「るろ剣」「お〜い竜馬」のその後が読める?「ゴーマニズム宣言SPECIAL大東亜論巨傑誕生編」
2015-12-07
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AKBの追っかけを休止した小林氏が、長年続けていたゴーマニズム宣言のスタイルもお休みして伝記漫画を描き続けている。そうまでして描きたかった人物が頭山満(とうやまみつる)だ。マニアと誇れるほどでもないが、一応歴史好きの自分もその名前は知らなかった。まあ、明治以降の近代史にあまりロマンを感じず、知識が薄い人は多いと思う。
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なんでも頭山満は元祖右翼の頭領でありながら、昭和天皇の教育係が無私の手本として伝記を推薦するほどの大人物であったらしい。そのエピソードを伝記漫画化した単行本の第二弾が近日出るそうなので、第一弾である「ゴーマニズム宣言SPECIAL大東亜論巨傑誕生編」を紹介したい。
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繰り返しになるが、幕末は大好きでも明治以降の近代史に疎い人は多いと思う。「お〜い竜馬!」の板垣退助や後藤象二郎、陸奥宗光のその後を、もうちょっと濃い感じで読めるとしたら、好きな人には興味をそそられるだろう。
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「るろうに剣心」で語られる、志々雄真実が潰そうとした明治政府の治世はどんな感じだったのか。読んでいると、武装蜂起したくなる世界観が重苦しく伝わってくる。
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小林氏はテロを全否定することは出来ないと、ある日から言い出したと解釈しているが、その辺も読んでいてよく分かる。テロとは何なのか?それがこの漫画の一つのテーマとなっている。
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397ページで1944円となかなかのお値段。しかし読み応えがあり、繰り返しの通読に耐えうる濃いい一冊だ。