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【全文無料特別号】むぎのマガジン vol. 161 お客様を勇気付ける語りかけのポイントー毎週とどくタロット鑑定解説マガジンー

こんにちは。むぎのタロットのyukiです。今回は月に1度の特別号として、全文無料公開です。
今回は「お客様を勇気付ける語りかけのポイント」について解説します。

むぎのタロットマガジンでは、毎週1本ずつ、公開許諾をいただいているタロット占いの事例をじっくり解説した記事を掲載しています。また、時々、今回のようなタロットを学ぶためのノウハウも発信しています。

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良かれと思ってやったのに…

タロット占いを通じてお客様をサポートする際、相手の背中を押し、前向きな気持ちを引き出す語りかけはとても重要です。しかし、良かれと思ってかけた言葉が相手を傷つけてしまったり、逆に負担を感じさせてしまった経験はありませんか?

今回の記事では、「お客様を勇気づける語りかけ」をテーマに、心理学や脳科学にも基づいた「ペップトーク」という手法を紹介します。この手法を活用すれば、タロット占いだけでなく、日常のコミュニケーションでも役立つ温かい言葉がけがやりやすくなります。

勇気付けるかたりかけーペップトークとは?

「ペップトーク」とは、「元気」や「活気」を意味する“ペップ”から来ており、相手を勇気づける短くて肯定的なスピーチのことを指します。もともとはスポーツの試合前に、監督やコーチが選手たちを鼓舞するために用いられる手法ですが、その応用範囲はとても広く、接客やカウンセリング、タロット占いなどにも応用が可能です。

ポイントは、単に根性論や精神論で押しつけるのではなく、相手の感情に寄り添い、ポジティブな行動を引き出すための技術だということです。言葉の選び方や順番を工夫するだけで、相手の行動や感情にポジティブな変化をもたらすことができる、そんな技術がペップトークです。

そしてこれは、相手の問題を解決し、そして背中を押すタロット占いにも応用できるのではないかと思います。

ペップトークの4つのステップ

ペップトークは、次の4つのステップで構成されます。この流れを守ることで、相手の気持ちに寄り添いつつ、無理なく前向きな行動を促すことができます。

  1. 受容(事実の受け入れ)
    相手の状況や心理状態を丁寧に受け止めることから始めます。
    たとえば、「今、とても不安で辛い状態ですね」と、相手の感情や状況に寄り添う言葉をかけます。いきなり「頑張れ!」と言うのではなく、まずは相手の置かれている状態をしっかり認識することからスタートします。

  2. 承認(捉え方の変換)
    受け止めた状況や感情を、ポジティブに転換します。
    たとえば、「連絡が来なくて不安ですよね。でも、この状況が必ず悪いわけではないかもしれません」といった具合に、相手に新たな視点を提示します。これによって、ただただ同意するだけでなく、相手の背中を押す下地を作ることができます。

  3. 行動(してほしい変換)
    次に、相手にしてほしい行動を具体的に伝えます。
    たとえば、「連絡を取ってみたいなら、自分の気持ちを素直に伝えてみてはいかがでしょう」と提案します。このステップが相手の未来を切り開くヒントになります。ポイントは、この「行動」は「受容」「承認」という下地ができていてこそ生きるということです。「良かれと思って伝えたのに相手にネガティブに解釈されてしまった・・・」という場合には、いきなりこの行動をしてしまっている可能性があります。

  4. 激励(背中のひと押し)
    最後に、相手の背中を押す一言を加えます。
    「きっと大丈夫ですよ」「あなたならできますよ」といった励ましの言葉で締めくくることで、相手の心に温かい印象を残します。

こんな形で、4つのステップを意識的にやっていくことで、相手を承認し、背中を押せる語りかけを実行することができます。

次にこのペップトークが実践された(?)有名な事例を使って具体的に説明していきます。

ペップトークの実践例「憧れるのをやめましょう」

2023年3月22日WBC決勝前、ロッカールームの円陣での大谷選手の声かけが話題になりました。この言葉は、まさにペップトークの4ステップが詰まっています。

「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう。」

「ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。

憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。
今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。

さぁ行こう!!」

この有名な声かけを、ペップの視点から考えてみます。

  1. 受容:「ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。」と、一旦、選手たちの気持ちを受け止めています。

  2. 承認:「憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。」と、感情を肯定しながら新たな視点を提示しています。

  3. 行動:「今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」と、具体的な行動を示しています。

  4. 激励:「さあ、行こう!」と最後に激励の言葉をいれることで、チームメイトの背中を強く推しています。

大谷選手が、ペップトークを意識して、この語りかけをしたのかどうかはわかりません。ですが、WBCの日本の勝利には、この大谷選手の語りかけによるモチベーションの向上も一役かっているのではないでしょうか?また、この語りかけが、相手の背中を押して、勇気付けるものだということは伝わりやすいのではないかなと思います。
このように、「語りかけの型」を意識することで効果的に勇気づけをおこなうことができます。次に、具体的なタロット鑑定を例に語りかけについて考えてみます。

タロット占いへの応用

タロット占いの場面でも、「ペップトーク」の4つのステップを取り入れることで、相談者を勇気づける語りかけが可能になります。以下の4つのステップを意識してみましょう:

1. 受容:事実の受け入れ

まずは、出てきたカードや相談者の現状を丁寧に受け止めます。
「今の状況はこうですね」と共感し、相手の気持ちをしっかり受け入れることが第一歩です。

2. 承認:とらえかた変換

次に、出てきたカードや状況を、可能な範囲でポジティブに解釈します。
「辛い状況かもしれませんが、こんな見方もできますね」と、新しい視点を提案します。

3. 行動:してほしい変換

その上で、カードのメッセージから導き出される「相手が取るべきアクション」をポジティブな表現で伝えます。
「こうしてみてはいかがでしょう?」と提案することで、相手の行動を後押しします。

4. 激励:背中のひと押し

最後に、相手の問題解決や目標達成に向けて、プラスになる一言を伝えます。
「あなたならきっと大丈夫ですよ」「うまくいきますよ!」と背中を押す言葉で締めくくることで、温かいメッセージを届けましょう。

ちょっとここまでの流れをみてみると、よく、タロット占いをされている方から相談を受ける「よく思われたい」「嫌われたくない」「悪いカードの結果を伝えたくない」という心理とは真逆であることに気がつくのではないかと思います。
「よく思われたい」「嫌われたくない」は「自分がどう思われるか」に軸足が向いていますが、ペップでは、「相手の気持ちをどう変えられたか」に軸足があります。
そういった意味でもタロット占いをやるためには大切なマインドセットであり、技術であるといえるかもしれません。

最後に、実際の鑑定をペップトークのスタイルで組み立て見た例を紹介します。

実践例:現在の彼の気持ち

以下の実際の鑑定例を使って説明していきます。

鑑定した内容:「現在の彼の気持ち」。
出てきたカード:カップの9(逆)、恋人、女教皇

鑑定文例
今現在、連絡が来ないという状況であなた自身とても不安が大きくなっているのではないでしょうか。大切に思っている方だからこそ、不安もとても大きくなるのかなと思います。
カードを拝見するかぎり、既婚者であるあなたとは、これ以上は関係を発展させていこうとは考えておられないものの、あなたが彼を大切に感じるように、彼もあなたのことをとても大切に思っておられ、精神的な繋がりをとても大切にされたいと感じているようです。連絡がこないことで「嫌われてしまっているのではないか」と感じておられるかもしれませんが、カードを拝見するかぎり、あなたのことをとても大切に思っているおきもちにかわりはないようです。
そのため、単純に、返事を出さないでいたうちに、なんとなく返事を返しにくくなってしまった、という状況であったり、プライベートやお仕事で変化があって連絡が取りにくくなった、といった、あなたの気持ちの外の理由で返信ができていない可能性が高いのかなと思います。
「自分は相手の人との関係性をどうしたいのか」をしっかりと考え、相手が自分をどう思っているか、ではなく、相手とどう関わっていきたいのか、を軸に行動を決めていけばいいのかなと思います。もう一度連絡をとりたい、とあなたが考えたのであれば連絡をとるのがベストだとおもいます。でも、「もういいかな」というお気持ちなのであれば彼からの連絡を待つのもいいとおもいます。
浅からぬご縁のあるお二人です。あなたが選んだ選択はいつでもその時のベストなのかなとおもいます。彼がどう思うか、よりも、あなた自身がどうありたいか、どうしたいかを軸に行動されることが一番大切なのかなと思います。

上記の文章をペップの4つの要素に分けて考えます。


1. 受容:事実の受け入れ

「今現在、連絡が来ない状況で、不安が大きくなっているのではないでしょうか。彼を大切に思っているからこそ、その不安が大きく感じられるのだと思います」と、相手の感情をしっかり受け止めます。


2. 承認:とらえ方の変換

カードを読み解きながら、相手の気持ちをポジティブに捉え直します。ご依頼主様は、連絡が来ない理由を「彼からきわられたのではないか」と考えておられますが、カードの結果から

  • 「彼は既婚者のあなたとはこれ以上関係を深めることは難しいかもしれませんが、精神的なつながりをとても大切にしているようです」

  • 「連絡が来ないことで『嫌われてしまったのでは?』と思われるかもしれませんが、カードを見る限り、彼の気持ちは変わっていないように感じます」

  • 「単に忙しさや状況の変化が原因で、返信ができない可能性が高いのかもしれません」

といった形で「連絡が来ない=嫌われた、ではない」と捉え方の変換をしていきます。


3. 行動:してほしい変換

ここまでを踏まえて、「自分は彼とどう関わっていきたいのか」を軸に、相談者が取るべき行動を提案します。

  • 「もう一度連絡を取ってみたいと思うなら、素直な気持ちで連絡を取るのが良いでしょう」

  • 「逆に『もういいかな』と思うのであれば、彼からの連絡を待つのも選択肢の一つです」

といった形で具体的にご依頼主様にやってほしい行動をお伝えします。


4. 激励:背中のひと押し

最後に、相談者を勇気づける一言を添えます。

  • 「あなたが選んだ選択肢は、どんなときもその時点でのベストなものです。彼がどう思うかよりも、自分がどうしたいかを大切にしてください」


この4つのステップを取り入れることで、相談者の不安に寄り添いながら、前向きな行動を促すことができます。特に、占いでは「悪いカードの結果をどう伝えるか」に悩むことが多いですが、この流れを意識することで、ネガティブな状況にもポジティブな意味を見出す語りかけが可能になります。

まとめ

ペップトークは、相手の気持ちに寄り添いつつ、勇気を与えるための具体的な手法です。特に、占いやカウンセリングの場面では、「受容」「承認」「行動」「激励」の4つのステップを意識することで、相手に温かい印象を与えることができます。

ぜひ、自分自身にもこのペップトークを試してみてください。自分を励ます力が身につけば、他者への語りかけも自然と優しく、力強いものになるはずです。

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