5分で読めるシグルイ、「腕KAINA〜駿河城御前試合〜」

2015-05-01

チャンバラ漫画「シグルイ」は一時期、自分の中で瞬間最高ヒットをたたき出したことがあった。もちろん世間的にもヒットしている。しかし全15巻は長い。最終回になる頃には少し興味も無くなっていて、結末がどうなったのかはあまり覚えていない。

そこに行くと、シグルイと同じ駿河城御前試合を原作とした「腕KAINA~駿河城御前試合~」はコンパクトに読める。なにせ全4巻のうち、1巻の1話のみがシグルイの全内容なのである。5分で読めてしまう。そしてシグルイでは読め無かった、原作の残りの試合も読めるのだ。漫画オリジナルの展開も多いのだが、なんとあの有名人も出てくるのか!と御前試合のマッチメイクの良さにも驚いてしまう。これは実際読んで確かめてほしい。

左が森、右がシグルイの山口作画の伊良子清玄

作画は「墨攻」の森秀樹。著者コメントによると、今は一人で描いているそうで、その為か作画は荒く、枯れている。「青空しょって」の初期の頃はあだち充や宮崎駿の様なタッチだったのが嘘の様である。しかしこの作風こそが、時代劇作家が憧れる境地のようだ。詳しくはいつか述べたい。

一番の読みどころは、何人か出てくる非モテ剣術家の描写である。モテないだけでなく、生理的に受け付けないどころか、死んだほうがマシぐらいまでヒロインに嫌われてしまう男達。彼らが開き直ってただ無心に剣を振るい物語を終わらせる姿はどこか爽快である。
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