#今週の一曲一枚 Till Yawuh / Still Sounds (2024)
「歌」も「インスト」もしっかりあるアルバム。体感では半々くらいに感じる。バランスが拮抗している作品って、歌物プラスそのインストやカラオケバージョン、というきっちり半々の作品以外では案外少ないのではと思う。人と楽器のどちらかが殊更に誇張されることはなく、かといって声も楽器も同じ音であるということが強調されすぎることもない。今まで感じたことのないバランスだと思った。
”Metro / Dreaming (feat. Rhino kawara & Cvel)”は特に好きだ。そもそも自分は、幼少の頃電車が好きだったのも関係するだろうが、鉄道の音が入った音楽は大好物だ。電車の音が消えた後もこの曲はとても素敵。2種類のリズムで(繰り返しの中で、ある一定のリズムで「走る」)、音階が繰り返されるのが気持ち良い。音階が途切れてドラムが入ると、電車の音ではないのに列車が走る様子も感じられる。
”Mango Cookies”もめちゃくちゃ好き。「露骨な借景」という言葉が面白い。サビで、歌と伴奏が不協和音と協和音を繰り返す。一瞬の協和音がとても爽やかで気持ち良い気分になる。
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