変わりゆく人生。変わらない景色。
MyStory『無我夢中人#008』
Tango Inc. 取締役 丹後佳代 - part2
丹後さんの人生は、大きく変わりました。小学校の教員を辞めて地元今治に戻った後、畑違いだったタオル工場を事業継承。自社ブランド「オルシア」を立ち上げ、有名雑誌とコラボ。丹後さんのタオルは大手百貨店で常設販売されるようになり、日経ウーマンオブザイヤーを受賞。まさに、夢を掴んだ働くママです。
『大切な場所』
みかん畑の中で育った丹後さんには、大切な場所があります。愛媛県今治市大西町にある、地元の人しか来ないであろう小さな海岸。幼い頃からこの海岸で遊び、今でも何かあると、ふと立ち寄る場所です。瀬戸内のやさしい潮風と茜色に染まる夕焼け空が象徴的な心安らぐ場所。昔からずっと変わらない景色です。
『子供の頃は、夕陽が怖かった』
穏やかな瀬戸内の水平線に沈む夕陽。幼い頃の丹後さんには「何かが終わるような気がして怖い存在だった」と言います。
「事業を始めて見える世界が変わった。もともと、世界は変わっていなかったんだろうけど、世界ってこんなに広くて、美しくて、楽しいものなんだと気づくことができた」
無謀とも思われた「新しい世界への挑戦」が、若者離れが進む故郷への「一途な思い」が、逆に丹後さんに「夢」を与え、まだ見ぬ世界へと導いてくれたのです。
『夢の途中』
丹後さんは、今の状況を
「ずっと、夢の中にいるみたいな感覚」
「覚めたくないと思っている」
「この中で羽ばたいてみたいと思っている」
「夢の中だったら、何だって出来る」
「やってみようって思える世界に、今、生きれていることが幸せ」
いろんな経験を重ね「終わりがあるからこそ、美しいものがある」と思えるようになった今、夕陽は怖いものではなくなった。
今、この海岸で、自分の子供たちが遊んでいる。この子たちにこの景色は、どう映っているのだろう。ママが輝き続ける事で、次の世代が夢を持ってチャレンジできるのかも知れない。そして、この変わらない景色の向こうには、未だ見ぬ、広い広い世界があることを伝えていきたい。
『夢』とは「ゴール」ではなく「道中」のことなのかも知れません。
『My Story 〜無我夢中人〜』
毎週木曜日21:30-22:00 on FM愛媛
【パーソナリティ】西城戸淳平/高岡奈々葉
【ゲスト】丹後佳代 Tango Inc. 取締役
番組企画制作/写真/文:西城戸淳平