大声では言えないけど言いたいコロナ対応看護師の話
夏のはじめに蚊に噛まれた足首がまだ疼きます。
どうも、ムギです。めためたに痒いです。
今日は大声では言えないけど言いたいコロナ対応についてです。
同業者の方は、毎日お疲れ様です。
罹患された方は、まだまだ精神的にも身体的にも辛いと思いますのでしっかりと栄養と休養を取りながら、関連各所と密に連携をとり、急性増悪にお気をつけください。
書きたいことは沢山ありますが、
コロナ対応看護師として感じた辛いことを少し書きます。
【コロナ対応で辛いこと】
①感染のリスクが常にある
②防護具の着脱や環境調整などの負担の増加
③終わりの見えない精神的疲労
④本来の看護を行えない歯痒さ
⑤手当
①感染のリスクが常にある
これは改めて記載することでは無いですが、私たち医療者は毎日この恐怖と戦っています。
診察やデバイスの操作や設定を行う医師はもちろん、
レントゲンやCT撮影を行う放射線技師、
検体の取り扱いを行う検査技師、
ECMOや透析・人工呼吸器の管理を行うMEなど、
数え切れない医療者が関わっています。
私たち看護師は
点滴の管理・オムツ交換などの保清・食事や注入の介助・体位交換・痰の吸引・呼吸器の管理・挿入物の管理など、お部屋に入る時間も長く、より密に接する時間も多いため感染リスクが高くなります。
医療者差別のニュースもありましたが、家族へ感染してしまうのではないかという恐怖や、妊娠中の看護師はお腹の子への影響など、常にみな怖さと戦っています。
②防護具の着脱や環境調整などの負担の増加
ニュース映像でよく映される防護具の着脱。
感染しないようにしっかりと着用しますが、正直、非常に手間と身体への負担は大きいです。
私たちは、" 個人用防護具 (PPE) " といって、
①ガウン ②N95マスク ③キャップ ④フェイスシールド/ゴーグル ⑤手袋 ⑥シューズカバー を着用します。
常に身につけている訳ではなく部屋に入る度に着脱するので、正しい手順で脱ぎ着を行いますが時間がかかります。急変が起こると、すぐに部屋に入りたいのにこの手間があるため、あとでモヤモヤすることも多々あります。
ガウンはとても暑く、重症患者対応で部屋に一時間以上滞在することも日常のため、時間が長くなると滝汗でナース服はビショビショに。
マスクやキャップ・フェイスシールドによってメイクや髪の毛はボロボロになるため、肌荒れ必須です。N95マスクは鼻頭がとても痛いです。
防護具をつけて対応すると、中には
「お前らは俺をバイ菌やと思ってるんか!!!俺はコロナじゃない!!!脱いでみぃ!!!!」
と、心無い方からの罵詈雑言もありメンタルが落ち込みます。(なら自宅で待機してればいいのに)
環境整備も看護師の仕事です。
・各勤務での床掃除や拭きあげ
・トイレ掃除
・ECMO挿入中はヘパリン化で常に易出血状態のため壁やシーツに血が飛び散ったりでその清掃
・医師が鬼のように持ち込んでしまった清潔グッズやエコーの拭き掃除
・すぐ満タンになる感染廃棄物用ゴミ箱の片付け
・シーツ交換
・退室された部屋の清掃(2時間くらいかかる)
など、いつも以上に除菌に気を配りながらで時間がかかってしまいます。
防護具の着脱や環境整備の時間の増加など、
目に見えない負担が増えたのも コロナ対応の特徴のひとつだと思います。
③終わりの見えない精神的疲労
これは医療者だけではないですね。
本当に早くコロナが収束して、みんな回復して経済が戻ってマスクのない当たり前の生活が恋しいです。
同期や先輩も何人か、コロナ対応や コロナ病棟設立による一般病棟への負担増化などで心や身体を病み退職しました。みんなハッピーな世界にはやく戻って欲しいな〜〜
④本来の看護を行えない歯痒さ
コロナウイルス流行以来、多くの病院や施設では、面会や外泊を制限しています。
もちろん感染の拡大防止の為にとても大切なことではあるのですが、
病気になっての不安や心細さなど、医療者には埋められない、家族や友人・外の世界でしか満たされない心の傷があります。
人工呼吸器に繋がれた意識のない重症患者が、元気になって笑顔で車椅子に乗り家族面会室に行く姿が私は大好きでした。
また、危篤の状態で普段なら何日も大勢の方に見守られながら最後の時間を過ごしてもらう、その時に元気な時の本人や家族の話を聞かせてもらって泣き笑う、そういう時間が大切な時間であり、医療の限界を越えた看護の時間だと思っていました。
罹患された方と御家族はもちろん、それ以外の色んなところでも色んなモヤモヤがあり、歯痒い気持ちがあります。
その上で、モニター面会や、
許可を頂いて集中治療室での写真を撮影したりと、日々 今私たちにできること を模索しながら働いています。面会制限などのご協力にも感謝していますし、少しでも苦痛が和らいでいると幸いです。
⑤手当について
最後にお金の話で申し訳ないです。でも書きます。
友だちからは、よく
「看護師って給料高くていいよね〜」と言われます。
20代の平均年収が350万程度だと考えると同年代よりは貰ってる方だと思いますが、リモート時短の友達が600万くらい貰ってる話を聞く度に、
人の命を預かるという責任のもと毎日病棟中を走り回って、夜勤もフルで入り生活習慣と肌を犠牲にし、日々進歩する医療についていくための勉強に費やす時間を考えると、正直もうちょいお給料あげて欲しいな〜〜〜〜〜〜〜〜〜とは思います。(自分で選んだんやろって言われたらそこまでですが…)
そこに加えて最近はコロナ対応も加わり、
上記のように負担はもう家系ラーメン背脂マシマシくらいマシマシです。
私の病院ではコロナ手当といって、対応すると1日何千円、というように給付があります。
最近話題の酸素センターの看護師求人をみると、日当3万円と書いてあって落ち込みました。
コロナ手当は、最初2千円/日でスタートしました。
そのあと上下あり一時6千円/日の時とありましたが、今は3千円/日です。もはやこれが高いのか低いのかも分かりませんが、現場の看護師はどんどんどんどん離れていっているのが現状です。
きっと手当や保証のない病院で働く医療者も多いでしょう。
お金だけが支えになる訳ではありませんが、
医療体制が逼迫してる今の社会がコロナ対応をしている医療者にできる事は、国にお給料を上げてもらうことと、皆に感染予防を徹底してもらうことしかありません。
少しだけ、と思ったら長くなりました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
コロナが終わるのか共生していくことになるのか分かりませんが、しっかり予防を徹底しながら乗り越えたいですね。罹患された方の完治を願っております。
最後に全医療者の心の声を代弁して、、、
五億円下さい!!!!!!!!!!!!
〆
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