山口百恵さんの話

どうも、私です。

今日は「伝説を見た話」をします。

お付き合い下さい。

午後、姉からメッセージが届いた。

姉「山口百恵さんの引退コンサートが放送されるから、お母さんに教えてあげな!」

母に教えて、すぐにTVをつけた。そこには、スポットライトを浴びる山口百恵さんの姿があった。
当時21歳という人気絶頂期に、三浦友和さんとの結婚を機に引退された、山口百恵さん。
彼女の歌がとても好きで、よく聴いてはいたが、コンサートの映像を見るのは初めてだった。
衣装の煌びやかさ、歌声の素晴らしさ、MCの時に垣間見える可愛らしさ。
母も私も、そして連絡をくれた姉もそれぞれの場所で食い入るように見つめていた。
(母に関してはド世代なので、TVに映る山口百恵さんと一緒に口ずさんだり、振り付けを真似たりしていた)

少しずつ、でも確実にマイクを置く時間は迫っていく。気づくと私は、
「百恵ちゃん、辞めないで」
と心の底から願っていた。山口百恵さんはそれほどまでに美しく、清々しい決意を抱いていたのだ。誰にも止められないくらいに。

メンバー紹介やMC、衣装替えを楽しみながら、歌を聴くこと数分。
いよいよ、あの白いドレス姿で山口百恵さんは現れた。私はその瞬間、
「百恵ちゃんが、辞めてしまう」
と思い、姉に連絡した。

私「百恵ちゃんが、辞めちゃう!」

姉「もう辞めてるよ!笑」


そうだ。
山口百恵さんは、もう引退している。


なのに、不思議と私はあの日のあの場所にいた1人になっていた。


幸せになってほしい。
でも、辞めないでほしい。


でも、あなたが決めたことなら。


歌い終え、マイクを置いたその瞬間、私は少しの間呆然としてしまった。
そして終演後、姉とメッセージのやり取りをした。

姉「マイクを置いた瞬間に、百恵ちゃんが辞めちゃったって思った」

私「私も思った」


山口百恵が、いなくなった。


いや、いなくなったのではない。


山口百恵は、伝説になった。
キラキラと輝く伝説に。


初めて引退コンサートを見た私は、今の彼女が、三浦百恵さんが幸せであることを祈った。

そして、こう思った。


好きな人がいる間は、どんな形であれ応援しよう。
伝説となる、その日まで。



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ひやむぎ
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