入院と退室(4)
そんなわけで、一定のリズムに沿って、優楽の生活は進んでいきました。優楽において、特筆すべきことは、「食事がおいしい!」ことです。そりゃあ、3,4日に1回くらいは「ちょっとこれは……」てなこともありますが、たいていはおいしい。原価が限られている中、精いっぱいの努力で何とかおいしいものをつくろうと頑張っている姿勢には、頭すら下がるくらいです。一品ずつスタッフの方が、「お待たせしましたー。〇〇さんでお間違いないですねー」と口頭で確認して配っていく。その分、時間はかかる(といっても、配り始めてから5分くらいのものですが)。私も、(やっと来たかー)と心の中で感じながら、「はい……はい……ありがとうございます……いただきます!」とお礼を必ず言って、食事を摂るようにしているのです。たまに、患者さんの中に、みそ汁などを飲んで、しかめた顔をし、「こんなまずいもん、飲めるか!」と吐き捨てるような言葉を言う人がいますが、これはいただけません。原価の限られている中、何とかおいしいものをと考えている態度に感謝するべきではないかと思います。その工夫の中でも、一番おいしいものはといえば、デミグラスソース。ハンバーグなどについているあれ、ですけど、あれは絶品。おススメいたします。
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