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レア 囚われの身 1🏰 (仮題) 1268文字
お話のベースは「ラプンツェル」
二次創作ではないですが、二次創作に見える?
設定
登場人物 レア(仮名)
小鳥、動物と村人は姿が見えるのみ
山中もお城の小塔に住む主人公
🌲🌲🌲
第一章🌲🌲🌲
山々に囲まれた高い崖の上にお城があり、そのお城の高い場所に小塔がありました。
その小塔には、レアと言う名前の金色の美しい長い長い髪を持つ娘がいました。
小塔には360°のバルコニーがあり、長い一日をレアは明るい日差しの中、バルコニーでスキップや踊ったり、寝転がっては仰向けになり、長い髪を下に垂らしたりしていました。
東西南北、どの方角からも世界が見え、遠くの景色から登る朝日、夕方は遥かかなたに沈む夕日が、一番最初に見える場所でもありました。
冬になれば、一番最初に冷たく凍る北風が吹き、一番最初に天から雪が降る場所でもあり、季節を告げる春風、夏の容赦のない暑さ、熱を冷ます秋の風が、また朝日が森の木々の冴え冴えと薫る空気と一緒にあらわす場所であり、国中で全てが一番最初に訪れる場所でもありました。
そんなレアのいるお城の崖下は川が流れ、レアの長い金色の髪は、小塔のバルコニーから垂らしても崖下の川には遥かに届きませんでした。
バルコニーから、下に垂らされたレアの金色の美しい長い髪は風が吹くと、髪が広がり揺れる音は、ハープの音色のように聞こえ、朝早い山の緑の濃い空気に、朝日を受けるレアの美しく揺れる髪のその光景に、通りかかる村人や山の動物、鳥達は魅入っていました。
今日も、またレアは金色の長い長い髪を仰向けに寝転び、バルコニーから下に垂らしていました
空は青色、と言うように。
レアの夢は、瞳の色にあらわれていました。
レアの大好きな空の色を映し込んだ青い瞳は、逆さに見える眼下を映します。
身を乗り出し、下を見るように沿ったレアの体は危ないですが、誰も止める人はいません
空高い、遠い所から吹く風で流れる髪とともに、レアは美しい声で歌います。
「夢は、愛のように
愛は、夢のように」
と声は響き、
ラプンツェルの長い髪は
光を浴び、光輝き
風が吹けば
風と一緒に、髪は広がり揺れ音が奏でられ
天界の音楽が流れているようでした。
レアのいる国は100年、事故や災難のない国です。人と人の争いがなく、喧嘩をする事もない平和で、人々は穏やかで、自分達の寿命で命を終えていました
小塔から一度も出たことがなく、人と会話をしたことのないレアは、外の世界を知りませんでしたが、他国と違って争いのない国と本で読んで知っていました。
レアは、この小塔から出ていくことができません。
いつも小塔から山々の風景を、崖下の川の水が流れていく先を、川の水が流れてくる先を見るしかできませんでした。
レアは、本で地図でこの国の場所を、自分のいる場所を知ってはいましたが、こことは違う国に続いている青い空を見上げ、じぶんが見たこともない山の向こうの場所を川の先の、知らない世界に流れていく白い雲をただ見ているしかできませんでした。
でもレアには、時々食事のパンをあげている小鳥達が花を届けてくれていました。
山の中なのか、山の向こうの花なのか、どこで咲いているかわからない花でしたけれど、この小塔から出ることはできなくても、小鳥が届けてくれる、愛らしい花に満足していました。
続く→
レア 囚われの身2 🏰 (仮題)
文字数は、始まり以降の文字数です🌿