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嫁家出中

わたしと旦那が喧嘩をすれば3.4日は口を聞かない。

この喧嘩を終戦させるには旦那から

「ごめんね」

の一言があれば終わる話なのだ。

わたしの実家は家から徒歩5分圏内にある。
本気の喧嘩をすればわたしは息子と一緒に早急に実家に家出をする。
家族も友達もわたしの家出には驚くこともなく日常だと思われている。
家出生活は家事はしなくていいし、母と父は息子とたくさん遊んでくれるので息子もすごく楽しい家出生活を送っているようだ。

さて、今回の喧嘩の内容は、わたしと旦那の生活ペースの違いだ。

わたしはすべての用事を終わらせてから21時か22時には布団でゴロゴロしてそのまま寝るというルーティンが理想なのだ。
しかし旦那はご飯を食べたらすぐに食器を洗わずにダラダラしてから動きだす人間なのだ。

旦那の仕事が休みの日は、わたしが夜ご飯を作っている間に旦那が息子とお風呂に入りご飯を食べ、そのままわたしがお風呂に入っている間に旦那が洗い物をするという役割が自然になっていった。

少し前も同じようなことでブチギレた事があり、その日以降旦那は頑張っていた。
ところが先日また振り出しに戻ったのだ。

お風呂を上がった後リビングに戻ると息子が可愛いお顔ですやすやと寝ていた。
その横で旦那は携帯で何もせず漫画を読んでいた。

その時わたしの堪忍袋の緒が切れました。

「なにしてんねん」

「あ、しまった」

その夜はこれが最後の会話だ。

次の日の朝、旦那はなにもなかったかのように話しかけてきた。
わたしのイライラはおさまっていなかったので無視した。
朝洗濯物を回し、洗濯物を干す時に旦那の衣類だけ全て地面に投げ捨てた。
その日の朝ごはんも昼ごはんも夜ごはんも作らなかった。

「謝るまでなにもしないから」

と言い残しわたしは徒歩5分圏内の実家に家出をした。
荷物はいつでも取りに帰れるので身軽家出をした。
徒歩5分圏内だが、車での家出なので実質1分もかからない。

旦那は謝るまでが長い。
わたしは喧嘩をしてもわたしからは絶対に謝らないと伝えているのでこの冷戦を終わらせるには旦那が「ごめんね」を言うまで終わらない。

家出後30分もすればわたしも機嫌が治っているので別に旦那に怒っているわけでもない。
早く家に帰りたい、帰らなければとも思わない。
どちらかというとまだ謝らないでくれと思う。

なぜならば、実家暮らしは最高だから。
母と父はいつも大喜びで「おかえりー!」と言ってくれる。毎日ご馳走を用意してくれて、食後のデザートも必ず用意してくれる。
ステーキや鱧鍋を食べているときは今頃カップラーメンを食べてる旦那を思い浮かべて、申し訳ないと思いながら美味しくいただく。

毎日おでかけに連れて行ってくれてわたしの家出生活はかなり充実しているのだ。

しかし、3.4日も経てばやはり旦那はわたしと息子がいない生活は寂しくなるらしく必ず「ごめんね」と連絡をくれる。

贅沢三昧の日々を毎日送るわけにもいかないので、父と母に帰らなくてはいけなくなったと伝えると

「えー、帰らないでー!」
「また喧嘩して帰っておいで」

と本気なのかどうかは分からない、親としてこれは正解なのかと思いながらわたしは身軽に帰宅する。

よく考えると徒歩5分圏内だしほぼ毎日会っているではないか。嫁にいくってなんだ?

帰宅後はいつも通り3人暮らしを送る。

生活習慣レベルや礼儀に関しては確実にわたしの方が高いのだ。旦那の生活習慣レベルが低すぎる事にわたしはかなりストレスだった。

そのまま喧嘩の内容を旦那と振り返る。
旦那は麦ちゃんのペースにばかり合わせられない、少しは僕のペースにも合わせてほしいと言ってきた。

「生活習慣レベルが高い人と低い人、どっちが素敵だと思う?」

「高い人」

「わたしとあなたの生活習慣レベルはどっちが高いと思う?」

「麦ちゃん」

「だよね、用事が済むまでダラダラするのはやめてね」

旦那はどこか腑に落ちない顔をしていたが、わたしは旦那のペースにあわせて生きるのは不可能だ。可能にしようとも思わない。

「学べ、ブロッコリー。」

もう少し人に優しく生きたいと最近思う。

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