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夫婦の価値観

わたしは旦那と価値観が違う。いや、違いすぎる。
夫婦に限らず、人間はみんな価値観が違うのだろう。

理由は様々だろうけど、わたしと旦那の場合は育ってきた家庭環境の違いが原因だ。
一緒に住むのなら、ある程度育ってきた家庭環境が似ている必要があると思う。


わたしには義母がいない。
旦那の父は単身赴任で基本家にいなかったので一緒に生活をした時間はあまりなかったと言う。
旦那は3兄弟の末っ子で、旦那の母は旦那が小学3年生の時に他に男をつくってほぼ家に帰ってこなかったのだそう。
義父は義母に生活資金を送っていたが、子ども達の食事は作らず食費を置いていくだけで兄弟で食事を作っていたそう。
大人になって義母に預けていた金額と旦那達が置かれていた金額がかなり違っていて義父は驚いていた。
詳しくはわたしから聞こうとは思わないので、聞いてる限りでは完全なるネグレクトだ。
しかし直接的にわたしは関わっていないのでネグレクトだ。と言っていいのかは分からない。
旦那には家族団欒ということが分からないらしい。

わたしの家は父母兄とおそらく普通の家庭で育ったので、わたしの中の母親像と父親像はしっかりとある。
わたしの家はいつも綺麗だったので、家が綺麗なことは当たり前で、シンクに洗い物を溜めるのもありえない事だ。
「水まわりは綺麗に」と父がよく言っていた。


旦那と暮らしはじめて、旦那の生活レベルに呆れた。

シンクに洗い物を運んではすぐに洗わず、後で洗うという。今洗え。
トイレやお風呂も常に清潔が当たり前のわたしだが、旦那は言われないと掃除するタイミングを分かっていない。
服の衣替えも旦那は知らなかった。ずっとタンスには夏服と冬服が入っていた。
髪の毛がどうみても落ちてる床でも掃除機をかけようともしなかった。

どこからが普通でどこまでが普通ではないのだろう。わたしの普通は旦那には通用しない。

家が散らかっているなんてわたしにはあり得ない事だからと旦那にわたしの普通を伝えた。

「それは麦ちゃんの普通でしょ?」

散らかっている家に帰ってきたいのか?髪の毛が落ちていても気にしないのか?トイレは常に清潔でなくていいのか?などわたしの頭はクエッションマークが渋滞した。

普段から旦那は優しい。優しいが生活レベルが低すぎる。わたしのパートナーであるべき旦那像と父親像はわたしの父だ。父と旦那は違いすぎる。

わたしは旦那にトイレ掃除、お風呂掃除、シンク掃除、床掃除、どのタイミングでやるか、どのようにやるか全て事細かに教えた。
2年かかったけれど、わたしの生活レベルと旦那の生活レベルは少しずつ比例してきてるのがわかる。
今ではわたしの旦那像にかなり急成長した。


しかし父親としてはまだまだだと思う。
家族旅行に行こうとなると、わたしの父は飛行機やホテル、観光する場所など母と一緒にパパッと話し合いながら決めて、わたしと兄を楽しませてくれた。

家族旅行にいこうとなった時に旦那はなにもしなかった。わたしはホテルや飛行機や観光場所を調べるのが好きなので別によかったが、ホテルや飛行機の手配もする気配がなかったのでなぜ家族旅行で楽しみにしているのになにもしないか聞いた。

「家族旅行に行ったことがないからどうすればいいか分からない」

なるほど…(?)とも思ったけれど、もういい大人なのだから自分で考えて行動するべきではないのか?とも思う。
わたしは旅行会社や飛行機の調べ方、効率よく観光する方法など全て教えた。
家族旅行は頻繁には行かないので、まだ機会はないがわたしの父はこうだったので旦那にもそうであってほしい事を伝えた。
彼はまだ不慣れだけれど旦那としても父親としても少しずつ変わっていこうとしているのだと思う。

わたしの普通が旦那には通用しなかった事、わたしは旦那とは、父親とは、こうあるべきだと自分の中に勝手にある事、色々驚きと理想とかけ離れた旦那の価値観に苛立ちと不満もあり何度か八つ当たりをした。その度になぜわたしは旦那と結婚したんだ、なんのための旦那と父親なんだと八つ当たりした。
こんなはずじゃなかったと不満ばかり出たときもあった。
言えば努力する、変わろうとしてくれている姿を見るとそれは罪悪感でいっぱいになる。

新しいことがある度に、わたしの普通が旦那の普通ではないことにいつも驚かされるがわたしは懲りずに全てを教えてわたしの普通になってもらおうと思う。

ある程度家庭環境が似ていて、相手の家族の事もよく分かってから結婚を決めるべきだ、好きだから結婚しよう、愛しているから結婚しようは後で色々現実を見る。好きとか愛とかそんな言葉は綺麗事だ。
永遠なんてものはない。

色んな人がいて、色んな普通があっていいと思う。
だが、この先長い時間共に生きていく人間とはある程度同じである方がいいのだと思う。

旦那と結婚して後悔したことはないが、息子には、わたしが育ってきた家庭環境で育ってほしいと思うから、旦那には頑張ってもらないといけない。育った家庭環境が違っていても、最初は時間がかかるけれど、苛立ちと不満、理想と違っていたことに絶望する事も多いけれど、夫婦となった以上はお互いが努力して変わっていき、自分たちの子どもには素敵な家庭環境で育てていこうと思う。

人は人のために変われる。は綺麗事なのかしら?
人はそんな簡単に変われない。が現実なのかしら?

少しずつ、ひとつずつ、頑張って。ブロッコリー。

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