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むぅにぃ
2021年1月4日 05:09
リシアンは、居間で父と母が話をしているのをたまたま聞いてしまった。「ウィスターさんは、いよいよ土地を手放すようだね、クレイア」「ええ、そうなのよ。市がこっちのほうまで道路を敷きたいらしいの。以前から、ウィスターさんと交渉をしていたらしいわ」「あの森も、すっかり無くなってしまうわけだ。この辺りもたくさんの店ができて、賑やかになることだろうな」リシアンの父ダレンスが言う。「そうなるでしょうね
2021年1月11日 08:17
翌朝、3人はスズメがさえずりだすよりも早く起きた。「おかあさん達、さすがにまだ寝てるわね」リシアンが小声で言う。「キッチンへ行って、シリアルを食べましょ。それから、お昼に戻らなくて済むよう、サンドイッチを作っていきましょうよ」 そっと階段を降りて戸棚からシリアルを出し、冷たい牛乳を注いで食べる。食べ終わると食パン入れからパンを取り出し、冷蔵庫にあるハムやチーズ、ジャム、マーガリンをたっぷり塗
2021年1月18日 03:42
翌朝も3人は朝早くに起き、簡単な朝食を済ませると、バスケットにサンドイッチを詰めて出かけた。「今日行くところは『太古の森』って言ったわよね?」リシアンが確認する。「そうよ、リシー。石ばっかりのつまらない国。でも、あの魔法使いは、なんだか含みを持たせていたわね」「まあ、いいさ。『氷の国』みたいな危険はないだろうし、行ってみれば、どんなところかわかるんだからね」パルナンは言った。 いつものよ
2021年1月25日 06:22
伝説の魔法使いが2人とも見つかって、ゼルジー達は一安心した。あとは魔王ロードンを探し出し、対決するだけである。「今日は焦って冒険をする必要はないわね」リシアンが言った。「ええ、こっちは5人揃ったんだし、いくら魔王がすべての元素魔法を使えるっていったって、人数が多いんだから負けるはずないわ」ゼルジーものんびり答える。「ゆっくり朝ご飯を食べて、お昼には帰ってこられるね」考え深いパルナンでさえ、