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八幡平登山 ~対話録17~

※ 会話調の書き散らしなのです。

高速で車飛ばして、登山に行ってきたよ。

ほう、どこの山?

八幡平(はちまんたい)。標高1600Mくらいのまあまあ高い山。でも登山道はほぼ頂上付近から始まるので、お気楽なトレッキングコースみたいな感じ。ほぼ全部木材や石畳で舗装されてるし、ゆっくり歩いても1時間30分もあればだいたい回れちゃう。

へぇ、面白そう。百名山のひとつなんだよね。

そうだよ。なぜか八幡平山、と「山」は付かないみたいだね。見晴らしが良くて、湿地が多くて、大きな沼があちこちにある……んだけど、天気が悪くて霧が濃すぎた。ぜんぜん風景を楽しめなかったんだ。

あらら。ご愁傷さま。

風も強くて…それはいいけど、まあ雨に降られなかっただけいいのかな。平地と途中行くまでは晴れと曇りが交互に来る感じで、そんな濃霧じゃなかったのに……。

空は曇りでも、見晴らしにはそんなに影響しなさそうなんだけどね。

私もそう思ってた。でも頂上が1600Mくらいにまでなると、そこがもう雲の生じる範囲、高さでもあるのかな。頂上付近だけ神様にいじわるされたかのように白い霧で覆われてるんだよ。

霧の中……まさに雲の中を歩いたわけだ。

まあ、行き帰りのドライブは爽快だったからいいけどさ、もうちょっとなんとか、一瞬でいいから晴れてほしかった。鏡沼、最近ではドラゴンアイと呼ばれてる沼は見られたから、そこはせめてもの慰み。もちろん時期が違うから、雪は完全に溶けてて、なんというか普通の大きな沼だったけどね。

人は多かった?

平日でも割といたよ。ひっきりなしにすれ違うわけじゃないけど、ちょっとしたツアーの10人前後のグループにも何組かすれ違ったし。昔、早池峰山に登った時ほどは多くなかった。平日なのに、すごい人の数だった。挨拶は好きなんだけど、あんなにもしょっちゅうだと辟易しちゃう。有名じゃないけど、低くてもいいからもっと静かな山が好きだな。

そうか~。

あ、これ撮った写真ね。全然遠くが見えないでしょ。

結構毛だらけ山霧だらけ
うっすらと見える?
頂上から下って、鏡沼

いやー、これじゃあ……。

ね。高速料金掛けてまで行ったのに……。

まあ、人生には空模様があるからなぁ。

そうだね炭治郎。こうなると事前に分かっていれば行かなかった。でもそこは行ってみなくちゃ分からないから、賭けだよね。降水確率30%の曇りマーク。合間に晴れる可能性に賭けたんだ。いいんだ。どうせしばらく行けないんだし、高速使えば短時間で行って帰ってこれるということも分かったし。今度は茶臼岳から登るコースを試したいし。収穫は多かったよ。

しくじっても、いい経験になったと思えば、せめて……ね。

うん。それにほら、途中で松尾鉱山の写真も撮れたよ。全国的にも有名な廃墟なんだってさ。

心霊スポットでもある

壮観だね。

でしょ。昔、廃墟にハマった時期はあるんだよ。直接行くってよりはネットで写真を見るくらいだけど、今でも寂れた建物や神社を見かけると、ふらりと立ち寄ることもある。建物の中には入らないよ、さすがに。でも近くで写真を撮ることは多い。

独特の寂寥感があって、僕も好きだな廃墟。あんまり近所にあるのはイヤだけど、車で行く分には。

ふう、今日はこんなとこかな。またね。

ああ、お気を付けて。


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