宮沢賢治 ~対話録12~
※ ひとりごと。散文です。
登山、思うように行けてないんだ。
ふむ、今の季節はまさに行き時だと思うけど、それまたどうして?
休みの日に雨が降る。なぜかそうなる。なんでなんだろう?
それは運が悪いね。
2連休でちょっと遠出する計画を立てても、そういう日に限って雨ザーザーだよ。それに当日は晴れ、もしくは曇りでも、前日が大雨だと地面がドロドロになってる確率が高いからあまり行きたくない。
そうだよねぇ。滑りやすくて危険だし。
だから前日も当日も晴れててくれなきゃイヤなんだ。山頂での景色もだいぶ違うしね。ああ、岩手山に登れるのはいつの日か……。
ああ、日本百名山のひとつ、岩手山。たしか2000mくらいだよね。
そう。岩手山に登れる体力と足腰を養うためにも、1000m級の低山を中心に登ってる。もちろんそれ自体も楽しみだよ。
まどろっこしいことしないで、いきなりチャレンジしてみたら?
無理だなぁ。膝弱いし。往復で7~8時間くらいかかるそうだし。いろんなコースがあるから、一番登りやすいところでも登れるイメージが沸かない。
それは深刻だねぇ。
で、有名な宮沢賢治ってね、岩手山に結構登ってるんだよ。
まああの人は鉱石や草花を採集するのが趣味、あるいは仕事みたいなものだから、いろんな山々に登ってるだろうね。
うん。そこだけ聞くと健康、健脚なイメージなんだけど、ところがね、晩年は体調崩して寝込んで、37歳で病死してしまったんだ。若い時には体力不足ということで兵役を免除されるくらいに体質の弱い人なんだよねそもそも。
へぇ……。
そんな彼でも岩手山には何度も登っているという驚愕の事実。岩手山に登れるくらいの体力があるのに、兵士としては不合格。……昔の人の体力基準が怖いよ。
すごい話だね。
その時代に生きていたら、私はもちろん徴兵されなかっただろうなぁ。
今でも無理なんじゃないの?
20歳くらいの体力でも無理だと思うよ。集団生活苦手だし。なので今日のまとめとして、宮沢賢治は意外と体力がある、ということを強く主張したい。
どうしても晩年の虚弱なイメージがあるけど、その辺の現代人よりはタフってことだね。ああ、久しぶりに何か読みたくなってきた。
賢治作品って、どれが一番好きって感じでもなく、多少の当たり外れはあれど平均的にどれも好きなんだよね。
僕は注文の多い料理店が好きだよ。
ド定番だね。
昔、花もて語れっていう朗読のマンガがあってね、そこで詳しく題材として取り上げられていた。
いいマンガを知っているね! あのマンガ、全体的に賢治作品多いよね。
そうそう、聞いた話だと最後の方で打ち切りの憂き目にあったから、本来ならもう少し続く予定だったらしい。
確かに終わり方が駆け足気味だったもんね。
ハナちゃんが仕事辞めて朗読講師になる、という流れも、丹念に描けば読者に響く内容になっただろうに。ああ、もったいない、惜しいことを……。
ふう、それじゃ、山登りの代わりに筋トレでもするとしよう。せめてもの慰めだよ。じゃ、またね。
ああ、お気を付けて。