使う場合は事務で使うバインダークリップで留めて使用していただくように伝えました。
なぜ、この人だけ緩むのか。。。歩き方?体形?
他の3名の方もまだモニタリング継続中だったので、そのまま迎えた2022年のお正月。
私もむぎちゃも着物を着て、初もうでに出かけました。
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もちろん。ハーネスは手作りの平革タイプ。モニター品と同型です。
むぎちゃ用に作った赤と黒のツートンカラーは着物姿の邪魔をしません
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お詣りを済ませた帰り道、むぎちゃを歩かせながらふと気付いたら、少しずつハーネスの留め具が上方向にズレてました。
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このままにしていたら、これ以上緩むのだろうか。
そう思いながら、撮った写真を確認して、スマホからむぎちゃに顔を向けると
な、な、なんと!
いつも間にか、ハーネスから片足抜けてます
(; ・`д・´)
慌てた私は振り向きざまに"すってんころりん"
手のひらで地面について、全体重を受け止めることになりました
その失態に驚いたむぎちゃは、ハーネスからもう片方の足も抜けて、歩道を反対方向に走って逃げていきます。
近くにいた嫁が、すかさず『むぎちゃー!』と叫んで呼び戻す
(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
その声に、シッポフリフリで帰ってくるむぎちゃ。
ε-(´∀`*)ホッ
その様子を倒れ込んだまま見ていた私は、ようやく手のひらの激痛に気付き、その痛々しい傷を写真に収めました。
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やはり、この留め具ではダメだ。
ハーネスから抜けたのが、モニターさんのワンちゃんじゃなくてよかった。
先に緩むことを教えて下さったモニターさんのおかげで、ほかのモニターさんにも注意喚起ができていたこともあり、大事故に至らす本当に良かったです。
ここから、ハーネスの留め具探しの旅が始まるのですが、次はいよいよハーネスの留め具を見つけて、プロトタイプの完成に至るまでを語ります。
では、また明日