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夢=妄想?

気づいた時から私には美容師という夢があった。
小学校の時に母の知り合いの美容室に行ったのがきっかけだったのかもしない。その美容師さんは双子で、お姉さんの方が話好きで元気、妹さんの方は落ち着いて優しい性格。その当時から人見知りで猫かぶりな私は、お姉さんのような、髪を切りながらでも明るく会話している姿が「かっこいいな」と尊敬したのかもしれない。尚且つ話が面白い。そこから美容師について色々調べ、アメリカの美容師は自由で楽しそうとか、おもちゃのマネキンを買って美容師ごっこをしたりしていた。小中学校の職場体験は美容室に行き、レポートいっぱいにその職に就いて夢を広げた。
けれど、中学の職場体験で行った美容室。社員さんがギャルって感じで少し怖かった。私はこの業界の人間には向いてない性格なのかなと、そこからズルズル美容師は遠い存在になって行った。中学から人見知りな部分が大きく見えてきて、人間関係に悩むことが多くなったのもその理由。部活も、勉強も自分に自信がなくて中途半端に終わった。
高校な入ると初めは自分から声をかけ、話せる人を作った。でもそれは初めだけで、クラスの中が深まるにつれ、私はそこに入れなくなった。集団だと自信をなくしてしまった。人が怖くなり、3学期は不登校。2年からまた通った。2年では仲良いことクラスが同じで、その子に着いていくようにクラスの子に馴染んで行った。その子のヘアセットをすることがたまにあり、行事の時は、クラスの子にも頼まれてしていた。「美容師になればいいのに」と言われたけどその時は、「これは趣味がいんだよ」と笑って答えていた。でも褒めて貰えた時は自分を認めてもらえたきがして素直に嬉しかった。一応高校でも美容専門学校のオープンキャンパスに行ってみたが、学校の雰囲気が眩しくて、すっごく疲れた。カット体験は学んでる感覚があって少しは楽しかった。多分、頭の片隅には美容師という夢がいつもあったからかもしれない。
3年の進路希望は就職にした。人と余り関わらない工場を選んだ。お金で自由な生活がしたかった。親には美容師はもういいのか言われたが、歯向かうように就職を選んだ。うちは上の兄弟2人が専門学校に行ったことや、新築にしたばかりでお金の話が日頃から少しうるさかった。これを理由に美容師を諦めたことを後悔したくないように、ただ自分にはまだ美容師になるという自信がないことを理由に就職した。
工場勤務はつまらなすぎた。そのときの自分の行動を振り返るとおかしかったなとはっきり思う。工場でのことは思い出したくないので書かないが真っ黒な思い出だ。それ以外を適当に書くと、部屋のクローゼットにベルトで輪っかを作って首をかけて苦しんだり、夜中スカスカな道路をものすごいスピードで泣きながら運転したり、隣町のわざわざ高いガソリンスタンドに深夜に行ったり、当日欠勤した日に山に行って駐車場で本を読んだり、ご飯を食べてると何故か涙が出てきたり、服を買いに行くも涙が出てきて買うのを諦めたり、壁に頭をぶつけたり、友達の誘いをドタキャンしたりなど。でもポジティブな時もあった。その時は、こんなことしてないで自分の好きなように生きようと、また美容師を目指そうとした。今回は資格が取りたい思いが強かった。1年経ったら工場を辞める考えもずっとあったため、ある日思い切って、「やりたいことがあるので辞めます」と言い、1年も立たないうちに辞めた。知り合いもいた会社なので気まずかった。
そこから今に至る。そして今日、来週行くはずのオープンキャンパスの予約を取り消した。その学校に知り合いがいることをしったから。自分で書いて置いて、そんだけの理由?って思った。また感情だけで動いてしまった。予約を取り消すとき、その学校にいる知り合いが辞めた工場にいる方と知り合いだったから。何か言われるんじゃないか、すごく不安になった。虐められていた訳じゃないのに。負の感情が一気に心を襲った。急に逃げたくなった。そして逃げた。
でも思った。それだけの理由で諦めてしまうような夢はただの妄想に過ぎなかったこと。
会社辞めて美容師になろう思ったときも、どこかで本当になりたいのかずっと不安だった。理想だけを見て足元を見れてない感じがいつもしていた。
このオープンキャンパスに行ったらなにか変わっていたかもしれない?知り合いがいなかったらこの学校に行って、毎日を充実して、なりたい自分に近づけたかもしれない?
その疑問に踏み込めるほどの力が成功体験をしていない今までと私と同じ私には出来なかった。
美容師なんてもういいや。あの頃の私のままでいれたらそんなこと思わなかったのかな。いや、あの頃からなにも変わってないってことはずっとただの妄想だったのかな。
頭の片隅のもやもやが消えない。

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