小説:死ぬ準備・童女トン・妄蟲など

90歳になった、そろそろ冥王星行きかな。まだ地球の方がいい、病気はいっぱいある、糖尿に前立腺癌に無呼吸症に狭心症に高血圧に左眼すでなくした、右眼だけ、それも術後白内障で暗い、幽めいの境地なり、でもさ、冥王星にはまだ行かない、隣りに冥王星の衛星のカロンがある、地球のに十分の一くらいかな、その中央にあるSernity Clasmaは丁度日本列島くらいの、弓なりに曲がった深い峡谷だ、幽境の地球人を待っている、間もなく日本も亡びてカロンに逝くことになるだろう。

カロンまで行くのにどれくらいかかるか、ジェット機なら600年、はじめてカロン訪ねた太陽系探索機でも九年半かかった、果報は寝て待て、人間なんざあ孫の孫のその先の孫の時代にたどりつく?

「3001年宇宙の旅」だ。

私は霧社事件の台湾霧社で生まれた、台湾沖海戦では近くの海軍航空隊基地から軍国少年の私を可愛がってくれた戸塚飛行曹長が飛び立った、特攻で死んだ、いいか、あすから一週間朝空を見上げろ、三機編隊でとぶ、翼を左右に振る、それがおれだ、後は君たち少国民にまかした、いいか。

最後のことばだった、

これから「小説:死ぬ準備」「童女トン」「妄蟲」などを書く、安いが見料は頂く、マガジンにするかもしれない、これまでも二回マガジンで有料記事を発表した、売れなかったのか、何らかの手違いか? 一銭も送ってこなかった、ネットはどこも魑魅魍魎のすみか、まあいい、まとめて払うだろう。

祈る再会。



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