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#今週の一曲一枚 Ogawa & Tokoro / Mutual Mutation (2023)

音楽は空気だ。音楽には実体がない。
Ogawa & Tokoroの曲を聴くと、そのことを思い出す。

管楽器をたくさん使ったり、大きな声のヴォーカルがある曲が「大きい音楽」だとするならば、彼らの音楽は小さな音楽だ。彼らの曲は、電気信号を増幅させることで私たちの元へ届いている。

今時そうでない音楽の方が割合としては少ないと思うが、Ogawa & Tokoroはそのことをより強く意識させる。理屈としては、アナログな楽器の方が直接空気を揺らしているとは思うけれど、理屈が脳内で逆転したような不思議な感覚になる。

“Break Point”が特に好き。独特でかっこいいのかよく分からないメロディーの音に強く心惹かれる。

あとは”Digital Aliasing”。水の音がする音楽はだいたい好き。これは本当の水の音?それともあのしゃらしゃらいう打楽器なのか。

“Astroswing”はハッキリとしたメロディーが特徴。構成もなんだか、ヴォーカルのあるポップソングのようだ。「間奏」の部分でのカッティングギターが、聴き終わっても忘れられない。気が抜けていて、親しみやすい。これからもこの曲を聴くと落ち着けそうだ。

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