スーダンと日本の将来に向けたラブレター
この間、スピッツの写真などを撮っておられる内藤順司さんがYOUTUBEに出演されていました。
私も、以前noteでご紹介させていただいているのですが、
今回、このYOUTUBEでお話されている川原医師の活動とその写真集についてお話したいと思います。
川原医師は元々医務官(大使館で日本人を看るお医者さん)でした。でも困っているスーダンの患者さんを見過ごす訳にはいかず、大使館勤務を辞めてNGOを作り(ロシナンテス)単身スーダンに渡って無医村で医者を始めます。
現地の人との交流や信頼を得て行く様子、それから必要なものをどんどんスーダンの人々と力を合わせて作って行く様子は物語として読んでも爽快だったりします。
病気の原因のひとつである水。井戸を新しくして水道管を変え、綺麗な水がいつでも飲めるようにしたこと。(女性や子供の水を運ぶ負担が大きく軽減したことや、その水を買いに来る人が出てきた)
その井戸の周りで自然と村の人達が野菜を作り始め、生野菜が食べられるようになったこと。
看護婦が育つように女の子の小学校を作ったこと。
紛争地域に入れず、難民キャンプでサッカーをしてる少年を見かけてサッカーボールをプレゼントしたこと。その後、首都に少年サッカーチームを作り指導をしていること。(元海外青年隊員のを部長にして)いずれ、その中からスーダン代表選手が生まれることを夢見ていること。
それをスーダンの村の人と同じ仲間として、その時出来る最善のことを、必要なものを一番良い方法を考えだして一緒に出来るようにしたという暖かい空気がすべてに感じられる写真と文章です。
川原医師も、カメラマンの内藤さんも、口を揃えてむしろ自分たちが貰っていると言います。
スーダンの方々はとても正直で親切な方達なのだそうです。何か買う時に旅行者だからと値段をつり上げられることもなく、食事しているところで目が合うとにっこり笑って一緒に食べようと言ってくれたり、迎え入れてくれた家で、質素でもあふれんばかりの食事でもてなしてくれたり。それが普通のことのようなのです。
無医村の村に医者が来てくれたのはアッラーのおかげ。水が綺麗になったのもアッラーのおかげ。隔たりなくお互いに分け与え、「ある」ことを感謝する。隣人を労りあう優しい人達。
電気が通っていないけど、美しい自然を味わうだけでも贅沢な時間…
今現在もスーダンはまた世情が…危ないですよね。医療行為を初めた当初から、今に至るまで危険な事もたくさんあったと思います。言葉や宗教や価値観の違いもあるでしょうし。本当は並大抵な努力ではなかったと思います。撮影するのにも捕まってしまったこともあったみたいですし…
でも、最初の頁から最後まで、何か浄化されるような満たされるような気持ちになる写真集なのです。
川原医師と内藤さんのスーダンの方々とのあったかい交流や魂のやりとり、日本の子供達への温かいメッセージと願い。
とても読み応えのある温かい写真集です。
パラパラ見るだけでも、綺麗な瞳の女性の何気ない笑顔や、キラキラ静謐に煌めく夜空と村の様子や、真摯に向き合う川原医師やほっとするような患者さんの様子など…それだけでも本当に美しいです。
おそらく日本に住む私達へにも向けられた将来への希望とラブレターだと思うので、機会がありましたらお手にとってじっくり見たり読んだりしてみてくださいね。
そしてスーダンもまた一日も早く安心して暮らせる日々になりますように。
今日もここまで読んでいただきありがとうございます!