【全文無料特別号】むぎのマガジン vol. 126ー毎週とどくタロット鑑定解説マガジンー 小アルカナを理解するポイント
こんにちは。むぎのタロットのyukiです。今回は月に1度の特別号として、全文無料公開です。
今回は、小アルカナを効率よく理解するためのポイントをまとめました。
大アルカナが理解できる記事については以下を参照してください
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解説動画
理解のポイントまとめ
・ワンド
・カップ
・ソード
・ペンタクル
小アルカナ理解のポイント
小アルカナは、各スートの意味と、番号のもつ意味を掛け合わせることで理解しやすくなります。
各スートの意味と番号の意味をざっくりまとめると以下の図のようになります。
番号の意味はちょっと抽象的なので、まずはスートの意味をしっかりと理解することが理解しやすい流れかなと思います。
まずはスートの意味をしっかりまとめてみます。
各スートの意味
4つのスートを少し分析すると上記のようになります。
それぞれのスートの1のカードに注目すると、ワンドとソードはスートのモチーフを掴んでいるのに対して、カップとペンタクルはそのモチーフを手で受け止めているのがわかります。
ここから、
・ワンド、ソード:能動的に動く
・カップ、ペンタクル:受動的に動く
という性質がわかります。
さらにスートのモチーフとなっている火・水・風・土の性質を重ね合わせると
・能動的なグループ
ワンド:形がなく、閉じ込められない炎がモチーフ→具体的ではないものを獲得しようとする性質がある。
ソード:形はないものの、閉じ込めておくことができる空気がモチーフ→具体的なものを獲得しようとする性質がある
・受動的なグループ
カップ:手にもつとこぼれ落ちてしまい、さらに形が器によって変わる水がモチーフ→具体的ではないものを受容する性質がある
ペンタクル:しっかりと触ることができ、形が定まっている土がモチーフ→具体的なものを受容する性質がある
と分類できるのかなと思います。
それを踏まえてそれぞれのスートをまとめると
・ワンド
自分のエネルギーを積極的に大きくすることを目的にしている。エネルギーの拡大が目的なので、他者のことよりも自分自身のエネルギーを大きくすることに興味の重点がおかれる
・カップ
形のない精神的な恩恵や愛情を受け取ることを目的にしている。金銭面・物質面の恩恵より、精神的な恩恵を優先する。ただし、精神面の安定のためには金銭・物質の豊かさも必要となることもあるため、まったく具体物をもとめないわけでもない。
・ソード
具体的なモノを積極的に獲得することを目的にしている。エネルギーを欲するワンドと違い、具体的なモノを求めることになるため、他者との競争が発生する。その競争に勝つには知性で相手を出し抜く必要もでてくるため、知性もカバーすることになる。
・ペンタクル
物質的・金銭的な恩恵を受け取ることを目的にしている。ただし、物質的、金銭的な恩恵を安定に受け取るには精神的に安定した環境であることも必須であるため、精神面の恩恵をまったくもとめないわけではない。
と、まとめられるのかなと思います。
スートの特徴をまとめたところで、それぞれのスートを効率よく理解するポイントを簡単にまとめていきます。
①ステップ1:まずは3のカードをみよう!
「小アルカナを学ぼう!」とおもったら、まずは1のカードをご覧になる方も多いのではないでしょうか?
確かに1はそのスートの特徴がまとめられています。しかし、ちょっと抽象的でわかりにくいカードでもあります。
そこで、各スートの本質を表している3のカードをまず見ることをおすすめします。
各スートの3のカードをじっくりとみることで、そのスートの性質について深く理解できるようになり、他のカードが理解しやすくなります。
ワンドの3
ワンドの本質は「エネルギーの拡大」です。具体的にいうと、「得たものをさらに拡大していく無限の拡大」を示唆します。
そのため、ここで描かれている人物も決して服装は裕福そうではないにもかかわらず、「積み荷が満載の船を海にこえさせる」力をもっています。ワンドの本質は力の拡大であり、得たものをさらに投資につかって拡大をしていくことがワンドに特有な動きであることを示唆しています。
カップの3
カップがもつ精神性・愛情を深く 理解したときに何がおこるかを示し ています。周囲の収穫物には目もくれず、収穫の喜びをわかちあう3人の女性の姿が描かれています。このことから、カップの本質が愛情や人の絆など、精神的な恩恵を受け取ることであることを教えてくれています。
ソードの3
アーサー・ウェイトはこのカードに「悲しみ」という解説を加えています。なぜ、ソードの本質が「悲しみ」なのでしょうか?
それは具体的な成果物を獲得しようとするソードは、限られた物を奪い合う争いが必ず起こり、そしてその時には必ず敗者や悲しみを生み出すことに起因しています。叡智・力による勝利 は、必ず敗者と痛みをうみだしてし まうのです。
ペンタクルの3
ペンタクルがもつ「収穫」の本質 を理解したときになされることが描 かれています。「収穫」を得るために何が必要なのかが1枚の絵に集約されています。「発案する人」「計画する人」「実際に実行する人」この3人が成果物をじっくりと見つめている絵です。カップの3と比べるとわかりやすいですが、ペンタクルの3では興味の中心はあくまで成果物です。そしてその良き成果物を得るためには何が必要なのかが描かれているカードです。
② ステップ2:5と7と10のカードをみてみよう
3のカードが終わったあとは、5と7と10のカードをみることで、スート全体の流れがわかりやすくなります。
なぜ5と7と10なのか?
5のカードは、「そのスートがもたらす葛藤」を。
7のカードは、「そのスートがとても強く働いた時に何がおこるか」を。
10のカードは「そのスートがもたらす結末」を表します。
そのため、3のカードを理解した後で、この3枚のカードを見ることでスートの全体を理解することができるようになります。
ワンドの5と7と10
・ワンドの5:ワンドがもたらす葛藤
自分の力を大きくすることを考えるワンドにとっての「争い・葛藤」は健康的に切磋琢磨する状況をあらわします。1人1本ずつのワンドというフェアな条件で自分の力を出し切って切磋琢磨する様子がえがかれています
・ワンドの7:ワンドが強く働いたときにおこること
とにかく自分の力を大きくすることを考えるワンドが強く働くと、「少しでも自分の力が有利に働くところから動きたい」という発露になります。
この絵は一見、追い詰められているようにもみえますが、アーサー・ウェイトは「有利な状況で立ち振る舞う男性」と説明を加えています。
・ワンドの10:ワンドの結末
自分の力を大きくすることを目指すワンドはソードと違って争いによって死や敗北がもたらされることはありません。ですが、「自分の力を大きくしていこう!!」という試みはどこかで「1日は24時間しかなく、自分自身の体力には限界がある」という壁にぶちあたります。そのため、ここではオーバーワークになってしまっている様子が描かれています。
カップの5と7と10
・カップの5:カップがもたらす葛藤
カップがもたらす葛藤は、「元に戻れない人間関係の決裂」です。転んでしまったカップは「覆水盆に返らず」を表しています。しかし、よくみてみるとまだ無事なカップも2つあります。生きている間の悲しみの多くは人間関係に起因しています。ですが、どんな悲しい時でも必ずあなたにはまだ繋がっていてくれている人がいます。そのつながりに目を向けることで、また歩き出せることも教えてくれているカードです。
・カップの7:カップが強く働いたときにおこること
空想の世界の美しさに夢中になっている人が描かれています。カップがあらわす愛情や精神的な恩恵、そしてインスピレーションは具体性がないからこそ、いつでも浸ることができます。そのため、強く働くと現実世界よりも空想の世界を優先してしまうことになります。
・カップの10:カップの結末
人間関係の恩恵を表すカップがもたらす一番大きな恩恵は「家族」であることをカードは教えてくれています。他人だったはずのカップルが結ばれ、そこから新しい命が生まれ、愛に満ちた家庭から、また、新たな次の代の愛情の関係が生まれてきて、命が受け継がれていきます。
愛情・精神面での恩恵が戻らす最も素晴らしいものは命の連鎖であることも教えてくれています。
ソードの5と7と10
・ソードの5:ソードがもたらす葛藤
叡智をもって相手に打ち勝つことを考えるソードが生み出す葛藤は、圧倒的な勝者と敗者を生み出してしまうことを教えてくれるカードです。
フェアな状況で争うワンドと違い、ソードは勝つためには手段を選びません。そのため、勝者は敗者よりたくさんの武器をもっています。
また、ワンドでは敗者が全てを奪われることはありませんが、ソードでは勝者は全てを手に入れて、敗者は全てを奪われ、放逐されてしまうことになります。
・ソードの7:ソードが強く働いたときにおこること
叡智でもって相手に打ち勝つソードが強くはたらくと、「いかに小さい力で相手より強くなるのか」という思想につながります。そのため、一瞬の機転で相手の力を奪いながら自分の力を大きくしている人物が描かれています。
しかし、カードをよくみると、犯行(?)の証拠となるソードを2本残してしまっています。これは相手を陥れる計略は必ずどこかで破綻することもあらわしています。
・ソードの10:ソードの結末
一言でいうなら「剣に生きるものは剣に死ぬ」です。叡智でもって相手に打ち勝つことを考え続けるソードは勝ち続けることはできず、必ずどこかで敗者になってしまいます。相手に打ち勝つことを考え続ける先には必ず自分が出し抜かれて敗北してしまう結末が待ち受けていることをあらわしています。しかし空は少しずつ明るみはじめています。敗北から学ぶことで「争うことそのものが無益である」という真理に心から納得できることも表しています。
ペンタクルの5と7と10
・ペンタクルの5:ペンタクルがもたらす葛藤
具体的な成果物を求めるペンタクルの「葛藤」は「貧富の差」です。コツコツと作り上げて成果を上げる人の傍には、積み上げる余裕もなく困窮している人が生まれます。成果物を蓄積できるペンタクルだからこそ、その格差は他のスート以上に大きくなることを表します。
・ペンタクルの7:ペンタクルが強く働いたときにおこること
コツコツと手を加えて成果を得るペンタクルがとても強く働くと、「満足が得られず延々と試行錯誤していく」過程につながることを教えてくれています。自分の手で作り上げた成果物を喜ぶペンタクルにとって、成果を大きくするための努力は決して終わることがないことを教えてくれています。
・ペンタクルの10:ペンタクルの結末
自分の手で成果を作り上げるペンタクルは、自分の代では終わらず、次の代へとどんどんと引き継がれていきます。カップが「家族」「命」そのものの価値を大切にしていたのに対して、ペンタクルは「継続して家族が続いていくことで生み出される価値」に重点を置いています。
③ ステップ3:1から10までの他のカードをみてみよう
ここまでの流れでそれぞれのスートについてよく理解ができたのではないかなとおもいます。ここまでの理解を踏まえて、各番号の持っている意味と、カードの絵柄をじっくりとみることで他のカードについて自分の言葉で考えてみましょう。
④ ステップ4:コートカードを理解しよう
1から10までのカードを理解したら、コートカードにもチャレンジしてみましょう。
コートカードは
・ペイジ(そのスートの入り口、きっかけ)
・ナイト(そのスートを邁進している最中におこること)
・キング(そのスートをマスターした状態でおこること)
という、3枚のカードと
・クイーン(ペイジ、ナイト、キングの流れを客観的にながめ、深く理解したときにおこること)
と考えるといいのかなと思います。
それぞれのスートについて説明してみます。
ワンドのペイジ・ナイト・キング
自分のエネルギーを拡大することが目的なワンドのコートカードはフロインティアスピリットに溢れています。
ワンドのペイジが新しい向かうべき土地をみつけ、ナイトで実際にその土地に向かいます。そしてワンドのキングがその土地を征服し、さらに新しい土地をみつけるようになります。
ワンドのクイーンはその「自分のエネルギー・領土の拡大」をめざすワンドの根底には「生きる喜び」が根ざしていることをよく理解しています。
カップのペイジ・ナイト・キング
愛情・インスピレーションなど、精神的な恩恵をあらわすカップのコートカードは自らのインスピレーションを形にしていくクリエイター気質のカードです。
まず、カップのペイジが形にしたいインスピレーションの源を自由に考えていきます。そして、ナイトはそのインスピレーションを形にするために具体的な作業にとりかかります。最後にカップのキングは「自分の思いを形にできた」ことに自信をもち、「自分の思いはなんでも形にできる」とさらに新しい創造にとりかかります。
カップのクイーンは「自分の思いを形にする」には、「自分の思いに対する愛情・思い入れ」と、「それを具体的に形にするスキル」の両立が必要であることを教えてくれています。
ソードのペイジ・ナイト・キング
叡智を尽くして自分の欲しいものを獲得していくソードのコートカードは、とても慎重な征服者です。
まだ自分の力が十分にないことをよく理解しているソードのペイジは、非常に慎重に、敵を避けながら進んでいきます。成長して力が十分についたナイトは勇猛果敢庭が道を進んでいきます。そして目標を達成したソードのキングは、自分の領域を守るためには非情な決断も必要であることを教えてくれています。
ソードのクイーンは「自分の望みを押し通すためには、時には心を殺して痛みを伴う判断をしなければならない」ことを理解しており、ソードの背景には必ず悲しみがあることもまた、ソードのクイーンだけはしっかりと理解しています。
ペンタクルのペイジ・ナイト・キング
コツコツと積み上げて成果を作っていくペンタクルのコートカードは、派手さはないですが、最後には大きな恩恵を手に入れることができる強かさをもっています。
ペンタクルのペイジが目標となるものを見つけます。そしてそれに対してペンタクルのナイトは実直に勤勉に務めます。派手さはありませんが、コツコツと努力を続けることで、キングでは大きな成果を手に入れることができています。
ペンタクルのクイーンは、人の全ての生産は「自然の恩恵」を受け取っている行為であると教えてくれています。私たちは完全にゼロからモノを作ることはできません。自然にあるものをなんらかの形で加工する過程が必要となります。また、「自分の努力」も自分だけのものではなく先人の成果や周囲からのサポート・愛情によって支えられていることも表しています。
まとめ
小アルカナは枚数は多いもの仕組みがわかれば、大アルカナよりもスムーズに理解ができます。
今回のお話が少しでもみなさまの理解につながれば幸いです。
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