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窓辺のひとりごと
時刻は午前0時をまわった。
12月31日。今年も、あと24時間で終わりだ。
どん底へ堕ちてゆく覚悟を決めて
私の抱える苦しみ・悲しみと改めて向き合った、
そんな2021年初め。
そこからゆっくりと浮上し、
私は私の生き方を決めた。
"人の心の痛みが分かる、強く優しい人になる"
これを中心に自分の軸をいくつか決め、
いつの間にか
「 "大丈夫" なことが増えたな」と気付いたのは
春を迎える頃だっただろうか。
かと思えば、慌ただしくスタートを切った
実習・就活・卒論発表。
凛とした、強い自分で臨むと意気込み、
それを無事やり遂げることができたと思う。
すると今度は
国家試験の勉強に打ち込まなければならない、
そんな時期になっていた。
高得点を目指し、
けれどもある程度の点以上伸びなくなって焦り、
それでも進むしかない私は
何だか心が空っぽのまま
12月の後半を迎えていた。
何だろな、最近の私。
気持ちが常に低空飛行で、
特別嫌なことがあったわけでもないのに
何となくぼんやりしているし、
優先的にすべき事で間違ってはいないんだけれど
勉強ばかりで、優しさを持てるほど余裕が無い。
だけど今、こんこんと降り積もる雪を
自室の窓辺から眺めていて
少しだけ穏やかな気持ちになった。
あぁ、"私" に帰ってきたな。
そう感じた。
目まぐるしく過ぎ行く日々の中、
行き場所を無くして彷徨っていた "私" 自身が
他でもない "私" の中に帰ってきた。
今年も、あと24時間で終わる。
誰も知らない夜の片隅、
静かに穏やかに過ごす今年最後の日。
こうやって、何となく物思いに耽りながら
年を越すのも案外悪くないなと感じた。
皆さん、良いお年を。