#今週の一曲一枚 For Anyone That Knows You / Josiah Steinbrick
静かなムードが心地よいアルバム。
静かだし音数も多くないけれど、人が生み出すタイミングがすべて絶妙で、複雑な印象を受ける。
一曲の長さは少し短めで、10曲もあるのに30分足らず。音数の少ない音楽って、長いのをじっくり聴くのが心地よい、みたいな音楽がたくさんあって、それももちろん大好きだけれど、さらっと通り過ぎていくのも、それ以外の余白を自分が想像できる感じがする。どの曲もアウトロがサラッとしていて、スパッと終わる感じがするのも素敵。自分が楽曲に入り込むと言うよりは、聴き手が自分の中で咀嚼する空白がもたらされていると思う。
「Elyne Road」のリフが好き。だんだん下がっていくメロディーそのものが素敵だし、きらきら星変奏曲みたいに、同じ曲がどんどん形を変えていく感じがワクワクする。
基本ピアノの曲が多い中で、「Tomorrow」と「Meet Your Love Again」「Signature」ではサックスも登場する。最近サックスの派手なソロを聞き慣れすぎていたので、サックスのロングトーンってこんなに優しいんだなって、素直にそう感じる。
最後の「Lullaby」は一番長い曲。でもなんでか、集中して聴いているとすぐ終わっちゃう。静かなのに、めまぐるしい展開。でもやっぱり心に沁み入る。
27分で、私の心もすこし浄化される。
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