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#今週の一曲一枚 角野隼人 - Human Universe (2024)

ついに、世界デビューのアルバム。古典から映画音楽、本人による作曲まで幅広く収録された。

角野による作曲やアレンジの曲には、往年の名曲の引用とも感じられる部分もあり聞き応えがある。(私は曲名を全然思い出せず、メロディー入力で探してみたりしたものの見つけられなかったため細かい言及はやめておく)。

アルバムの軸として、3曲のノクターンが収録されている。ノクターン(夜想曲)は、1800年くらいに作られた1ジャンル。こういったタイトルを付けるのも、新しい音楽も演奏するけれど、やはりクラシックの系譜にあるという意思表明なのだろうか。2曲目の"After Dawn"が個人的には一番好きだ。単純にメロディーが美しい。盛り上がって静かになって、3曲目のトリルに繋げる流れも素敵。

最後に「7つのレベルのきらきら星変奏曲」が収録されている。このシャンソン(ああ、お母さん聞いて)の変奏と言えば、モーツァルトやヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハの作品が思い浮かぶ。どちらも大好きだが、私にとって新たに好きな変奏曲として角野隼人版が仲間入りした。和音やリズムにはちょっとジャズっぽい雰囲気も感じたりして、伝統も感じるが古風ではない。また、とても奇抜なことをしている訳ではないのに、同じメロディーを主題にして、ピアノというのは本当に色々な表情を見せるのだと感じさせる。

ピアノって、歴史もあるし本当に面白い。私が歳をとって死んでも、もっとずっとこの楽器は変わらずたくさんの名演奏家を生み出すのだろう。


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