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【小説】待つ(Ⅲ)

 布団ががばっとひっぺ返された。カオリはびっくりして目を覚ます。意地悪そうに口元をゆがめたシズエが上から見下ろしていた。
 「いつまで寝ているんだい?うちは旅館じゃないんだよ。年寄りは朝も早いんだから。気を遣ってちょうだい」
 シズエはそそくさと布団を押入れにしまう。カオリはゆっくりと体を起こし、シズエに向け中指を立てる。

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5,310字

青春の光と影、愛と孤独、そして死――北海道の札幌郊外や空知地方の美しい自然を背景に、ティーンエイジャーである2人のカオルと1人のカオリが織…

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