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イヤホン、そしてRamが好きなもの。 シーン対比に見るRamKing①

初めまして。
2getherでタイBL沼に片足を突っ込み、有名作品を少しずつ見ているアラサーです。
そして8月、とうとう運命的な出会いを果たしました。気づいたらnoteに登録していたし、スマホに殴り書きを始めていた。恐ろしいことです。

それはMy Engineer The Seriesとの出会い。

大学を舞台に4組のカップルが登場します。
性格も恋模様も全く異なる4組ですが、彼らが相手のことを想い変化していく様子があまりに魅力的で目が離せない。

4組のうち筆者が泥沼に引きずり込まれたRamKingについて、このnoteで色んなシーンを振り返りながらその尊さを語っていく予定です。

※ネタバレあり。
※RamKingに幸せになってほしいあまり、拡大解釈や妄想が入る可能性あり。
※原作未読。
ご容赦くださる方のみお願いします。

前置きが長くなりましたが本題へ。

RamKingの部分をn周して気づいたのは、シーンの対比や台詞の伏線がよく組み込まれていること。
それらを通し、2人の心情や関係性が変化していく様が美しく描かれています。

今回からいくつかの記事に分けて、シーンの対比を切り口としてその様子を紹介します。

今回取り上げるのはここ。

シーンの対比と言えばまずはここですね。EP6とEP12のバスのシーンです。

EP6でもEP12でも、2人はバスの左側、後ろから3番目の席に座っています。
さらに両話ともイヤホンを共有するシーンがあり、対比が明確です。

各話を詳しく見てみましょう。


スコールで濡れ鼠になったKingと出会い、共にバスに乗るRamのシーンです。

▶︎「タトゥーが好きなの?」

Ramの腕のタトゥーを見たKingは、彼にこう問いかけます。
Kingを一瞥し、軽く頷くRam。

「俺もタトゥーしたいな。痛かった?」
とKingは続けますが、Ramはまっすぐ前を見て答える様子がありません。
そんな彼に、Kingもそっぽを向いて会話を一度諦めます。
まあこのあとRamが返事をするので、会話自体は成立するのですが…

「おい。俺ばっか喋って何も言わないのか?」

というKingのセリフに、この頃の2人の関係性が見て取れますよね。
お互いをどう思っていたかはともかく、2人の距離はまだまだ縮まっていません。

▶︎イヤホンの共有

スマホで音楽を聴いていた2人ですが、Kingのスマホの電源が落ちます。
それを見て、Ramが片耳のイヤホンを貸してあげるシーン。

Ramって興味ない人間には確実にこんなことしないですよね?

きみ、、既にP'のこと結構好きよね?

そんなこと考えもしないKingは、Ramの聴いていた曲に眉を潜め、彼のスマホを借りて自分で選曲します。
「こんな雨の日に合う」と言って選んだのは、このドラマのエンディングテーマ。ピアノのイントロが美しく印象的です。

Ramは、Kingの選曲をただただ受け入れます。

▶︎「これでチャラです」

Ramは去り際、持っていたビニール傘をKingに押しつけます。
その中にはRamの手書きメモが。

「ノートをくれたので、傘をあげます。これでチャラです」

与えられたものに対してはとりあえずお返しをしなくては、というRamの義理堅い性格が表れているようです。
もしくはKingに借りを作りたくなかったのでしょうか。

EP5でも、勉強を教えてもらったお返しとして、RamがKingを引っ張ってごはんに連れて行くシーンがありますよね。


さて以上がEP6のバスのシーンですが、EP12のシーンをこれらと比較してみたい。

EP12ではキャンプに向かうバスの中の様子が描かれます。
EP6と同じ位置の座席に座る2人。

▶︎「好きですよ」

音楽を聴いている最中にスマホのバッテリーが切れたRam。今度はKingが片耳のイヤホンを貸してあげます。
流れてきたのは、あの雨の日にKingが選んだピアノの音。

「今更だろ?前は君が貸してくれた」
というKingの言葉を聞き、Ramは回想します。

あの雨の日を思い出し、なんとRamは微笑むのです。

ただKingのなすがままだったあの日とは随分違いますね。

そのあとの会話がこちら。

K「その笑顔は、気に入ったんだな」
R「好きですよ」

こんなのもう泣いてしまう。

Ramが好きと言ったのはきっと曲のことじゃない。

Kingが与えてくれるあらゆるもの。
彼との心地いい時間。
彼と同じ時間を過ごし、思い出を共有している事実。

今のRamを支えてくれるそれらを指しているのかなと思ったわけです。
Ramの中で、Kingの存在はそれほどまでに大きくなっている。

EP6で「タトゥーが好きなの?」と聞かれてもろくな返事をしなかったRam。
このシーンでKingに対して「好きですよ」という返事をすることも、彼の変化を表しているような気がします。

Kingは、何の見返りも求めずにRamに色んなものをくれる先輩です。
彼の人となりを知るごとに、RamはKingから与えられることを素直に受け入れるようになります。
その様子はドラマ全体を通して描かれていますが、端的に表れているのがこのシーンではないかと。

そもそも「好きですよ」という返事をしなくてもKingは分かってくれそうですが、Ramは敢えて言っていますよね。
というのも、RamがKingに対して自分の思いをきちんと言葉で伝えるようになったからだと思うんです。
EP10の「理解してくれる人ならあなたがいます」、EP11の「大事なものなので」などなど…。

そこには、Kingに義理堅くお返しをするのではなく、彼からの無償の優しさを受容し、喜びと感謝、そして愛情を伝えるRamがいます。

「好きですよ」と言うRamは、あの雨の日に傘を押しつけた彼とは全く違うのです。

次回は別のシーンを取り上げたいな。
ここまで読んでくださってありがとうございました!

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