おじいちゃんの話

母の父であるおじいちゃんは、バレンタインデーの23時59分という誰もが忘れることのない日時に亡くなったハイセンスな人である。


ハイセンス祖父母。


おじいちゃんは、食に対してあまりこだわりはない。だから、幼き日の母が嫌がった週5日野菜炒めウィークにも、病に倒れる直前によく見られた週5日ミートボールウィークにも文句を言わなかった(料理が苦手なおばあちゃんに諦めたのもあるが)。
その割に、トーストにバターを塗った上からグラニュー糖をかけたものを私や姉に食べさせて、トースト革命を起こしたこともあるし、父と酒を呑みながらししゃもを食べた時、頭を残そうとした父に、

おじいちゃん「ししゃもの!頭を!!食え!!!!」

と怒ったこともある。その時の様子を聞いた結果がこちら。

父「それまでは機嫌が良かったのに、ししゃもの頭を残した途端、めちゃくちゃ怒られて怖かった」

ちなみに、私も頭を残す派なので、おじいちゃんの前でししゃもを食べたらめちゃくちゃ怒られただろうと思う。


おじいちゃん、ごめんなさい。
ししゃもの頭は、食べません。


そんな、おじいちゃんは動物の絵が上手かった。

私「おじいちゃん、絵を描いて」

と紙を渡すと、うさぎの絵を描いてくれたことがよくあった。


それも、子供が描くような可愛らしいうさぎではなく、超リアルなうさぎを。


それでも私と姉は、おじいちゃんに描いてもらう絵がすごく好きでよく描いてもらったものだった。姉に至っては小学生の時に、冬休みの美術の宿題をどうするかおじいちゃんに相談したところ、これまた超リアルなねずみを粘土で作って渡されたことがあるらしい。

姉「いや…これは、ちょっと…」

との判断により、提出はされなかったらしいが、私も見てみたかった。

それから数年が経ち、おじいちゃんが亡くなり、現役バリバリの認知症だったおばあちゃんは、

母「おばあちゃんが、結婚した人は誰?」

と聞かれてこう答えたことがある。

おばあちゃん「お父さん!!」


ちなみに、おじいちゃんのことではなく私の父のことである。

まさかのドロドロ。笑


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ひやむぎ
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