SEKAI NO OWARI『EARTH』 俺的名盤レビュー②
どーもこんにちはおかかです。
今日は僕の音楽キャリア(?)における原点と言っても過言ではない、SEKAI NO OWARIのファーストをご紹介。
一般的には3rdアルバム『Tree』が名盤と言われているんですが、『EARTH』はセカオワファンからカルト的な支持を得ています。
僕自身もこのアルバムが好きすぎて多分このブログだけでも3〜4回扱ってます。
セカオワファンも、そうじゃない人も、この記事を読み終える頃にはこのアルバムを好きになっているはずです。がんばります。
このアルバムの最大の魅力は何か。
それは全曲「こんな感じ」な曲調なことです。
まずはリズム。徹底された4つ打ちと、8ビート。
リズム隊の演奏は極めてシンプルで、敢えて言葉を選ばないのであれば誰でも演奏できるものになってます。
コード進行に関しては大半が王道進行かカノン進行。
これも言ってしまえば誰でも作れる曲です。
とはいえキーボードがクラシック畑出身ということもあり、ギターではなかなか手が届きにくいコード (augやdim7など) を時折鳴らすのがイイ。
ギターはアホなくらいクリーントーン一点張りで、
とにかくシンプルな音作り。
基本的には邦ロック的なアルペジオやカッティングですが、ここぞという時にはファズの轟音でエモーショナルな演奏をしてくれます。
こんな感じで、徹底された引き算が本当にいい。
コード進行自体はJ-POP的だけど、そのループが延々続くという点では洋楽的な曲が多いです。
そしてこの「誰でもできそう」な曲に乗せる、深瀬の
重く社会派な歌詞。
『EARTH』がカルト的名盤になっている最大の理由です。
思想性が極めて強い歌詞を、「簡単」な曲に乗せる。
セカオワがやっていた音楽性は、
今振り返ると極めてパンク的だった気がします。
(そして僕はそれを個人的にネオパンクと呼称してます)
セカオワ同様当時ネオパンク的存在だったのは神聖かまってちゃんもでしょうか。彼等の1stか2ndもいつか必ず取り上げます。
他にもリーガルリリーは初期セカオワに影響を受けたことをガッツリ公言していますし、デビュー以降に後続のフォロワーが続々と出てきているところにセカオワの音楽性における確かな影響力を感じます。
いかがでしたか。
今回はカルト的人気を集めたセカオワの1stアルバム『EARTH』のレビューでした。
心の奥に深く突き刺さる哲学的な歌詞は勿論、
エレクトロニカやシンセポップを選択した音楽性もやはり当時としては唯一無二だったと思います。
特にファズやボコーダー、シンセベースを扱う音作りは個人的に今でも大好きだし、それら全てを包括的に扱うアーティストは意外と全然いません。
そもそもセカオワは『Dragon Night』ではEDMを、『Habit』ではHIPHOPを…といったように、
新しいジャンルに喰らいついた上でそれを大衆にヒットさせる力が恐ろしいくらいに高いです。
そして今日はこの曲でお別れ。
#04「青い太陽」のデモ版です。
ボコーダーから始まるイントロ、ヌケが悪いながらも特徴的なファズギター、あどけなさが残るFukaseのボーカル、詩的でメッセージ性の強い歌詞…。
インディーロックにエレクトロニカを足したような音楽性で、個人的にはこの曲はデモ版こそ至高です。
好き嫌いは分かれたとしても、
彼等の音楽的センスは本物だと確信できる1曲です。
ではまた次の名盤でお会いしましょう。
それでは!