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裏浦伝説2

太郎は船を出し、沖に出ました。
天気もよく、波も穏やかです。
竿の糸を落とすと、目前に海月くらげを何十倍も大きくした透明な物がありました。

太郎は驚きよく見ると、中に四角い箱を持った美しい女性がいます。
海月は左右に分かれ、女性は立ち
「じゅらくよ〜ん」
とシナを作ってのご挨拶。

見た事ない衣装の女性に、また驚く太郎。
「乙姫と言います。先日は亀を助けて頂き、ありがとうございます」
と乙姫。

太郎は、見ると乙姫の足元に亀がいて右前足を振っている


「乙姫様が、自らお越しです。さぁ、船にお乗りください」
と亀が言うと、太郎は手足が勝手に動き、乙姫の舟に乗っていました。


海月は閉じ、空に飛びます。
太郎がえっと思うと、暗い夜のような空間に水母の船が浮いていて、青い丸い玉に心奪われます。


「あの青い丸い星が、太郎様がいた星です。お礼に、宇宙の海を色々な風景をお見せしたいと思いました」と乙姫は言い、太郎の顔を両手で挟み、海月の中で何度も太郎とplay。
急に明るくなる海月に太郎は驚くも、ぐったり横になったまま。

「船の燃料は、地球の男性の性エネルギーが変わり、船の中では性エネルギーは燃料に変換されます。宇宙警備隊に追跡され燃料使ってしまい、太郎様に手伝って頂きました」
と言われても、ぐったりして頭が回りません。


「タイムワープ致しますね」
と乙姫。

今度はピーカンの青空の下で、巨大な建築物の土台が見えます。


「ここは古代エジプト。ピラミッドを建設中ですが遅れているようです。少し手伝わないとですね」
と乙姫が箱を持つと、外の巨大な四角い石が浮き、ピラミッドの原型が分かる位迄積まれていきます。


「石が浮く!」と太郎。

「目には見えない重力で浮き、動かせます。この船も重力で浮き、タイムワープします」

「太郎様のお力です。助けて頂きましてありがとうございます」と亀

「色々な所へご案内致します。燃料を少し補充しましょう、ね」と古代、未来と行く先々で乙姫は、太郎の期待に応えるplay。


太郎が船に乗って三年、もうできないと拒絶。乙姫は最後にと地球の海底巡りをし、太郎を故郷に返します。
浜辺の太郎は、人を訪ねています。


「ボケて名前忘れてますから、別の名前言っちゃてますね。三年も三百年と聞き違えて」
と亀。

「故郷と場所が違うのも気がつかないなんて。精も根も尽きる前に言えばよいのに」
と言う乙姫に、亀は

「そんな心配より、また調達しませんと燃料を」

END


「海」をテーマに、1000文字縛りの小説です。
他の方がされているのを見て、書いてみました。ルビ含め、999文字です。

この裏浦伝説は、浦島太郎のお話に、「虚舟うつろぶねを加算しています。

「虚舟」に興味のある方は、下記をご覧ください。日本の伝承にあるお話です。








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